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相続税が有利になる!?小規模宅地の特例の概要と適用条件

2018年09月11日

我が国の税制では非常に多くの特例があり、特定の条件を満たす場合には減税措置を受けられるようになっています。
相続税の分野でも特例が多く用意されていて、その中には「小規模宅地の特例」というものがあります。
これは要件を満たす土地について、相続税評価額を特別に減額して評価し、相続税の負担を減らすことができるというものです。

今回はこの「小規模宅地の特例」の概要と適用条件について見てきます。

「小規模宅地の特例」ができた理由とは?

この特例は国から見れば税収が少なくなってしまうものですが、制定の目的は国民生活の安定と事業の継続をしやすくするためとされています。

一般に不動産は高額評価となるので、相続財産に現預金が少ない場合は相続税の支払いのために実家を売らなければならないといったケースも出てきます。
そうなると国民の安定した生活を脅かすことになってしまうので、土地を減額評価することで税負担を減らし、自宅に住み続けられるようにしようというのが趣旨の一つです。

また個人や家族で営む事業にはそのための土地が必要ですから、これも税金のために手放さなければならなくなると事業の継続ができなくなり、家族が路頭に迷ってしまうことになりかねません。
これはまた、国からみればその事業から得られる税収が無くなってしまうということでもありますから、中小零細の事業者を守ることは国にとっても利益のあることです。
こうした事業性のある土地についても減額評価し、相続税負担を減らすことができるようになっています。

このように、国民生活の安定や事業の継続をしやすくするというのが本特例の目的となります。

小規模宅地の種類とそれぞれの要件

一定の小規模の宅地が本特例の適用対象となりますが、宅地はいくつかの種類に分けられ、それぞれ要件が設定されています。

以下でその種類と主な要件を見てみます。

特定居住用宅地等

この種類は、a被相続人の居住の用に供されていた土地や、b被相続人と生計を一にしている親族の居住の用に供されていた土地が対象になります。
上記の土地について、土地の取得者が配偶者になる場合は取得者にかかる条件はありませんが、それ以外の相続人については以下のような条件が課されます。

aの土地としては、同居していた親族が当該土地を相続する場合、相続開始から相続税の申告期限までその土地を売らずに所有し居住していることが必要です。

非同居の親族が相続する場合は、

被相続人に配偶者がいないこと
被相続人に同居していた他の相続人がいないこと
当該土地の相続人が当該土地を相続税の申告期限まで保有していること
当該土地の相続人は相続開始前3年以内に自分または配偶者が所有する、国内にある家に住んだことがないこと

以上に加え、平成30年の税制改正で以下の2要件も加えられることになりました。

当該土地の相続人は相続開始前3年以内に3親等内の親族、特別の関係にある法人が所有する、国内にある家に住んだことがないこと
相続開始時に居住していた家屋を、相続開始前に所有していないこと

bについては、土地の取得者となる被相続人と生計を一にしていた親族が、相続開始から相続税の申告期限までその土地を売らずに所有し、居住していることが必要です。

特定事業用宅地等

この種類は、a被相続人の事業の用に供されていた土地や、b被相続人と生計を一にする親族の事業の用に供されていた土地の二つに適用があります。

上記ab両者共、相続人は相続税の申告期限までにその土地を保有していなければならない他、aの場合は相続税の申告期限までに相続人がその事業を引き継ぎ、かつ継続していること、bの場合は相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その土地上で事業を営んでいることが必要です。

特定同族会社事業用宅地等

この種類は被相続人及び被相続人の親族が発行済株式の総数または出資総額の50%超を有している会社(特定同族会社)の事業(貸付事業以外)の用に供されていた土地が対象です。

要件としては、当該土地の相続人が相続税の申告期限において特定同族会社の役員であることが必要で、かつその土地を相続税の申告期限まで保有していることが必要です。

貸付事業用宅地等

この種類は、a被相続人が営んでいた貸付事業の用に供されていた土地や、b被相続人と生計を一にしていた親族の貸付事業の用に供されていた土地などが対象になります。

上記ab両者共、土地の相続人が相続税の申告期限までに当該土地を保有していることが必要で、さらにaの方は相続人が相続税の申告期限までに被相続人の事業を引き継ぎ当該事業を行っていること、bの方は相続開始前から相続税の申告期限まで、その土地の貸付事業を行っている必要があります。

なお貸付事業用宅地等においては平成30年の税制改正で、原則として相続開始前3年以内に新たに貸付事業に供された土地については対象外となりました。

ただしその場合でも、相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている場合は対象となります。

減額の限度面積と減額割合について

前項①~④の各土地はそれぞれ減額対象になる面積の限度が決められており、減額の割合も決まっています。

①特定居住用宅地等……330㎡までを限度に80%の減額評価となります。
②特定事業用宅地等……400㎡までを限度に80%の減額評価となります。
③特定同族会社事業用宅地等……400㎡までを限度に80%の減額評価となります。
④貸付事業用宅地等……200㎡までを限度に50%の減額評価となります。

まとめ

この章では相続税における「小規模宅地の特例」について、その概要や要件などを取り上げました。

一定の土地について相続税評価を減額することで税負担を軽減することができるものですが、この特例は平成30年の税制改正で一部要件が厳格化されました。
上でいうところの①特定居住用宅地等と④貸付事業用宅地等で適用要件が厳しくなった経緯がありますので、この改正点について特に焦点をあてて別章で詳しく解説します。

この特例が全体的に分かりづらくなっていることと、改正が行われたためにさらにややこしくなってしまったので、相続対策で本特例の利用を考えている人は一度相続税に詳しい税理士に相談することをお薦めします。

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