【未支給年金とは】請求方法や期限、よくある質問を詳しく解説

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未支給年金イメージ

年金を受給している方が亡くなった場合、受け取るはずだった「未支給年金」はどうしたらよいでしょうか。未支給年金は、被相続人の生前に支給されるべきものなので、生計を同一にしていた人が請求できます。この記事では、未支給年金について請求方法や期限、よくある質問をわかりやすくご紹介します。

未支給年金とは

年金給付の受給権者が死亡した場合、その人に支給されるべき年金のことを未支給年金といいます。まだ支給されていない年金は、請求に基づいて一定範囲の遺族に支給されることになっています。

未支給年金を請求できる年金の種類

  • 国民年金(すべての受給者が対象)
  • 厚生年金(会社員・公務員だった人が対象)
  • 企業年金(企業年金基金加入者が対象)
  • 国民年金基金の年金(基金に加入していた自営業の人が対象)

未支給年金はいつ発生するか

  • ◇国民年金・厚生年金といった公的年金の受給者が死亡した場合
  • ◇企業年金・国民年金基金など私的年金の受給者が死亡した場合

受給者の死亡の時期によって、請求できる未支給年金の金額が変わります。

本章では、公的年金での未支給分の請求について記載しています。私的年金の手続きに関しては、企業年金連合会または故人が加入していた国民年金基金へお問い合わせください。
国民年金基金についてよくある質問

未支給年金は相続財産になる?

未支給年金は相続財産に含まれないため、相続税の課税対象にはなりません。
ただし、未支給年金は一時所得に分類されるため、受け取った金額が特別控除額の50万円を超えてしまうと、受け取った本人は確定申告をしなければなりません。その他にも一時所得があった場合、合計金額が50万円を超えていると確定申告が必要になるので注意が必要です。

未支給年金は誰が請求できる?

受給権者と生計を同じくしていた人だけ

これまで未支給年金を請求できる遺族の範囲は、被相続人が亡くなった時点で生計を同じくしていた人、例えば被相続人の配偶者や子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹となっていましたが、平成26年4月から、年金機能強化法に基づき三親等内の親族にまで拡大されました。
三親等の親族とは、曾孫、曾祖父母、甥・姪、おじ(伯父)・おば(伯母)、配偶者の曾祖父母をはじめ、配偶者の甥や姪、配偶者のおじ(伯父)・おば(伯母)なども含まれます。

未支給年金請求者の範囲
出典:厚生労働省ホームページ

ただし未支給年金を請求できるのは、受給権者の死亡の当時、死亡した受給権者と生計を同じくしていた人だけです。生計を同一としない場合、請求権はありませんので注意が必要です。

請求者には順位があります

未支給年金を受け取る権利のある遺族には順位があります。

1位:配偶者
2位:子
3位:父母
4位:孫
5位:祖父母
6位:兄弟姉妹
7位:上記以外の三親等内の親族

同順位者が2人以上いる場合

同じ優先順位の権利者が2人以上いる場合、1人が全員を代表して受け取るよう支給されます。

請求者が故人と別世帯・別住所の場合

未支給年金の請求者が故人と別世帯・別住所の場合は、生計を同一とする証明が必要です。

生計を同一とする人がいない場合

被相続人と生計を同一にする人がいない場合は、未支給年金は請求できません。

未支給年金の請求期限と請求先について

未支給年金の請求期限は5年以内

未支給年金の請求期限は、受給権者の年金の支払日の翌月の初日から5年以内です。
5年以内に請求を行わなかった場合、未支給分は時効により消滅します。

遺族給付の請求

遺族に支給されるもので、遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金などをまとめて「遺族給付」といいます。

こちらも請求期限があります。遺族年金の時効は5年、寡婦年金・死亡一時金の時効は2年です。

未支給年金はいくらもらえる?

