【失踪宣告と相続とは?】手続き方法や不在者財産管理人を解説

最終更新日:
失踪宣告後、相続でできること

相続時に行方不明者がいた場合、失踪宣告が認められる可能性があります。
警察庁の統計では毎年8万人以上もの行方不明者がいて、令和元年の届出受理数は8万6933人にものぼりました。

身近な人が突然いなくなると、残された人たちの生活に、さまざまな支障をきたします。相続にも当然影響があります。
そんな時はどうしたらよいのか、解決策を記載します。

失踪宣告とは

失踪宣告とは、行方不明者(不在者)に対し、法律上死亡とみなす制度のことを指します。
失踪宣告が認められる失踪の種類には、「普通失踪」と「特別失踪」の2種類があり、それぞれ要件が異なります。

普通失踪と特別失踪の要件

普通失踪は、「7年間行方不明者の生死が確認できない状態の場合」、特別失踪は、「戦争、沈没、天災などの危難に遭遇し、1年間行方不明の場合」に、利害関係人の請求によって認められます。

利害関係人の範囲とは

利害関係人とは、「行方不明者の配偶者、法定相続人、財産管理人、受遺者、生命保険金の受取人」等、法律上の利害関係がある人のことを指します。つまり、法律上に利害関係があれば、親族以外でも利害関係人として認められます。

しかし、債権者や債務者、友人や恋人等、法律上利害関係のない人は、利害関係人として認められないため、失踪宣告ができません。

失踪宣告と認定死亡の違いとは?

失踪宣告と認定死亡は、「死亡確認できない人物を、亡くなったものとする制度」である点で共通しています。しかし、失踪宣告と認定死亡は、「規定されている法、要件、認定機関、手続き」において違いがあります。

普通失踪、特別失踪、認定死亡の違いについて

普通失踪 特別失踪 認定死亡
宣告/認定の要件 7年間行方不明 戦争・沈没・天災などの危難に遭遇し、1年間行方不明 災害などで死亡が確実で、死体が発見されず、調査した官公庁が死亡報告をした場合
起算日※1 最後に本人の生存が確認された日 危難が去った日 死亡したことが確実な状態
死亡日
(相続発生日)
起算日から7年が満了した日 危難が去った日 戸籍上死亡として取り扱った日(戸籍に死亡と記載された日時)
根拠法令 民法30条、31条 戸籍法89条
認定機関 家庭裁判所 官公庁※2
申立人 利害関係人
審判結果 失踪宣告 認定死亡
審判後できること 相続をはじめとする法的手続き

※1 民法140条により、起算日である初日はゼロ日として、起算日の翌日がスタートとなります。
※2 認定死亡の詳しい要件について、戸籍法では特に定められていません。認定を行うにあたり、行政当局などが個々にその判断をしています。

失踪宣告の手続きの流れ

家庭裁判所

失踪宣告の申し立ての手続きは次の手順で進みます。申し立てから審判の確定までに半年から1年ほどかかります。

  1. 申立て
  2. 審理
  3. 公示催告
  4. 失踪宣告
  5. 結果の連絡(審判書謄本送達・受領)
  6. 確定
  7. 確定証明書手続き
  8. 失踪の届出

手続きから確定まで

手順ごとに手続きに必要な書類や提出先などを表にまとめてみました。

ステップ 誰が 誰に どうする/条件/必要書類等 場所等 特記事項

申立
利害関係者 家庭裁判所※1 以下を提出
・家事審判申立書※2
・行方不明者の戸籍謄本
・行方不明者の戸籍附票
・失踪を証明する資料※3
・行方不明者と申立人の関係を示す資料※4
・連絡用の郵便切手※5
・官報公告料(4,816円)※6
裁判所 →申立書には収入印紙800円を貼付
→官報公告料は裁判所から連絡があってから後納

審理
家庭裁判所 家庭裁判所調査官の聴き取り調査 →家裁の独自調査

公示催告
家庭裁判所 不在者
不在者の生存を知っている人
生存の届出をするよう催告
不在者の生存を知っている人はその届出をするよう催告
官報と裁判所の掲示板

失踪宣告
家庭裁判所 普通失踪の場合
特別失踪の場合
→公示催告から3か月以上、届出がない場合は失踪宣告がなされる
→1か月以上経過しても届出がない場合は失踪宣告がなされる

