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親子の土地の貸し借りは相続税カットをのぞめない。節税の賢いポイントとは?

2018年05月09日

相続税対策のひとつとして、土地の評価額を下げるために賃貸経営があります。評価額が下がる理由は、賃貸経営を行うことで土地が不自由になるためです。

しかし、誰かに土地を貸していてもその土地の相続税評価額を下げることができない場合があります。

親子間での土地の貸し借りは節税をのぞめない

賃貸経営などで誰かに土地を貸す場合、通常では土地の相続税評価額が下がります。なぜならば家主と住人で金銭のやりとりがあるためです。
しかし、親子間で土地の貸し借りを行うなど、金銭のやりとりがなく無償で土地を借りる場合は、「人に貸している土地」と見なされず、相続税評価額を下げることができません。このような関係を「使用賃借」といいます。

とはいえ、このような状況でも「人に貸している土地」として相続税評価額を下げて節税する方法があります。
節税のポイントは2つ。「賃貸物件の贈与」と「家主に家を借りている人(借家人)に変動がないこと」です。

賃貸物件を贈与して、住人に土地の権利をゆだねる

節税のポイントの1つめは「賃貸物件の贈与」です。賃貸物件を贈与して土地の利用を制限し、そのことで土地が「人に貸している土地」と見なされます。そのため、相続税評価額が下がり、節税を期待できます。

ここでは、父親と長男での賃貸物件の贈与を例に考えてみましょう。父親が長男に土地を貸すとともに賃貸物件を贈与するとします。
父親が長男に賃貸物件を贈与する前から物件に住んでいる住人は、父親と契約を結んでいると見なされます。そのため、その住人は賃貸物件だけでなく土地に対しても利用する権利があります。そのことによって、父親の土地の利用が制限されて相続税評価額が下がります。

土地や賃貸の経営を管理会社にまかせる

節税のポイントの2つめは「家主に家を借りている人(借家人)に変動がないこと」です。1つめの「賃貸物件の贈与」と同じく、第三者に土地の権利をゆだねることによって相続税評価額を下げます。

しかし、1つめのポイントと異なるのは賃貸物件を借りている立場(借家人)が変動しない点です。家主が直接住人に物件を賃貸する場合は借家人が変動します。いっぽうで、家主が管理会社に物件を貸し付けて、その管理会社が入居者に転貸する場合は借家人が変わりません。住人が引っ越しても賃貸物件の権利は管理会社にあるため、「人に貸している土地」として見なされて相続税評価額が下がります。

「人に貸している土地」とすることで評価額をカット

このように賃貸物件を贈与して「人に貸している土地」とすることで、相続税評価額を下げることができます。
また、被相続人ではなく相続人の財産として賃貸収入を蓄積できるほか、建物だけの贈与であれば贈与税を低くおさえることができるといったメリットがあります。

しかし、注意点もいくつかあります。被相続人と相続人が生計を一にしていない場合は、小規模宅地等の特例が適用されません。また、贈与した建物に借入金が残っている場合などは「負担付贈与」とみなされてしまい、贈与税や所得税が高額になるおそれがあります。

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岡野 雄志

相続税専門の税理士。
早稲田大学商学部卒業。
2005年に神奈川県の横浜市に事務所を開設して以来、相続税の関連案件を1000件以上手がけてきた。 特に土地の評価を得意とし、相続税還付の実績は業界でもトップクラス。 相続税に関する書籍の執筆にも力を入れているほか、各種メディアからの取材実績も多数。

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