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【相続登記とは?自分でできる?】費用や必要書類、手順ガイド

最終更新日:
自分で相続登記完全マニュアル

相続登記とは?自分でできるの?
もちろんできます!ただし、相続登記は内容によってはとても複雑なケースもあります。

相続人がひとりだけというケースや、相続人が配偶者と子どもたちだけというケースであれば比較的スムーズに手続きができますが、兄弟姉妹の相続や、何代にもわたって放置されていた不動産の相続となると、必要になる書類の数も多く、さらには旧民法も関わってくることもあるため、極めて複雑な手続きとなるでしょう。

今回は主に、比較的スムーズな相続登記の手引きをご紹介し、「相続登記の必要書類」「費用はいくらか」「どうやって申請するか」など順を追ってわかりやすく解説していきます。

相続登記とは?

相続する不動産に悩む画像
相続財産に不動産がある場合、その不動産の所有権を移転する手続きを法務局で行います。
このように、相続のために行う不動産の登記を「相続登記」とよびます。

登記をせずに、被相続人の名義のままにしていると売却や担保などの契約ができません。
相続登記は強制的なものではありませんが、そのまま放置しておくと後のトラブルの原因になりかねないので相続登記は早めに済ませておきましょう。

相続登記は3つの種類にわかれる

相続登記の方法は以下の3つのパターンで異なります。

  • 遺産分割協議による相続登記
  • 遺言書の内容に沿った相続登記
  • 法定相続分での相続登記

遺産分割協議による相続登記

すべての相続人で話し合いを進め、まとまった内容にそって相続をする方法です。
話し合いでまとまった内容は、遺産分割協議書を作成して記録に残します。

相続する際には遺産分割協議書の内容に沿って相続登記の手続きを進めます。

遺言書の内容に沿った相続登記

遺言書の内容に沿って相続登記をする方法です。

法定相続分での相続登記

遺言書がなく、遺産分割協議もしない場合は法定相続分による相続方法になります。
この方法は、複数の相続人の共有名義で登記するため、誰かひとりが売却を考えた際にはその他の名義人の合意が必要となります。また、誰かひとりが自分の持ち分を第三者に譲渡した場合も後のトラブルに発展しかねません。

法定相続分での相続登記は、比較的スムーズな手続きですが、将来的な部分でみるとリスクが大きいともいえる方法です。

相続登記は自分でできる?

最初にお伝えしたように、相続登記は自分でもできますが、相続する不動産の内容によってはとても複雑な手続きになる場合があり、専門家に依頼して進めることが望ましいケースもあります。
まずは、自分がどの状況の相続内容であるかを確認してみましょう。

自分でできる場合

  • 相続人がひとり
  • 相続人が配偶者と子どものみ

この2つのケースであれば取得しなければならない必要書類の量も比較的少なく済み、相続人がひとりであれば遺産分割協議もないため、手続きの所要期間も短い間で済みそうです。

また、自分で相続登記をするにあたり手続きに不明な点が出てきたときなどは、法務局の開庁時間内に問い合せをしたり出向いたりする必要があるため、時間に余裕のある方が向いているともいえます。

専門家に依頼した方が良い場合

  • 相続人が兄弟姉妹のケースや代襲相続になったケース
  • 何代にもわたって名義変更などを放置されていた不動産を相続するケース
  • 遺産分割協議中に相続人のひとりが亡くなり、数次相続になったケース
  • 相続の対象になっている不動産が誰の持ち物なのか不明なケース

上記のケースで共通していえるのは、必要となる書類が多く、その書類を取得する手間や期間がそれなりにかかってしまうということです。
また、放置不動産に関しては歴代先祖の情報をたどらなければならいことや、旧民法が関わることもありとても複雑です。

