遺産の平均はいくら?相続財産額の内訳は?相続をデータで読み解く

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遺産相続平均

ある日突然発生する相続に対して、どうしたらよいのか戸惑う人は多いと思います。しかし、あらかじめ多少の知識と情報があれば、相続発生から申告・納税までの期間を有効に活用することができます。この記事では民間での調査結果を紹介しながら、遺産相続の平均や内訳、相続の何に対して不安に思っているのかを記載します。

相続した財産額の平均はいくらなのか?

複数の民間調査の結果を参考にすると、相続財産額の平均は、2,000~3,000万円と推測できます

2020年の調査によると、相続財産額の平均は3,273万円

2020年MUFG資産形成研究所が行った「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査(対象者:相続経験者50代・60代/各都道府県の家計資産額以上保有者/5,838名)」によると、相続した財産額の平均は3,273万円、中央値は1,600万円でした。

中央値とは?

中央値とは、調査結果の数字を小さい順からならべたとき、丁度中央に位置する値のことです。

例えば、相続した財産が「Aさんが800万円、Bさんが900万円、Cさんが1,600万円、Dさんが1,800万円、Eさんが2億円」だったとすると、中央値はCさんの1,600万円となります。

Aさん Bさん Cさん Dさん Eさん
800万円 900万円 1,600万円 1,800万円 2億円

中央値1,600万円に対し、5人の平均値は5,020万円と高額です。中央値と平均値で乖離が起きている原因は、平均値の特徴として「外れ値に引っ張られる」という性質があるためです。

今回の調査結果も、平均値が3,273万円に対し、中央値が1,600万円と、平均値と中央値に大きな差がありました。大きな差がある理由として、高額な相続額に平均値が引っ張られていることが推測されます。
平均値と中央値、どちらのほうが一般的な相続財産額であるかと考えた場合、今回のケースでは中央値1,600万円の方が参考になるかもしれません。

また、この「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査」は、対象者を「各都道府県の家計資産額以上保有者」と絞っている点で、全国平均としては、参考にならない可能性があります。

2018年の調査によると、相続財産額の平均は、2,114万円

2018年の三菱UFJ信託銀行が行った「遺言と相続に関する実態調査(対象者:相続経験者30歳~69歳/664名)」によると、相続した財産額の平均は、2,114万円でした。

同調査によると、男性の平均相続金額は2,885万円、女性は1,301万円でした。
相続した財産の金額分布は以下の通りです。(調査対象全体、664名。)

相続を受けた財産額 全体に占める割合 階層以下の累積割合
100万円未満 9.0% 9.0%
100~200万円未満 11.1% 20.1%
200~300万円未満 8.0% 28.1%
300~500万万円未満 8.6% 36.7%
500~1,000万円未満 19.0% 55.7%
1,000万円~2,000万円未満 17.0% 72.7%
2,000万円~3,000万円未満 8.9% 81.6%
3,000万円~5,000万円未満 7.8% 89.4%
5,000万円~1億円 6.5% 95.9%
1億円以上 4.1% 100%

遺言と相続に関する実態調査のデータを編集・加工して、作成

上記の表より、1,000万円未満は全体の55.7%と、半数以上を占めていることがわかります。

このことより、平均相続額は、2,114万円ですが、1,000万円前後が一般的な相続額といえるかもしれません。
【関連】相続税申告があった人の、相続財産額の平均は約1億円?

相続が発生する平均年齢は?

2020年の、平均寿命は女性が87.74歳、男性が81.64歳でした。
その数値より、相続人である子供の年齢を逆算すると、親から相続をする平均年齢は50歳前後と推測されます。

相続する財産額の内訳は?

相続税申告をした人の、平成28年度、平成29年度、平成30年度の相続財産の構成比は、以下表のようになっています。

平成28年度 平成29年度 平成30年度
不動産(土地家屋) 37.1% 35.1% 30.0%
有価証券 14.5% 15.3% 23.9%
現金・預貯金 35.4% 37.0% 33.7%
その他 13.0% 12.6% 12.3%

国税庁|平成30年分の相続税の申告状況についてを加工編集して作成)

相続した財産のうち、現金貯金は35%前後、不動産が占める割合は30%から40%であることがわかります。

相続に対して不安に思うことはなに?

