遺言書活用で“争族”回避!相続財産5千万円以下で75%が揉め事に

2019年04月05日 [ ]

遺留分の割合

「争族」回避のポイントを解説!

相続対策というと相続税の対策ももちろんですが、相続財産を巡って相続人が争う「争族」対策も重要となります。

「争族」対策としては、遺言書が効果的です。遺言書が存在しないと相続人がさまざまな主張して遺産分割がこじれてしまうこともあります。生前に作成した遺言書が遺産分割において法的効力を発揮し、被相続人の意思を示してくれます。ただ、遺言がむしろ相続人同士の争いのもとになることも少なくないため、失敗を避けるためのポイントを押さえておく必要があります。

遺言書のポイント①:「争族」を防止する

遺言書を作成すると、原則として相続人同士で相続財産をどのように分配するかを話し合う「遺産分割協議」を行う必要がなくなります。遺言書で明確に相続財産の分配方法が示されているからです。

「争族」になるのは、遺産分割協議が些細なことからこじれてしまい、話し合いが長期化するうちに過去の経緯等から紛争が拡大するというケースも少なくありません。遺言書を活用することでスムーズに相続手続が完了でき、「争族」を防止することができます。

「相続財産が少額だから『争族』にはならない」とお考えの方もいるかもしれませんが、「争族」は金額の大小とは関係なく起こり得ます。裁判所の統計によれば、遺産分割調停・審判事件のうち、相続財産1000万円以下のものが30%、相続財産5000万円以下のものが75%を占めるというデータもあります。遺言書がないために「争族」が生じるのは富裕層だけの問題ではないわけです。

遺言書のポイント②:相続人に対して想いを伝える

遺言書を作成することは、法定相続分と異なる相続をさせることであり、ある意味では相続人を不公平に取り扱うことになります。そこで、遺言書においては、なぜ法定相続分と異なる相続を望むのかという想いを相続人に伝えることがポイントとなります。
たとえば、長年同居して面倒を看てきた子どもに感謝の念を示すため、自宅の全部を相続させる、等です。
「争族」が生じるのは、被相続人が死亡しているため、相続人がそれぞれの立場から被相続人の想いを推測して行動するからです。遺言書で相続人に対して想いを伝えることが重要です。

遺言書のポイント③:厳格な要件が定められている

遺言書は、遺言者の死後に効力を生じるため、遺言者の真意が明確になっていなければなりません。そこで、民法では遺言の方式について厳格な要件を定めています。
中途半端な知識で遺言書を作成すると、死後、遺言書の有効性を巡ってかえって紛争が生じるおそれがありますので、遺言書を作成する場合は専門家に相談されることを強くおすすめします。

遺言書のポイント④:遺留分は侵害できない

遺言書を作成することで、原則として相続財産を自由に処分することができます。しかし、遺言書の限界として、相続財産の一定部分は自由に処分することができないとされています。これが遺留分の制度です(民法1028)。厳密には、遺留分を害する遺言書が無効になるわけではなく、遺留分を侵害された相続人が遺留分減殺請求を行えば一定の相続財産を取得できる制度になります。遺留分は、原則として法定相続分の1/2(直系尊属のみが相続人の場合は1/3)となります。

遺留分の割合

遺留分の割合

相続財産の大部分が自社株式といったケースや本家となる自宅があるような場合、遺留分があるために、跡取りに相続財産を集中させられない等の問題が出てきます。しかし、実は遺留分減殺請求がなされないように生前に対策を行うこともできます。

まとめ

今回は遺言書活用について解説しました。遺言書は、人生の集大成である相続財産をどのように配分するかを決めるものであり、人生最後の大仕事です。残された相続人が幸せになれるよう遺言書を上手く活用してください。

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