遺産分割協議はどのように進める?|進行方法や相続税申告の期限とは

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遺産分割に関する書類

「父が亡くなったけど、これからどのように遺産分割協議を進めるべき?」
「遺産分割協議の進め方が分からないから、教えてほしい。」
「相続財産が多い遺産分割協議が難航しているが、相続税申告はいつまで?」
被相続人が遺してくれた大切な財産は、遺言書が無い場合には遺産分割協議を行った上で分割を行います。では、遺産分割協議とはどのように進めるものでしょうか。この記事では遺産分割協議の進行方法に焦点をあて、相続税申告の期限についても紹介します。

この記事でわかること

・遺産分割協議の基本的な進め方
・遺産分割協議の注意点
・相続税申告の期限や注意点
・未分割による相続税申告のデメリット

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遺産分割協議とは|進行の基本的な流れ

大切な家族が亡くなられた時、財産が遺されている場合には相続人に分割するために「遺産分割協議」を行います。(遺言書がある場合、遺産分割協議は不要)

では、遺産分割協議とは具体的にどのように進めるものでしょうか。この章では遺産分割協議について「進行の基本的な流れ」を紹介します。

法定相続人の特定

遺産分割協議は相続人が「全員」参加する必要があります。疎遠になっている人がいる、外国に暮らしている、といった理由では相続人を遺産分割協議から外すことはできません。

相続が開始され、遺言書が無かった場合は法定相続人を特定するために調査を行います。
調査方法は戸籍謄本を使います。離婚歴や養子縁組歴などで家族関係が複雑な場合は、法定相続人の特定を専門家に依頼することも可能です。

相続財産の調査

法定相続人の特定を進めながら、被相続人が遺した相続財産の総額の特定も行いましょう。相続財産には、プラス・マイナスの財産のいずれも含みます。

詳しくは以下の図をご参照ください。

プラスの相続財産 マイナスの相続財産
・現金
・預貯金
・有価証券
・土地や建物(不動産)
・ゴルフ場などの会員権
・保険
・骨とう品 など
・住宅や車のローン
・未払いの治療費
・知人や友人からの借入
・消費者金融や銀行などからの借入
・滞納している税金や水道料金
・保証債務、連帯債務 など

財産目録の作成

相続が必要な財産が分かったら、財産目録を作ります。プラス・マイナスの財産を問わずに一覧表としておくことで、財産が可視化され遺産分割協議がスムーズになります。また、相続税納付が必要となる場合にも便利です。不動産が相続財産に含まれている場合は、地番や家屋番号なども細かく特定して記載しましょう。

遺産分割協議

法定相続人が特定でき、被相続人が遺した財産も判明したら、いよいよ遺産分割協議に移行します。遺産分割協議は、法定相続人が全員参加する必要があります。失踪している方がいる場合には、不在者財産管理人の申立てなどを行った上で、協議を進める必要があります。

こちらもご一読ください。

参考URL 【絶縁した兄弟との遺産相続】遺産の分割方法は?

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議で誰が、いくら財産を相続するのか特定ができたら、次に遺産分割協議書の作成を行います。なお、相続人全員の同意なく遺産分割協議書は作成できませんのでご注意ください。

遺産分割協議書は不動産の相続登記や、相続税申告に必要な書類です。正しく作成しましょう。なお、法定相続分通りに分割するだけで、不動産が無いような相続では、本来遺産分割協議書は不要です。しかし、トラブル防止の目的で作成することもできます。

遺産分割協議の期限

遺産分割協議は、相続の開始(ご家族の死去)とともにスタートしますが、遺産分割協議自体には期限が設けられているものではありません。しかし、後述しますが相続税申告に大きな影響を与える可能性があるため、遺産分割協議は「早急に進める」ことがおすすめです。

遺産分割協議時の3つの注意点

遺産分割協議は相続するべき財産があること、相続人が複数いることなどの条件が整ったら行う必要があるものです。では、もしも遺産分割協議が必要となったら、どのような点に注意するべきでしょうか。この章では知っておきたい3つの注意点を紹介します。

相続人に連絡がつかない

遺産分割協議には法定相続人が全員参加する必要があります。では、相続人に連絡がつかなかったらどうするべきでしょうか。

連絡がつかない場合は、遺産分割協議を進めることができません。疎遠になっている、連絡先が不明などの状態であっても勝手に進められないため、以下の対策を講じる必要があります。以下の方法は家庭裁判所での手続きが必要で、時間がかかるため早期の申立てが必要です。

