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続税の節税は相続時精算課税制度を利用する

平成29年6月22日に国税庁からパブリックコメントが発表され、広大地評価の改正内容が発表されました。
この改正案はまだ正式決定でありませんが、おおむねこの内容どおりで、来年平成30年1月1日以後の相続などによって取得した財産から適用されます。
この改正によって、3割以上も評価額が高くなってしまう土地も存在します。
このページでは、改正前の今だからこそできる対策をご紹介します。

改正前の生前贈与

相続時精算課税を使っての贈与が、広大地評価の改正前の対策として挙げられます。

贈与という言葉を知っている方は多いと思いますが、贈与の方法が2種類あることをご存じでしょうか?
まず、一般的な方法からご説明します。

暦年課税制度での贈与

贈与の一般的な方法です。

年間110万円の控除額があり、それを超える額については贈与税が課税されます。
贈与する人、贈与される人、贈与する財産についての制限はありません。
控除額の110万円までなら税務署への申告は不要です。

相続時精算課税での贈与

もう一つの方法が、相続時精算課税での贈与です。

相続時精算課税制度とは、相続前の早い時期での大きな財産の移転を目的とした制度です。
控除額が2,500万円までと非常に高額です。
2,500万円を超える分には、一律20%の贈与税がかけられます。
ここで非課税になった2,500万円分の税金は、贈与者が亡くなって相続が発生したときに、遺産総額に加算されて相続税がかけられます。
その名の通り、贈与時に納めるはずの税金が、相続時に加算して課税される、という贈与の方法です。

相続時精算課税制度の適用条件

適用条件は以下のとおりです。

こんな方は相続時精算課税制度の利用を検討する価値あり

以下の土地をお持ちの方は、広大地評価が廃止される前(2017年12月31日まで)に相続時精算課税制度を利用した贈与を検討する価値があります。

  • 広大地として通る確率が高い土地
    (例.すでに前回の相続などで広大地評価が適用されている土地)
  • 500㎡に満たない土地(ミニ開発分譲地)
  • 中小工場地区にある土地
  • 東京都23区にある容積率300%以上の土地

では、なぜ検討する価値があるのかご説明します

①税務署に否認されるリスクが低くなる

広大地かどうかの見きわめ自体が難しいこともあり、広大地評価をして申告しても、税務署側に否認されるリスクがあります。
前回の相続などで、すでに一度広大地として認められている土地であれば、絶対とは言えないものの、税務署側に否定されるリスクは低くなると考えられます。

②改正後は減額が一切受けられなくなるのを防げる

広大地の改正により、適用要件が明確化されました。

この結果、現行では広大地として大きな減額が受けられていた土地が、減額が受けられなくなるケースがでてきます。
今まで500㎡未満のいわゆるミニ分譲開発地も広大地として認められるケースが存在しましたが、改正では三大都市圏で500㎡以上、その他の地域で1,000㎡以上と明確化されます。
地区も、工場が多い地域の土地は認められなくなります。
どれくらいの高さの建物を建ててよいかの基準である容積率も、明確に数値が定められました。
現行の広大地評価では例外として認められてきた上記のような土地が、改正後は減額が受けられなくなってしまいます。
しかし、改正前の平成29年12月31日までに相続時精算課税制度での贈与をしておけば、現行の広大地評価額のままで、次世代に土地を引き継ぐことができるのです。

相続時精算課税のメリット

相続時精算課税制度を利用した贈与のメリットについてご説明します。

大きな控除額

2,500万円まで贈与税が控除されるという点です。

たとえば、今年父が子に1,000万円の現金の贈与をしたとします。
そうすると、来年に持ち越される控除額は2,500万円-1,000万円で1,500万円です。
来年に500万円、再来年に1,000万円贈与したとしても、控除額の範囲内であれば、贈与税は課税されません。
2,500万円を超えた贈与分については、一律20%の贈与税がかかります。

納税を先延ばしにできる

納税を相続時まで引き延ばせるという点です。

相続時精算課税で贈与した分は、相続時に遺産総額に加算されて課税されます。
言い換えれば、贈与したときは、控除額内であれば一切贈与税を納める必要がないということです。
「土地を子どもに移転したいけれど、今は現金で贈与税を用意することができない」場合などに、非常に有効な制度です。

贈与時の財産価格で、相続時に課税される

相続時精算課税で贈与した財産は、贈与時の財産価格で遺産総額に加算されるという点です。

たとえば、贈与時に1,000万円だった土地が、地価が高騰して相続時に2,000万円に値上がりしていたとします。
しかし、精算課税制度で贈与をしていた場合、相続時に2,000万円に値上がりしていたとしても、贈与時の1,000万円分のみが課税対象になるのです。
将来値上がりが見込まれる土地や建物などの財産への節税に有効な制度です。

相続時精算課税制度のデメリット

相続時精算課税制度を利用した贈与のデメリットについてご説明します。

土地の場合、別の税金がかかる

贈与するものが不動産の場合、不動産の登記移転に対して、登録免許税や不動産取得税が課税されます。

暦年課税制度に戻せない

一度相続時精算課税制度を選択してしまうと、暦年課税制度に戻すことはできません。

相続時精算課税制度を利用するかどうかは、贈与する人ごとに選択することができます。
たとえば、父は相続時精算課税制度で子に贈与をし、母は暦年課税で子に贈与することも可能です。
この場合の控除額は、父が全部で2,500万円まで、母が年間110万円までです。

税務署に申告しなければならない

暦年課税は年間110万円以内の贈与であれば申告は不要ですが、相続時精算課税制度を使うのであれば、贈与額に関係なく税務署への届け出が必須です。

受けられない特例がある

相続時、様々な相続税減額の特例がありますが、それが一部受けられなくなります。

「小規模宅地等の特例」です。
これは住んでいた家やお店などを相続する場合に受けられる特例ですが、相続時精算課税制度との併用はできません。

まとめ

広大地評価の改正の対策のひとつとして、相続時精算課税制度をご紹介しました。

相続税の対策はお持ちの土地の形状や大きさによって、とるべき対策が変わります。
相続時精算課税制度のメリット・デメリットをよく考え、有効な対策をする必要があります。
広大地評価が改正される前の今年度中に、ご自身がお持ちの土地を相続時精算課税で生前贈与するべきか否か、一度土地評価に詳しい税理士にご相談されてみてはいかがでしょうか?

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