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遺言の活用 – 平成31年の相続法改正を解説

2019年03月15日


相続法改正の解説シリーズ第六回目の本日は、遺言の活用について解説します。

遺言の活用

遺言とは、自分が死亡したときに財産をどのように分配するか等について、自己の最終意思を明らかにするものです。遺言がある場合には、原則として、遺言者の意思に従った遺産の分配がされます。
また、遺言がないと相続人に対して財産が継承されることになりますが、遺言の中で、日頃からお世話になった方に一定の財産を与える旨を書いておけば(遺贈といいます)、相続人以外の方に対しても財産を取得させることができます。
このように、遺言は、被相続人の最終意思を実現するものですが、これにより相続をめぐる紛争を事前に防止することができるというメリットもあります。また、家族の在り方が多様化する中で、遺言が果たす役割はますます重要になってきています。

家族の在り方が多様化する中で、遺言が果たす役割はますます重要になってきています

我が国においては、遺言の作成率が諸外国に比べて低いといわれていますが、今回の改正により、自筆証書遺言の方式を緩和し、また、法務局における保管制度を設けるなどしており、自筆証書遺言を使いやすくしています。
遺言には、下記図の通り公正証書遺言もありますが、作成される方のニーズに応じて使い分けていただければと思います。

遺言の方式

遺言の方式には、主に自筆証書遺言と公正証書遺言があります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、軽易な方式の遺言であり、自書能力さえ備わっていれば他人の力を借りることなく、いつでも自らの意思に従って作成することができ、手軽かつ自由度の高い制度です。今回の立法により、財産目録については自書しなくてもよくなり、また、法務局における保管制度も創設され、自筆証書遺言がさらに利用しやすくなります。

公正証書遺言

公正証書遺言は、法律専門家である公証人の関与の下で、2人以上の証人が立ち会う厳格な方式に従って作成され、公証人がその原本を厳重に保管するという信頼性の高い制度です。また、遺言者は、証言の内容について公証人の助言を受けながら、最善の遺言を作成することができます。また、遺言能力の確認なども行われます。

相続法の見直しの経緯

2018年(平成30年)7月に、相続法制の見直しを内容とする「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」と、法務局において遺言書を補完するサービスを行うこと等を内容とする「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立しました。

民法には、人が死亡した場合に、その人(被相続人)の財産がどのように継承されるかなどに関する基本的なルールが定められており、この部分は「相続法」などと呼ばれています。

この相続法については、1980年(昭和55年)に改正されて以来、大きな見直しがされてきませんでした。
一方、この間、我が国における平均寿命は延び、社会の高齢化が進展するなどの社会経済の変化が生じており、今回の改正では、このような変化に対応するために、相続法に関するルールを大きく見直しています。

具体的には、
(1)被相続人の死亡により残された配偶者の生活への配慮等の観点から、
1. 配偶者居住権の創設
2. 婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置

(2)遺言の利用を促進し、相続をめぐる紛争を防止する観点から、
1. 自筆証書遺言の方式緩和
2. 法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設(遺言書保管法)

(3)その他、預貯金の払戻し制度の創設、遺留分制度の見直し、特別の寄与の制度の創設などの改正を行っています。

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