・不在者財産管理人の申立て
家庭裁判所に申立てを行い、不在者となっている相続人の代わりに相続財産を管理する人を選任します。
参考URL 裁判所 家事事件 不在者財産管理人選任

・失踪宣告
7年以上行方不明になっている方が相続人の場合は、家庭裁判所に失踪宣告の申立てを行います。失踪者は死亡したことになるため、相続人から除外ができます。しかし、失踪者に関する相続も開始されます。
参考URL 裁判所 家事事件 失踪宣告

遺産分割協議が難航

遺産分割協議は必ずしも円満に進むとは限りません。たとえば、以下のようなケースではトラブルとなることがあります。

・交流の無い前妻の子が相続人の中にいる
・介護をしていた兄と、別居歴が長い弟で取り分を言い争う
・不動産の相続について、売りたい人と住みたい人が対立している
・とにかく顔も見たくないほど家族仲が悪く、話し合いができない

遺産分割協議がまとまらない場合は、遺産分割調停・遺産分割審判を想定していく必要があります。協議の段階で亀裂が入っている場合は早期に家庭裁判所へ申し立てることがおすすめです。

相続税が発生する

相続税が発生したら、期限内に納付をする必要があります。しかし、遺産分割協議が難航していて相続税の計算が遅れてしまった場合、相続税の納付に必要なお金を用意できない可能性もあります。ただし、相続税の納付が遅延してしまうと延滞税が発生してしまいます。たとえ協議が難航していても、相続税の準備は粛々と進める必要があるのです。

相続税申告には期限がある

相続税申告は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。この期限を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税が発生してしまうため、相続人にはさらに重い負担が課せられます。納付は期限厳守が望ましいのです。

相続税申告が予定されている遺産分割協議の注意点

相続財産の調査の結果、相続税が発生することが判明していたら、遺産分割協議時には以下の点を注意しましょう。

相続財産の評価を行う必要がある

相続税の納付には、相続財産の評価が必要です。現金や預貯金は評価しやすいですが、不動産は評価が難しいため、専門家に相談をしなければ相続税を払いすぎてしまうおそれがあります。

特に土地の評価は税理士の中でも専門知識を持っている方が少ないため、ご注意ください。土地評価サービスが用意され、安心できる税理士を早急に見つけて土地の評価を依頼することが大切です。

土地評価サービス/料金

生前贈与にも注意が必要

相続税の納付にあたっては、生前贈与にも注意する必要があります。生前贈与は相続開始前3年以内の贈与が、相続財産に加算されるものです。「もう自分が受け取ったお金は使ってしまった」という場合も、加算対象になるためご注意ください

こちらもご一読ください。

参考URL 「生前贈与」とは?生前に贈与をするメリットとデメリット

 

未分割申告はデメリットがある

遺産分割協議が難航し、調停や審判にまで移行すると、解決まで1~2年の月日が経過してしまうおそれがあります。分割内容が確定しない場合には延滞税の発生などを避けるためにも「未分割で納付」という方法を選択する必要があります。未分割の状態であっても相続税申告の期限が延びることはないため注意しましょう。

未分割で納付すると、配偶者の税額軽減が適用できなくなるなどのデメリットがあります。遺産分割協議におけるトラブルは、相続税に大きな負担となるため、できる限り避けることがおすすめです。

使えなくなる控除や特例とは

では、相続税納付が遅れることによって使えなくなる特例には、どのようなものがあるでしょうか。

① 配偶者控除(配偶者の税額控除)
一般的に広く知られている配偶者控除は、未分割の状態では適用できません。1億6千万円もしくは配偶者の法定相続分相当額以下のいずれか多い方が控除されるため、大変優良な特例ですが,使えなくなると大きな税負担となります。

②小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例も未分割では使用できなくなります。土地の評価に有利な特例ですが、使えない場合には重い税負担がのしかかります。

なお、小規模宅地等の特例については、下記記事もご一読ください。

参考URL 【小規模宅地等の特例とは?】対象、適用要件や必要書類を解説

まとめ

この記事では、遺産分割協議の進行方法について、相続税申告の期限についても触れながら詳しく解説を行いました。遺産分割協議を円満に進めるためには、家族で協力し合って前向きに解決することが重要です。

もしも未分割の状態で相続税申告を目指す場合は、土地の評価にも有利な特例などが使えなくなります。こうした事態を避けるためにも、まずは円満に話し合うことがおすすめです。

岡野相続税理士法人では、不動産のある相続に強い税理士法人として、全国から多くの相続税申告のご相談をいただいています。不動産のある相続に臨まれる場合は、まずはお気軽にご相談ください。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
    そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

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    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

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