すでに売却の予定がある場合は専門家に依頼したほうがスムーズであり、自分で行うよりも期間を短縮できるメリットがあります。

それでは、次に相続登記に必要な書類を確認していきましょう。

相続登記の必要書類一覧表

相続登記ペンや不動産画像
以下の9つの書類が相続登記に必要な書類です。

書類 目的 取得場所
登記申請書 相続登記をするための基本書類 自分で作成(法務局HP参照)
固定資産税評価証明書 固定資産税評価額の確認
(登録免許税の計算時に評価額を使用するため)
役所の資産税課
東京23区は都税事務所
遺産分割協議書または遺言書
印鑑証明(全員)
相続内容や相続方法を判断する 遺産分割協議書…相続人が作成
遺言書…被相続人が作成もしくは
公正証書の場合は公正役場
印鑑証明…全員のものが必要
★被相続人の戸籍謄本一式 相続の発生を確認 本籍地の役所
★被相続人の住民票の除票 登記名義人と被相続人が同一であるか確認 最終居住地の役所
★相続人の現在の戸籍謄本 被相続人死亡時に相続人の生存を確認 本籍地の役所
★相続人の住民票 相続人の居住地を確認 最新居住地の役所
★相続関係説明図 原本還付を希望する際に必要 相続人が作成
代理権限証書 委任されていることを証明する 依頼人が作成(法務局HP参照)

注)法定相続情報証明制度を利用している場合、法定相続情報一覧図の写しを提出するため、★の書類の提出は必要ありません。
詳細法務局HP:「法定相続情報制度について」参照

登記申請書

登記の申請は、必要事項を記載した申請書とその他の必要書類を添付して提出します。

申請書は自分で作成しても構いません。法務局ホームページにはひな型がダウンロードできるようになっているので、PCやプリンターがある場合はそちらを利用するといいでしょう。

固定資産税評価証明書

登録免許税を計算する際に、固定資産税評価額が必要です。

取得場所は主に、当該不動産を管轄している市町村役場役所です。東京23区に関しては、都税事務所で取得できます。

使用する固定資産税評価証明書は、登記を申請する年度のものを発行してもらいましょう。

代理権限証書(専門家や代理人に申請を依頼する場合)

登記申請を専門家や代理人に依頼した場合に必要な委任状です。

書式は、委任者・受任者・委任内容・不動産の表示・委任日が最低限に必要とされる記載事項です。(法務局「代理権限証書とは」参照

相続人が複数いる場合は、そのうちのひとりの相続人に登記申請を委任するとスムーズです。

相続登記にかかる費用は?

不動産を登記する際には、登録免許税という税が課せられます。

相続による所有権移転登記の登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。

計算方法は以下のとおりです。

不動産の固定資産税評価額×0.4%=登録免許税

(※100円未満は切り捨て)

【納付方法】

現金納付 金融機関にて現金納付 領収書を登記申請書に貼付けて法務局に申請
収入印紙納付 登録免許税が3.3万円以下であれば収入印紙での納付可 収入印紙を登記申請書に貼付けて法務局に申請

(収入印紙は法務局・登記所・郵便局にて購入できます)

※収入印紙での納付を利用する場合、不足していると受理されませんので注意しましょう

その他、戸籍謄本などの必要書類を取り寄せる際の発行手数料や、郵送申請や郵送返却を希望する場合は送料がかかります。

相続登記の手続きの全体の流れ

不動産を相続する画像

  1. 相続の対象となる不動産をすべて特定する
  2. 登記事項証明書(登記記録謄本)を取得する
  3. 管轄の法務局を知る
  4. 被相続人や相続人の戸籍関係書類を取得する
  5. 遺言書がある場合は早めに検認
  6. 遺産分割協議書作成(相続人がひとりの場合は不要)
  7. 登記申請書を作成
  8. 申請書提出
  9. 申請後の手続き

相続登記はいつまでに申請するもの?

相続登記には期限などの制限はありません。

しかし、登記をせずにそのままにしておくと以下のようなデメリットが発生します。

  • 売却や担保を考えたときに自分の名義ではないため手続きできない
  • 複数いる相続人の中のひとりが亡くなった場合、手続きが複雑になる
  • そのまま放置していて数年経過している場合、登記しようとしたときに必要な書類の取得がむずかしくなる(住民票の除票は5年間しか保存されません)
  • 他の相続人が勝手に法定相続分で共有相続登記をして、その持ち分を第三者に譲渡してしまう

このように、登記をせずにそのまま放置していると、後の手続きが大変になるなどのデメリットが発生します。トラブルを未然に防ぐためにも相続が発生したら早めに手続きすることをおすすめします。

