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特別の寄与の制度の創設 – 平成31年の相続法改正を解説

2019年03月20日

相続法改正の解説シリーズ第八回目の本日は、特別の寄与の制度の創設について解説します。

特別の寄与の制度の創設

ポイント

相続人以外の被相続人の親族が無償で被相続人の療養看護等を行った場合には、相続人に対して金銭の請求をすることができるようになります。
※2019年7月1日(月)施行

現行制度

相続人以外の者は、被相続人の介護に尽くしても、相続財産を取得することができない。

事例

亡き長男の妻が、被相続人の介護をしていた場合

相続人以外の者は、被相続人の介護に尽くしても、相続財産を取得することができない現行制度

被相続人が死亡した場合、相続人(長女・次男)は、被相続人の介護を全く行っていなかったとしても、相続財産を取得することができる。
他方、長男の妻はどんなに被相続人の介護に尽くしても、相続人ではないため、被相続人の死亡に際して相続採算の分与にあずかれない。

改正によるメリット

相続開始後、長男の妻は、相続人(長女・次男)に対して、金銭の請求をすることができる。
→ 介護等の貢献に報いることができ、実質的公平が図られる。

相続開始後、相続人に対して金銭の請求をすることができる改正後

※遺産分割の手続きが過度に複雑にならないように、遺産分割は、現行法と同様、相続人(長女・次男)だけで行うこととしつつ、相続人に対する金銭請求を認めることとしたもの。

相続法の見直しの経緯

2018年(平成30年)7月に、相続法制の見直しを内容とする「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」と、法務局において遺言書を補完するサービスを行うこと等を内容とする「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立しました。

民法には、人が死亡した場合に、その人(被相続人)の財産がどのように継承されるかなどに関する基本的なルールが定められており、この部分は「相続法」などと呼ばれています。

この相続法については、1980年(昭和55年)に改正されて以来、大きな見直しがされてきませんでした。
一方、この間、我が国における平均寿命は延び、社会の高齢化が進展するなどの社会経済の変化が生じており、今回の改正では、このような変化に対応するために、相続法に関するルールを大きく見直しています。

具体的には、
(1)被相続人の死亡により残された配偶者の生活への配慮等の観点から、
1. 配偶者居住権の創設
2. 婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置

(2)遺言の利用を促進し、相続をめぐる紛争を防止する観点から、
1. 自筆証書遺言の方式緩和
2. 法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設(遺言書保管法)

(3)その他、預貯金の払戻し制度の創設、遺留分制度の見直し、特別の寄与の制度の創設などの改正を行っています。

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岡野 雄志

相続税専門の税理士。
早稲田大学商学部卒業。
2005年に神奈川県の横浜市に事務所を開設して以来、相続税の関連案件を1000件以上手がけてきた。 特に土地の評価を得意とし、相続税還付の実績は業界でもトップクラス。 相続税に関する書籍の執筆にも力を入れているほか、各種メディアからの取材実績も多数。

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