名寄帳とは?請求方法と注意点、見方や費用について

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相続税専門の税理士。創業17年で国内トップクラス2,400件の相続税の申告実績。141億円以上の相続税の減額実績。
岡野雄志税理士
岡野雄志税理士
名寄帳とは

名寄帳とは、市区町村が作成している固定資産課税台帳を、所有者別に一覧表でまとめたものです。読み方は、「なよせちょう」と読みます。名寄帳は、主に、固定資産税を課税するのを目的に作成されています。
名寄帳を利用することで、相続人が所有する不動産を一度に把握することが可能です。

今回の記事では、相続時に名寄帳を取得した方が良いケースや取得方法をご紹介します。

名寄帳(なよせちょう)とはどういうもの?

市区町村は、固定資産税を課税するために、市区町村内にある固定資産(土地、家屋、償却資産等)を対象に、固定資産課税台帳を作成しています。

市区町村は、固定資産課税台帳に、「所有者の住所・氏名・登記されている不動産の登記事項と評価額」を記載し、管理しています。
固定資産税の課税対象であれば、未登記の土地・家屋であっても土地・家屋補充課税台帳に同様の事項で記載されています。

名寄帳は、土地と家屋の固定資産課税台帳(補充課税台帳)について所有者ごとにまとめたもので、名寄帳と固定資産課税台帳の記載内容に大きな違いはありません。

自治体によっては名寄帳が固定資産課税台帳を兼ねていたり、固定資産税が課税されない不動産は固定資産課税台帳には記載せず、名寄帳に記載したりする場合もあります。

相続時に名寄帳の確認をおすすめする理由

相続で故人の財産、特に不動産を把握するときに名寄帳をおすすめするのは、名寄帳が故人の所有していた不動産情報が一覧表になっており、相続財産の調査に活用できるからです。

市町村から送付される固定資産税の課税明細書でも十分確認できますが、前述したように、名寄帳と固定資産税課税台帳の役割を明確に分けている場合も考えられます。その場合、非課税の不動産については固定資産税課税台帳では確認できなくなってしまいます。
名寄帳は、相続登記時の登記漏れや、相続税申告時の不動産の申告漏れを防ぐために、確認が必要な重要な書類であるといえます。

名寄帳の見方

名寄帳の見本
名寄帳の体裁は各市町村によって異なります。
名寄帳は、以下内容の記載項目があります。

  • 資産の所在地
  • 課税標準額
  • 評価額
  • 課税額

名寄帳の記載内容は、固定資産税納税通知書に同封される課税明細書の内容とほとんど差はありません。
しかし、名寄帳には、非課税の不動産が必ず記載されているという点で、固定資産税納税通知書と違いがあります。

固定資産税、通知書明細書

名寄帳は、所有者の名前に不動産が紐づけて記載されています。
しかし閲覧できるのは市区町村での管轄エリアに限られるため、所有者が複数の不動産を全国各地に所有している場合は、所在地の、所有状況がすべて確認できるわけではありません。

不動産の所在地を管轄する役所ごとに名寄帳は作成されているため、管轄外の所在地にある不動産については、そのエリアの名寄帳を別途確認する必要があります。

固定資産税を課税するための基本となる固定資産税課税標準額を決めるため、市区町村では一筆(土地)一棟(家屋)ごとの不動産を現地調査して記録しています。

未登記でも、固定資産税が非課税となっている不動産でも、管轄内であればすべて記録し記載しています。

名寄帳はどんな時に必要?

相続時に名寄帳が必要になるのは、主に次のような場合です。

  • 固定資産税の課税明細書を紛失してしまい、故人の不動産の所有状況が分からない
  • 不動産投資などで故人が複数の宅地・家屋を所有していた、あるいはその可能性がある
  • 故人が農地・山林などを所有していた、またはその可能性がある
  • 故人が不動産をほかの誰かと共有していた、またはその可能性がある

固定資産税がかからない不動産(私道や農地・山林など)は、固定資産税の課税明細書に記載されないケースがあります。
相続財産として不動産が含まれる場合は名寄帳を取り寄せることをおすすめします。

また、故人が不動産をほかの誰かと共有していた場合は、故人が固定資産の課税明細書は納税する代表者でない場合は届きません。なぜなら固定資産の課税明細書は代表者のみに郵送され、その他の共有者には通知されないためです。

そのため、不動産を共有していて課税明細書が届いていない場合も、名寄帳で不動産の所在を確認する必要があります。

相続時に名寄帳を取得できる人は

名寄帳を取得できる人は、納税義務者である所有者本人や本人から委任された代理人、所有者本人が死亡した場合は相続人やそれに準ずる人(遺言執行者)が基本です。
名寄帳は個人の資産に関する情報が詳細に記載されている関係上、だれでも交付申請できるものではありません。

名寄帳の請求手続き方法と申請・交付場所

名寄帳の請求(申請)と交付する場所は故人の所有していた市区町村の役場になります。

名寄帳は資産などに係る情報を管理している点と個人情報保護の点から、請求申請時の申請者の本人確認をより厳格な方法にしています。
名寄帳の必要書類は以下の通りです。

  • 名寄帳交付申請用紙(窓口または、HPから入手)
  • 申請者の本人確認書類(マイナンバーや運転免許証、パスポート)
  • 故人の除籍謄本(死亡の事実の確認のため)
  • 相続人の戸籍謄本、遺産分割協議書の写し等(相続人であるという証明の為)
  • 手数料(市区町村によって異なります。200円~300円であることが多い。)
  • 委任状(代理人が手続きする場合)