【手順1】相続の対象となる不動産をすべて特定する

被相続人が所有している不動産をすべて調べることが相続登記の最初のステップです。

調べる方法として、以下の3つをご紹介します。

固定資産税納税通知書で調べる

固定資産税納税通知書は毎年4~6月ごろに自治体から送付されてきます。この通知書には課税されている土地の地番や家屋番号が記載されているので、そこで所有不動産の確認ができます。

地番・家屋番号

地番とは、土地1筆ごとに付けられている番号のこと。

家屋番号とは、登記した建物を特定するために法務局において定める番号のこと。

登記事項証明書を取り寄せる際には、この地番と家屋番号を記載する必要があります。

不動産登記済権利証(登記識別情報通知)で調べる

家を建てたときや不動産の名義変更をしたときに登記を済ませた証拠として発行される書類です。

この権利書は、「課税対象になっていない土地」なども記載されています。

被相続人が所有していた非課税不動産を調べるには不動産登記済権利証で確認するといいでしょう。

名寄帳(なよせちょう)を取得して調べる

名寄帳には、課税不動産と非課税不動産のどちらも記載されています。

名寄帳は自治体で取得できますが、取得の際には「被相続人だけ名義の名寄帳と共有名義の名寄帳の両方」を取得しましょう。

【手順2】登記事項証明書(登記記録謄本)を取得する

登記事項証明書には、所有している不動産の正確な情報が記載されています。

自宅に保管されていることもありますが、念のため最新の登記事項証明書を取り寄せましょう。

登記事項証明書は提出の必要性はありません。

取得の目的は、登記申請書や遺産分割協議書の作成時に正確な不動産の情報を記載するためです。
取得方法は、法務局窓口もしくは郵送、インターネットから取り寄せることができます。

窓口取得手数料:600円
オンライン取得手数料:郵送で受け取る場合500円
オンライン取得手数料:最寄りの登記所・法務局証明サービスセンターで受け取る場合480円
手数料はインターネットバンキング・Pay-easy対応のATMで電子納付可
オンライン請求の詳細は法務局HP参照

【手順3】管轄の法務局を知る

相続登記を申請する場所は、不動産の所在地を管轄する法務局です。

ここでよく間違われるのは、被相続人の居住していた市町村の法務局に申請書を提出してしまうケースです。相続登記を申請する法務局は、所有している不動産がある市町村の法務局ですので間違いのないようにしましょう。

管轄の法務局は、法務局ホームページで確認できます。

【手順4】被相続人や相続人の戸籍関係書類を取得する

被相続人の戸籍謄本一式

被相続人の出生時から死亡時までのものをさかのぼって取り寄せます。

取得場所は、本籍地のある市町村役場役所ですが、遠方の場合は郵送での取得が可能です。

本籍地がわからない場合は、先に本籍地が記載されている住民票を取得するといいでしょう。

被相続人の住民票の除票

被相続人の最終居住地の市町村役場役所で取得します。

必ず本籍地の記載のあるものを取得しましょう。

相続人の現在の戸籍謄本

現在の本籍地の戸籍謄本を取り寄せます。

本籍地のある市町村役場役所で取得できます。

相続人の住民票

不動産を相続する人の住民票を取り寄せます。

居住している市町村役場役所で取得できます。

相続関係説明図(原本還付を希望している場合)

被相続人と相続人などの関係を図にしてあらわしたものです。

相続関係説明図のひな型や作成方法は法務局ホームページで確認できます)

原本還付を希望する際にはこの相続関係説明図も添付しましょう。

【手順5】遺言書がある場合は早めに検認

自筆証書遺言書や秘密証書遺言書の場合は、検認済証明書を取得し、遺言書と一緒に添付して提出する必要があります。

公正証書遺言書は検認がないため、証明書の必要はありません。

また、自筆証書遺言書保管制度を利用している場合も検認の必要がありません。

検認の申し立てはできるだけ早めに

検認は申し立てをしてすぐにできるものではありません。

検認の申し立てをしてから検認日まで1カ月ほどかかります。その間、遺言書の内容を明かされることはありません。検認の申し立てが遅れるほど相続手続きも遅くなるので注意しましょう。

【手順6】遺産分割協議書作成(相続人がひとりの場合は不要)