結果の連絡
家庭裁判所 申立人 失踪宣告の結果は「審判書謄本」に記載され、裁判所から申立人宛に送達 郵送 申し立てからここまでおよそ6か月程度かかる。

確定
家庭裁判所 申立人 「審判書謄本」送付 審判書謄本を受け取った日の翌日から起算して14日を経過した日に審判が確定

確定証明書手続き
申立人 家庭裁判所 「確定証明書」を取り寄せ

失踪の届出
申立人 市区町村役場
(不在者の本籍地、または
申立人の住所地に所在)
持参するもの
・審判書謄本
・確定証明書
・印鑑
⑥確定の日を含めた10日以内に戸籍の変更届出を提出

受理されると失踪者は戸籍から除籍

※1 行方不明者の従来の住所地や居住地を管轄する裁判所に提出します。
※2 裁判所のウェブサイトからダウンロードできます。
記入例も参照できます。
※3 行方不明者の捜索願受理証明書や戻された行方不明者宛ての手紙などが該当します。
※4 戸籍謄本などが該当します。
※5 申立先の家庭裁判所によって金額が異なるため確認が必要です。
※6 失踪に関する届出の催告3,053円と失踪宣告1,763円の合計額です。

失踪宣告後、相続でできることは?

家と財産のイメージ

失踪宣告が確定すると、行方不明者(不在者)は死亡したものとみなされるので、相続は一般的な相続と変わらない手続きで行うことができます。

行方不明者が相続人だった場合

→行方不明だったために停滞していた遺産分割協議を再開することができます。

行方不明者が被相続人だった場合

→遺産の整理や分割を行うことができます。

不在者財産管理人の選任

普通失踪の状態が7年に満たない場合は、行方不明者を死亡したものとみなすことはできません。また、失踪宣告が確定するまでに申し立てから1年近く経過してしまうことから、失踪宣告がなされていないのに遺産分割協議が必要になることも。

そのような場合は、家庭裁判所に行方不明者の代理人として遺産分割協議に参加し、分割後の財産を管理する「不在者財産管理人」の選任を申し立てる必要があります。

不在者財産管理人とは?

相続について、相続人の所在がわからないために相続を開始できないとき、行方不明の相続人の代理となる人物を指します。

相続では、多くの場合、相続人全員の同意がなければ遺産分割協議は終了しません。相続人が1人でも揃わなかったとすると、その相続人を抜きにして遺産分割協議はできないからです。

そこで、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立て、不在者の相続人に代わって不在者財産管理人が遺産分割協議に参加することができ、相続を進めることができるようにしています。

失踪宣告と相続まとめ

相続はいつ何時発生するか予期できません。特に親族が行方不明になると、相続に限らずさまざまなことに支障が生じます。

相続についてはことがややこしくなる前に、士業に頼んできちんと対処しておけば、回避できることがたくさんあります。
また、相続に強い司法書士や弁護士の紹介をご希望の方は、お問い合わせ時にその旨をお伝えください。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
    そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

    当税理士法人は、国内トップクラスの相続税の還付実績で培った知識と経験から、1つ1つの土地に適した評価を早く正確に行います。
    こうした適正な土地評価が、大きな相続税の節税につながります。

    今後の相続に備えたい方、相続が発生した方は、遠慮なく当税理士法人にご相談ください。
    初回の面談相談(約1時間)を無料にて実施しております。オンラインに対応しているので全国どこでも、海外からでもご相談、ご依頼いただけます。

    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

    [pvc_stats postid="" increase="1" show_views_today="1"]

    お電話ページのトップに戻る

    【初回面談無料】 予約
    0120-716-476
    ご契約中のお客様はこちら
    0120-500-654
  • ※電話での無料税務相談は受け付けておりません
  • 初回面談無料 WEB面談予約 

    相続税額試算  ページのトップに戻る