場合によっては、住民票も必要になる場合があります。
名寄帳は、郵送での申請も可能です。郵送で名寄帳を取り寄せる場合は、返信用封筒や、必要分の郵便小為替等が必要となるケースが多いです。
また、請求時の必要書類は、市町村によって異なることがあるので、管轄の市町村ホームページまたは、窓口にて調べることをおすすめします。
名寄帳必要書類

名寄帳請求時に必要な費用について

名寄帳の取得費用は、自治体によってまちまちで、無料なところもあれば1通200~300円程度かかる場合もあります。管轄の市区町村役場で確認することをおすすめします。

また、名寄帳は郵送でも取得できます。その場合は別途申請書などが必要です。管轄の市区町村役場で必要書類などを調べ、定額小為替など取得費用を同封して申請します。

名寄帳を請求するときの注意点

名寄帳を請求するときに注意すべき点は、以下の3つです。

1.その年の取得・売却は名寄帳に反映されない

名寄帳や固定資産課税台帳は、毎年1月1日時点の情報で作成されるため、1月2日以降に取得した不動産は翌年まで名寄帳には記載されません。

名寄帳に記載されていない不動産については売買契約書を探すなど、別の方法で所在を確認する必要があります。

一方、名寄帳に記載があってもすでに売却している可能性もあるので、その場合は不動産が引き続き故人の名義になっているかどうかを、登記事項証明書(登記簿謄本)を取得して確認します。

登記事項証明書の取得

2.市区町村ごとに取得する必要がある

故人が複数の市区町村で不動産を所有していた場合、その市区町村ごとに名寄帳を取得する必要があります。

不動産がどこにあるか正確に分からない場合は、思い当たる市区町村で名寄帳を取り寄せ、不動産の有無を確認することができますが、不動産がどの市区町村にあるかも不明な場合は、名寄帳を取得することもできません。

3.名寄帳を作成していない自治体、取得できない自治体がある

自治体の一部では、固定資産課税台帳が名寄帳を兼ねていることがあり、特に名寄帳として作成していない場合があります。

また、名寄帳を取得できない自治体もあります。
このような場合は、固定資産の課税明細書の再交付を受け、故人所有の不動産の確認を行います。

相続税申告時に名寄帳を取得する方が注意すべきこと

相続税申告時に名寄帳を取得するというひとは、「不動産を相続している人」が多いかと思います。
不動産を相続した場合に注意すべきことは、「相続時の不動産評価額」です。

多くの税理士は、会計専門のため、土地評価を含め不動産評価には非常に不慣れです。
実際、当事務所が「他の税理士が作成した相続税申告書」を見なおした所、土地評価時に適正な減額をしていないがために、相続税を過払いしていたケースが多くありました。

当事務所が、「他の税理士が作成した相続税申告書(一部、相続人自身が作成した申告書も含む)」を見直し、取り戻してきた相続税額は累計141億円にも上ります。
土地評価時に減額要因を考慮していないことが原因で、相続税の過払いが発生していたとしても、税務署からの指摘はありません。

どの税理士に依頼しても、納税すべき相続税額が同じと勘違いしている人は非常に多いです。
そもそも、税理士資格を取る際の、必要科目に「相続税」は含まれておらず、「相続税」は選択科目です。
つまり、同じ税理士といえど、「相続税」を学んでいない人が多くいるわけです。

相続時の土地評価方法は複雑で、専門的な知識が必要となります。
相続税で損したくない人、特に、土地の相続をしている人は、「土地評価に強い相続税専門の税理士」に相続税申告書を依頼する必要があります。

当事務所は、相続税専門17年の税理士事務所です。相続税減額実績が評価され、現在46都道府県のお客様から契約を頂いています。
無料でお見積が可能ですので、お気軽にご相談ください。(初回面談も無料です。)
【全国対応】無料お見積お問い合わせフォーム

相続税額で差が起きやすい「土地評価」だけでも依頼が可能ですので、ご検討ください。

また、既に相続税申告が済んでいるお客様も、以下条件に当てはまれば、相続税過払いの可能性があります。

  • 相続が発生して5年10ヶ月以内
  • 土地を相続している
  • 相続税を500万円以上納付している

当事務所は相続税の過払いが判明し、相続税が戻ってきたときのみ料金が発生する「完全成功報酬制」です。
上記項目すべてに当てはまる人は、一度相続税の申告書の見直しサービス「相続税還付」をご依頼下さい。
【全国対応】無料お見積お問い合わせフォームでも、お電話(0120-716-476)でもご対応いたします。(電話される際は、記事を見たとお伝えください。)

まとめ:名寄帳は相続財産の調査に有効

名寄帳は市区町村内の不動産について所有者ごとにまとめたもので、相続財産の調査に有効な手段です。

しかし、相続財産の調査は不動産にとどまりません。預貯金・株式・貴金属など、不動産以外の財産も調べなくてはならないため、財産の種類や量によっては大変な作業になります。

滞りなく、漏れなく故人の財産調査を行うには、行政書士や司法書士、税理士など、相続に関して経験豊富な専門家に依頼してみるのも一案であるといえます。

相続税の申告などが予想される場合は、相続税の申告・納付に経験のある税理士を積極的に活用することをおすすめします。
当社は相続税を専門に17年間、国内屈指の実績を持つ税理士事務所です。相続に関してお困りごとなどがありましたら、まずは無料相談でご相談ください。
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