「金価格が高騰」コロナ禍に強い金地金の売却と相続税評価。

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金価格が高騰

「金価格が高騰」しています。令和(2020)年7~8月、史上最高値を連日更新。
8月11日に一時急落しましたが、10月に入り、安定した値動きとなっています。
今、なぜ金なのか。
コロナ禍による不況下、安全資産と言われる金が投資家に人気を集め、「金ETF」も注目されています。

そういった中、もし金を相続したら。売却方法や相続税評価についてまとめました。

金価格が高騰した理由と原因は

人類が最初に発見した金属は金と言われています。貨幣価値としての歴史も古く、遠く古代エジプト時代にまで遡るとされています。

1970年代の米ソ冷戦時代に、やはり金の価格が急騰しました。核戦争への不安から、最後に残るのは実物財産の金という考えから、積極的に金が買われたためです。この時、「有事の金」という言葉が生まれました。

新型コロナウイルス感染症が世界の国々に蔓延し、国際経済活動を停滞させる中、再び金人気が高まっています。

「有事の金」はコロナ禍にも強い?

新型コロナウイルス感染症が世界の国々に蔓延・拡大し、国際経済活動を停滞させる中、再び「有事の金」人気が高まっています。

2月半ば、世界的な株価暴落が始まり、株、債券、リートなど、3月後半まで何もかも売られる「セルオール(sell all)」の状況が続きました。そんな中、いちばん最初に値を戻したのが金です。金価格の上昇はその後も続き、8月前半には史上最高値を連日更新しました。

実物資産である金地金(金塊、インゴット、鋳塊、ゴールドバー)はもちろん、「金ETF(Exchange Traded Funds)」も注目を集めています。「金ETF」は金地金で運用する投資信託で、株式市場で投資が行えるため、投資家にはなじみやすい方法というのも人気の理由でしょう。

昔から、「金の延べ棒」と言えば富の象徴、安定資産の象徴で、今風に言えば「財産のアイコン」です。特に高齢者にとって、金地金は実体のある実物資産ですから、わかりやすい投資対象としてますます人気を誇っています。

遺産分割するため金地金を売るには

さて、そんな金地金を相続したら、まずは金の時価をチェックすることです。被相続人が購入した時の証明書や伝票を確認しましょう。購入金額が不明の場合、売却金額の5%相当額が購入金額として適用される場合があります。

しかし、証明書や伝票を紛失している場合でも、以下の方法で確認できます。

ゴールドバー

上の写真のように、金地金のバーには、地金番号、ブランド、品位(純度)、重さが刻印されています。中でも、地金番号はこの世でたった一つ、そのバーにしか与えられない管理番号です。この番号さえわかれば、証明書や伝票が見つからなくても大丈夫。購入した時の金額を調べることができます。

そして、次に調べるのが相続発生日(被相続人が亡くなったことを知った日)と今の時価です。

金地金の相場は、日本取引所グループ(JPX)一般社団法人 日本金地金流通協会のサイト、新聞でも調べられます。大手の貴金属業者のホームページにも、相場や買取価格が掲載されています。

金地金を売却し現金化して、複数の相続人で分割する場合は、金買取専門業者や専門店に買い取ってもらいます。ほとんどの業者が無料査定してくれます。予めメールで依頼できる業者もありますので、ネットで調べて、信頼のおけそうな業者に問い合わせてみるといいでしょう。

金地金を売却した時の税金

金地金の売却金額が購入金額を上回る場合は、確定申告をして税金を支払う必要があります。金地金を売却して得た所得(地金の売却益とその他の該当する譲渡益の合計金額)には、譲渡所得が課税されます。

また、営利を目的として継続的に売買を行い、年に何回も売却益を得ている場合は、事業所得または雑所得として総合課税の対象になります。

譲渡所得の金額は、以下の方法で計算されます。

(1) 所有期間 5年以内の場合

譲渡所得(5年以内)

(2) 所有期間 5年超の場合

譲渡所得(5年超)

(注) 譲渡所得の特別控除の額は、その年の金地金の譲渡益とそれ以外の総合課税の譲渡益の合計額

に対して50万円です。これらの譲渡益の合計額が50万円以下のときはその金額までしか控除できません。
また、(1)と(2)の両方の譲渡益がある場合には、特別控除額は両方合せて50万円が限度で、(1)の譲渡益から先に控除します。
※出典:国税庁『No.3161 金地金を売ったときの税金

さらに、平成23(2011)年の税制改正により、「金地金等の譲渡の対価の支払調書制度」(所得税法第225条第1項第14号)が創設されました。

金地金等の売却代金 (支払対価)が200万円を超える場合、買取業者には売却主の本人確認書類の提出や本人確認の実施、税務署へ支払調書(売却主の住所・氏名、地金種類・数量・支払金額・支払確定日を記載)の提出が義務付けられました。

金地金そのものの分割も可能

「金地金は実物財産だから分割できない」と、思い込んでいる相続人もいらっしゃるかもしれません。実は、業者に依頼すれば、金地金そのものの分割加工(精錬加工)も可能です。金貨も同様に分割加工できます。

つまり、金地金を小分けして、相続人で実物を分け合うことができるのです。また、金地金を分割して、年間の売却による譲渡益を50万円以内に抑えれば、譲渡所得も課税されません。

ただし、相続の場合は、相続税の課税対象となります。

金地金にかかる相続税の評価方法

金地金の相続税は、相続発生日(被相続人が亡くなったことを知った日)の取引相場の価額が評価対象となります。

1g当たりの取引相場価額×重量(g)=金地金の相続税評価額

ただし、相続税は金地金単体に課されるのではなく、遺産総額に対して課税されます。ですから、ほかの遺産金額と合計した遺産総額に相続税がかかってきます。

相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」なので、これ以下の金額なら、相続税の申告は必要ありません。

相続税の基礎控除や控除の種類、また贈与税については、以下のコラムもご一読ください。

「相続税申告」とは?控除の種類や必要な準備、自分で申告する方法

「配偶者の税額軽減」で相続税が無税?非課税枠や注意点をチェック

「生前贈与」とは?生前に贈与をするメリットとデメリット

また、金以外にも財産価値のある貴金属の地金は存在します。貴金属は金(Au)・銀(Ag)に加え、白金族の6種類=プラチナ(Pt)・パラジウム(Pd)・ロジウム(Rh)・ルテニウム(Ru)・オスミウム(Os)・イリジウム(Ir)の合計8種類を指します。

金価格が高騰している昨今、金を相続としてまとめて遺すのではなく、贈与税が控除される年間110万円を目安に「生前贈与」される方も増えてまいりました。

相続税対策や生前贈与については、お一人で悩まずに、信頼できる専門家へのご相談をおすすめいたします。当税理士法人は、相続税申告3,284件、相続税還付1,877件の豊富な経験と実績を積んでまいりました。また、ご相談・お見積までは無料で承っております。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
    そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

    当税理士法人は、国内トップクラスの相続税の還付実績で培った知識と経験から、1つ1つの土地に適した評価を早く正確に行います。
    こうした適正な土地評価が、大きな相続税の節税につながります。

    今後の相続に備えたい方、相続が発生した方は、遠慮なく当税理士法人にご相談ください。
    初回の面談相談(約1時間)を無料にて実施しております。オンラインに対応しているので全国どこでも、海外からでもご相談、ご依頼いただけます。

    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

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