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相続法についてのQ&A – 平成31年の相続法改正を解説

2019年04月02日


相続法改正の解説シリーズ最終回の本日は、相続法についてのQ&Aです。
今回の相続法の見直しに関する内容も含め、相続法についてよくある質問内容をQ&A方式でまとめました。

相続法についてのQ&A

相続法とは何ですか?

民法では、人が死亡すると、その人の財産は相続人に継承されることとされています。継承される財産には、預貯金や不動産などの積極財産だけでなく、銀行に対するローンなどの債務(消極財産)も含まれます。なお、債務の額が大きい場合などには、相続が開始されたことを知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申述することにより相続放棄をすることができます。

今回の改正では、配偶者短期居住権という権利も設けられたとのことですが、どのような権利ですか?

今回の改正では、配偶者短期居住権という権利を創設し、配偶者が相続開始の時に遺産に属する建物に住んでいた場合は、一定の期間(例えば、その建物が遺産分割の対象となる場合には、遺産分割が終了するまでの間)は、無償でその建物を使用することができるようにしています。

配偶者居住権が設定された居住建物の固定資産税は誰が負担することになりますか?

固定資産税の納税義務者は、原則として固定資産の所有者とされており、配偶者居住権が設定されている場合であっても、居住建物の所有者が納税義務者になるものと考えられます。もっとも、改正法においては、居住建物の通常の必要費は配偶者が負担することとされており、固定資産税は通常の必要費に当たると考えられています。したがって、居住建物の所有者は、固定資産税を納付した場合には、配偶者に対して求償することができると考えられます。

預貯金の払戻しについて、今回2つの制度が設けられたとのことですが、両制度の関係はどうなっていますか?

今回の改正で、遺産分割前に預貯金の払戻しを認める制度として、①家庭裁判所の判断を経ないで預貯金の払戻しを認める方策と、②家庭裁判所の判断を経て預貯金の仮払いを得る方策の2つの方策が設けられました。①の方策については限度額が定められていることから、小口の資金需要については①の方策により、限度額を超える比較的大口の資金需要がある場合については②の方策を用いることになるものと考えられます。

今回の改正により、自筆証書遺言の方式が緩和されたとのことですが、全文パソコンで作成してもいいのですか?

全文パソコンで作成することはできません。今回の改正では、自筆証書遺言に添付する財産目録については手書きでなくてもよいこととしていますが、遺言書の本文については、これまで通り手書きで作成する必要があります。

どの法務局に遺言書保管の申請をすることができるのですか?

遺言書の保管の申請は、遺言者の住所地もしくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所(法務大臣の指定する法務局)の遺言書保管官(法務局の事務官)に対してすることができます。
なお、遺言書保存所の指定及び具体的な管轄については、施行日(2020年7月10日)までの間に定めることとなります。

保管の対象となる遺言書はどのようなものですか?

保管の申請の対象となるのは、自筆証書による遺言書のみです。また、遺言書は、封のされてない法務省令で定める様式に従って作成したものでなければなりません。
なお、具体的な様式については、施行日(2020年7月10日)までの間に定めることとなります。

遺言書の保管には費用はかかるのですか?

遺言書の保管の申請、遺言書の閲覧請求、遺言書情報証明書(遺言書の画像情報等を用いた証明書)又は遺言書保管事実証明書(法務局における遺言書が保管されているかどうかを証明した書面)の交付の請求をするには、手数料を納める必要があります。
なお、具体的な手数料の額については、施行日(2020年7月10日)までの間に定めることとなります。

遺留分とは何ですか?遺留分を侵害された者は、誰にいくら請求できるのですか?

遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人について、その生活保障を図るなどの観点から、最低分の取り分を確保する制度です。今回の改正により、遺留分を侵害された相続人は、被相続人から多額の遺贈又は贈与を受けた者に対して、遺留分侵害額に相当する金銭を請求することができるようになります。遺留分及び遺留分侵害額については、次の計算式により算定します。

遺留分

=(遺留分を算定するための財産の価額 ※注1)×(2分の1 ※注2)×(遺留分権利者の法定相続分)

遺留分侵害額

=(遺留分)-(遺留分権利者の特別受益の額)-(遺留分権利者が相続によって得た積極財産の額)+(遺留分権利者が相続によって負担する債務の額)

(※注1)
遺留分を算定するための財産の価額=(相続時における被相続人の積極財産の額)+(相続人に対する生前贈与の額(原則10年以内))+(第三者に対する生前贈与の額(原則1年以内))-(被相続人の債務の額)

(※注2)
直系尊属のみが相続人である場合は3分の1

いつから改正法は施行されるのですか?

改正法の規定は、以下の通り、段階的に施行されることとされています。

民法等の一部改正法

① 自筆証書遺言の方式を緩和する方策 2019年1月13日~
② 預貯金の払戻し制度、遺留分制度の見直し、特別の寄与等(①、③以外の規定) 2019年7月1日~
③ 配偶者居住権(配偶者短期居住権を含む)の新設等 2020年4月1日~

遺言保管法

2020年7月10日~

まとめ

全九回のシリーズで解説してきた「相続法改正」。皆様、ご購読ありがとうございました。
相続法改正について、ご理解いただけましたでしょうか?
今後も当ブログでは、相続に関する法制やそのほか有益な情報について解説し、皆様の一助となれるよう尽力してまいります。
また、相続税還付や相続税申告など、相続に関するお困りごとがございましたら、ぜひ「岡野雄志税理士事務所」にお問い合わせください。親身になってご相談をお受けいたします。

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