相続に対する不安は、何と言っても遺産の総額を把握する点にあります。というのも、その約3~4割を占める不動産を正確に換算することはかなり難しいうえ、税理士と言え、相続を得意分野とし、不動産の扱いに慣れている税理士でないと、納税の過払いなどが発生する可能性もあります。

次に不安に思うこと、それは相続税をいくら払えばいいのかということです。遺産の総額がわからず、法定相続人もわからないと、自分がどれくらいもらえるのか、相続税をどのくらい払わなければならないのか、不安に思うのも当然と言えるでしょう。

これは、相続が発生してから10か月の間に申告と納税を済まさなければならないという手続きにも一因があります。納税までのタイムスケジュールは、事前に財産を把握していなければかなり厳しい上、申告・納税の手続き書類を完成させることも、自力では困難な部分が多いからです。

相続税を納めた人はどれくらいいたのか?課税割合を知りたい!

国税庁が発表した相続税の申告状況によると、平成30年に亡くなった人(被相続人)は全国で約136万人、そのうち、相続税の課税対象となった被相続人数は約11万6千人でした。

課税割合=相続税の課税対象者数÷その年の被相続人総数

この計算式に当てはめると、平成30年に課税対象となった人は全体のおよそ8.5%(小数第2位以下切り捨て)となります。全国的にみても100人に8人が相続税の課税対象となっていることから、自分も課税対象者になる可能性があるのでは?と考えるのはいたって普通のことと言えそうです。

相続発生、具体的に何をすればいい?

ステップ1_法定相続人を特定する

相続税がかかるかどうかを確認するために、まず法定相続人を特定する必要があります。この人数によって、相続税の基礎控除額などが決まってくるからです。

ステップ2_基礎控除額を算出する

次の式にあてはめて、基礎控除額を算出します。

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

ステップ3_遺産総額または課税対象財産の額を把握する

遺産の総額を把握します。遺産の構成は預貯金、有価証券、不動産、その他経済的に価値のある資産で、その合算から負債(借入金)などを差し引いたものが課税対象財産になります。

ステップ4_課税相続財産から基礎控除額を差し引き、相続税シミュレーションで相続税を確認する

相続税計算シミュレーションで相続税を確認しましょう。

今からできる相続税への備えとは

日本がこれから直面する問題に2025年問題というものがあります。これはいわゆる団塊の世代が一斉に後期高齢者(75歳)に達することによって生じるさまざまな問題点をひとくくりにしたものですが、医療や介護など社会保障費の急増だけでなく、相続に関するトラブルの増加も予想されています。というのも2025年には国民のおよそ3人に1人が65歳以上(出典:内閣府「令和3年版 高齢社会白書」)となるからです。

申告と納税は相続が発生してからわずか10か月です。前述したとおり、手続きや確認作業で時間をとられることが実際あります。
とはいえ、遺言を書くのはハードルが高すぎるというのも実際のところと言えるでしょう。書く方のみならず、書かせる方となれば、家族だからこそ難しい側面もあります。

家族で相続に関して話し合うことも難しいところに、新型コロナウイルスまん延拡大で家族が集まることも難しい状況が続いています。
そんな今だからこそできることは、エンディングノートをつけることです。

エンディングノートを書く

相続が発生する前にできることとして、遺言書より緩く被相続人の希望を記載できるエンディングノートは、資産管理にもうってつけですし、親世代にも進めやすいものとなっています。新型コロナなど、取り巻く環境に不安の多い中だからこそ、転ばぬ先の杖としてエンディングノートを記しておくことが、生前にできる相続税申告への備えと言えそうです。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
    そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

    当税理士法人は、国内トップクラスの相続税の還付実績で培った知識と経験から、1つ1つの土地に適した評価を早く正確に行います。
    こうした適正な土地評価が、大きな相続税の節税につながります。

    今後の相続に備えたい方、相続が発生した方は、遠慮なく当税理士法人にご相談ください。
    初回の面談相談(約1時間)を無料にて実施しております。オンラインに対応しているので全国どこでも、海外からでもご相談、ご依頼いただけます。

    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

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