遺産分割協議書を自分で作成する場合は、特に用紙などの定めはありませんが、分割内容を記載するものなので長期間の保存が可能な用紙を使用して作成しましょう。

遺産分割協議書には各自署名をして押印をしますが、その際に使用する印鑑は印鑑証明書に押されている実印と同じものを使用します。

【手順7】登記申請書を作成

登記申請書のひな型は、法務局ホームページよりダウンロードできます

書式は、

  • 遺言書に沿って登記するパターン
  • 遺産分割協議書に沿って登記するパターン
  • 法定相続分で登記するパターン

この3つのパターンで異なるので、自分の状況に合ったものをダウンロードしましょう。

申請書作成の注意事項

<用紙について>

申請書はA4用紙を使用(縦置き横書き)

紙質は長期保存できるものを使用

添付書類を添えて、ホッチキスで左綴じにする

<文字について>

パソコン・ワープロの使用可(黒色インク)
黒ボールペン使用(えんぴつ不可)

【手順8】申請書提出

登記の方法は、窓口で申請する方法とオンラインで申請する方法、郵送で申請する方法があります。

窓口で申請

書類を直接窓口に提出することで、修正箇所が見つかった場合はその場で訂正できるメリットがあります。

修正の際には訂正印として印鑑を使用するので、申請書内で使用した印鑑と同じものを持参しておくといいでしょう。

オンラインで申請

自分の都合に合ったタイミングで自宅から申請できるのがメリットです。

添付書類に関しては、郵送の場合、申請した日から2日以内に郵送します。

(郵送方法は普通郵便ではなく、レターパックまたは書留郵便で送りましょう。)

直接窓口に持参する場合は、申請した日からなるべく早めに提出しましょう。

郵送で申請

管轄する法務局が遠方である場合とても便利です。

郵送方法は普通郵便ではなく、レターパックまたは書留郵便で送りましょう。

申請書に修正箇所がある場合は法務局よりその旨の連絡が入ります。その際、簡単な修正であれば確認した上で法務局のほうで修正することもあるため、念のために申請書の空いている部分に全員分の捨印をしておきましょう。(捨印は申請書内で使用した印鑑と同じものを使用)

原本還付について

相続登記の際、提出した書類(原本)を登記完了後に返却してもらうことを原本還付といいます。

原本還付の詳しい解説と手続き方法は【相続税申告の必要書類】原本で提出するものコピーでいいものでご紹介していますので、参考にしてください。

【手順9】申請後の手続き

登記が完了すると登記識別情報通知が発行されます。

法務局に必要書類を提出してから登記が完了するまではおおよそ1週間~10日とみておくといいでしょう。

登録が完了すると、登記した不動産ごとに「登記識別情報通知書」が交付されます。

受取書類は以下です。

  • 登記識別情報通知書
  • 登記完了証
  • 原本還付書類一式

書類の受取方法は、直接窓口に来庁して受け取る方法と、郵送で受け取る方法があります。

直接窓口に来庁する場合は、登記完了の頃合いをみて来庁します。

郵送の場合は、申請時にあらかじめ返信用の封筒(切手貼付け)を同封します。

後日法務局から「本人限定受取郵便」として送付されてきます。

相続登記まとめ

今回は、自分で相続登記をしたい方に向けた記事をご紹介しました。

近年はオンラインを活用した書類の取得や申請ができるため、効率よく手続きをすすめることができます。しかし、法定相続人の範囲や遺言の内容によっては必要な書類が多くなり、手続きがとても複雑になるケースもあります。書類に不備があると受理されないこともあるので、複雑な相続登記の手続きは司法書士に相談するといいでしょう。
当税理士法人は相続登記を行える司法書士のご紹介が可能です。
司法書士の紹介のみご希望の方は、お問い合わせ時にその旨をお伝えください。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。

②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。

③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。

相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

相続税に強い税理士とは?遺産を守り、残せる専門家の選び方
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相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

当税理士法人は、国内トップクラスの相続税の還付実績で培った知識と経験から、1つ1つの土地に適した評価を早く正確に行います。こうした適正な土地評価が、大きな相続税の節税につながります。

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この記事の監修者

岡野相続税理士法人
代表税理士 岡野 雄志

税理士・行政書士
早稲田大学商学部卒業

相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
全国各地の相続税申告・還付を累計5,047件(2024年3月末時点累計)以上手掛ける。
特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

相続税専門の岡野雄志税理士
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