死亡届の提出によって年金受給者が亡くなったことが市町村役場に伝わると、死亡月の15日に支給されるはずだった年金の支給が停止されます。未支給年金は、被相続人がいつ亡くなったのかによって受取分が変わります。

  • ◇未支給年金は被相続人が偶数月の前半に亡くなると3カ月分、後半に亡くなると1カ月分発生します。
  • ◇未支給年金は被相続人が奇数月に亡くなると、前半に亡くなっても2カ月分、後半に亡くなっても2カ月分が発生します。
月数ごとのもらえる未支給年金
月数ごとのもらえる未支給年金の画像スマホ用

例えば、老齢基礎年金の受給権者が9月20日に死亡した場合、被相続人が最後に受け取る年金は、10月15日に支給される8月分と9月分になります。
年金は、受給権者が死亡した月の分まで支給されるため、この場合であれば、8月分と9月分が未支給年金となります。

未支給年金の請求のやり方

未支給年金の請求先

請求先は、受給していた年金の種類によって次のように変わります。

未支給年金の請求先

※障害基礎年金:初診日が第3号被保険者期間なら年金事務所。
※遺族基礎年金:死亡日が第3号被保険者期間中の場合は、年金事務所。
※寡婦年金:年金事務所でも可。

請求に必要な書類

請求に必要となる書類は主に次のとおりです。請求先によって必要書類が異なることがあるので、詳しくは請求先で確認することをおすすめします。

  • ◇未支給年金請求書:日本年金機構からダウンロードできます。
  • ◇被相続人の年金証書
  • ◇戸籍謄本または法定相続情報一覧図
  • ◇被相続人の住民票除票
  • ◇請求者の世帯全員の住民票
  • ◇振り込み先の通帳

未支給年金請求書の記載例
詳しくは、日本年金機構「死亡した方の未払い年金を受け取ることのできる遺族がいるとき」を参照してください。

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未支給年金Q&A

未支給年金Q&A

Q.未支給年金の振込日はいつごろになりますか?

  • A.請求から約5~6カ月後が目安です。
    未支給年金の支給決定、支給にかかる事務手続きは日本年金機構が行い、請求から約3~4カ月で「未支給決定通知書」または「不該当通知書」が郵送されます。
    その後、支給決定通知書が届いてから、おおむね2カ月ほどで振り込みが行われます。

Q.未支給年金は相続放棄した人も受け取れますか?

  • A.はい、受け取れます。

Q.未支給年金は確定申告が必要ですか?

  • A.はい、金額によっては必要となります。
    未支給年金は、税法上「一時所得」として扱われます。一時所得には50万円の特別控除がありますが、ほかの一時所得と合算して50万円を超える場合は確定申告が必要です。

Q.未支給年金に相続税はかかりますか?

  • A.いいえ、未支給年金は相続税の課税対象ではありません。
    ただし、未支給年金を受け取った場合は一時所得ですので、所得税の課税対象です。

Q.介護施設に入所していた母の未支給年金は受け取れますか?

  • A.はい、受け取ることができます。
    「未支給年金請求書」と共に「生計同一関係に関する申立書」を提出して請求します。未支給年金の支給決定、支給にかかる事務は日本年金機構が行いますので、支給決定が下されれば受け取ることができます。

Q.確定申告が必要な場合、未支給年金の申告は実際に振り込まれた年でよいのでしょうか? それとも、受け取るはずだった年に申告すべきですか?

  • A.未支給年金は、受け取った遺族の「一時所得」として扱われます。そのため、実際に振り込まれた年の所得として確定申告の対象になります。
    一時所得には年間50万円の特別控除が設けられており、ほかの一時所得と合算して50万円を超えない限り、確定申告は不要です。

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まとめ

年金受給者が亡くなった場合、死亡した月分までの年金を受け取る権利が発生します。生計を同一にしていた親族には、この「未支給年金」を請求し、受け取ることが可能です。
未支給年金は故人の財産のように見えますが、相続財産には該当せず、受け取った方の「一時所得」として所得税の対象になります。
一時所得の合計が特別控除額である50万円を超える場合は、翌年の2月〜3月に確定申告を忘れずに行いましょう。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
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  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

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    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

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