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相続のリスクを避ける生前贈与は2種類ある。そのメリットとデメリットとは?

2018年04月14日

生前贈与について詳しく知ろう

生前贈与(=生前に財産を与えること)は、誰にとっても有効、かつ手軽な節税対策です。
一般的に「贈与」という場合、その贈与は暦年贈与を指すのが普通です。しかし、贈与には実は相続時精算課税制度を利用した贈与もあり、この2つはメリットとデメリットが全く違うので、しっかりと違いを理解してうまく適用することが重要です。

暦年贈与とは

通常の贈与のことを「暦年贈与」といい、贈与の際は受贈者(=財産を受け取った人)ごとに、税金(贈与税)の申告が必要になります。贈与税は、1年間の贈与を合算した額に課税されますが、毎年110万円までは非課税となります。

この「110万円の非課税枠」を利用して毎年110万円を贈与し、相続発生まで地道に相続財産を減らしていく方法を「連年贈与」といい、昔から節税対策として認知・利用されています。

この連年贈与は、誰にとっても有効な節税対策ではあるのですが、基礎控除額が110万円までと決まっているので、多額の財産を一度に移行することができないというマイナス面があります。
また、贈与税を払っていませんので、申告書等の「証拠」がありません。贈与の証拠を贈与契約書等で残しておかないと贈与とみなされず、税務署から調査を受ける可能性もあります。

贈与における課税者数

贈与における課税者数

相続時精算課税制度を利用した贈与

贈与には暦年贈与だけではなく、平成15年に創設された「相続時精算課税制度」を利用した贈与もあります。
相続時精算課税制度とは、相続前の早い時期での大きな財産の移転を目的とした制度です。

控除額が2,500万円までと非常に高額です。2,500万円を超える分には、一律20%の贈与税がかけられます。
ここで非課税になった2,500万円分の税金は、贈与者が亡くなって相続が発生したときに、遺産総額に加算されて相続税がかけられます。
その名の通り、贈与時に納めるはずの税金が、相続時に加算して課税されるわけです。

適用条件

相続時精算課税制度の適用条件は以下のとおりです。

贈与者
60歳以上の親もしくは祖父母

受贈者
推定相続人である20歳以上の子もしくは20歳以上の孫

上記条件を満たす場合、2,500万円までの贈与がいったん非課税となります。
2,500万円を超えた分からは20%の税率がかります。

たとえば、今年父が子に1,000万円の現金の贈与をしたとします。
そうすると、来年に持ち越される控除額は2,500万円-1,000万円で1,500万円です。
来年に500万円、再来年に1,000万円贈与したとしても、控除額の範囲内であれば、贈与税は課税されません。
2,500万円を超えた贈与分については、一律20%の贈与税がかかります。

相続時精算課税制度にはこんなメリットがある

相続時精算課税制度を利用した贈与のメリットについてご説明します。

①大きな控除額

まず一つ目のメリットは、一時的にとはいえ、2,500万円まで贈与税が控除されるという点です。暦年課税の控除額が110万円であることを考えると、その控除額の大きさは非常に魅力的です。

②納税を先延ばしにできる

二点目のメリットは、納税を相続時まで引き延ばせるという点です。
相続時精算課税で贈与した分は、相続時に遺産総額に加算されて課税されます。
言い換えれば、贈与した時点では、控除額内であれば一切贈与税を納める必要がないということです。
「土地を子どもに贈与したいけれど、今は現金で贈与税を用意することができない」といった場合に、非常に有効です。

③贈与時の財産価格で、相続時に課税される

相続時精算課税で贈与した財産は、贈与時の価額で遺産総額に加算されます。この点は、利用方法によっては非常に大きなメリットになります。
たとえば、贈与時に1,000万円だった土地が、その後地価が高騰し、相続時には2,000万円にまで値上がりしていたとします。
普通に相続した場合、相続税は当然この2,000万円にかかりますが、精算課税制度を利用して贈与をしていた場合、相続時に2,000万円に値上がりしていたとしても、贈与時の1,000万円分のみが課税対象になるのです。
将来値上がりが見込まれる土地や建物などの財産への節税に有効な制度です。

注意!相続時の状況を予測して適用を

「贈与時の価額」で評価が行われるという精算課税制度の特徴は、その後値上がりが予想される財産に適用すれば非常に効果的です。
しかし裏を返せば、その財産の価額が、贈与時>相続時になってしまった場合には、当然損をしてしまうので、注意が必要です。

例えば、贈与したときに2500万円の価値があった土地の価額が、いざ相続が発生したとき、2000万円まで下がってしまっていた場合、差額の500万円分は精算時に引くことができずにそのまま課税されてしまうのです。

さらに、この相続時精算課税と暦年課税は併用できないというリスクもあります。一度相続時精算課税制度の利用を選択してしまうと、暦年課税制度に戻すことができないのです。
また、相続税控除の特例が一部受けられなくなります。例えば、「小規模宅地等の特例」です。これは住んでいた家やお店などを相続する場合に受けられる特例ですが、相続時精算課税制度との併用はできません。

相続時精算課税制度のメリット・デメリットをよく考えたうえで、まず利用するのか、そして利用するとしたら誰への贈与で利用するのか、よく吟味することが重要です。

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