相続放棄は得?全員が放棄したらどうなる?保証債務や限定承認って?

最終更新日:
相続放棄

「相続放棄」について詳しくまとめています。

「相続放棄」とは

「一番得をする」などと言われることもある「相続放棄」。言葉は知っていても、その詳しい内容については知らない方も多いのではないでしょうか。

家庭裁判所での相続放棄受理件数は、年々増加傾向にあります。

年度 相続放棄の
申述の受理件数
平成27年 189,296件
平成28年 197,656件
平成29年 205,909件
平成30年 215,320件
令和元年 225,415件
令和2年 234,732件

家事審判・調停事件の事件別新受件数|相続放棄の申述の受理件数を参考に作成

なぜ「一番得をする」なんて言われるの?相続放棄をする際の注意点は?など、様々な質問に当税理士法人の税理士がズバッとお答えします。

相続放棄している人の割合は?

相続放棄している法定相続人の割合は、どれくらいなのでしょうか。

令和二年の被相続人(故人)の数が、1,372,755人(令和二年分の相続税申告実績の概要を参考)。対して、相続税申告した人の、被相続人一人当たりの法定相続人の平均は2.78人(国税庁令和元年統計情報直接税 5-2課税価格階級別表を参考にして作成)です。

つまり、一年あたり法定相続人となる人数は、3,816,258人(1372,755×2.78人)と推計できます。(相続税申告している人と、相続税申告していない人の法定相続人の人数平均値が同じと仮定)

相続放棄の申述の受理件数のうち8割が、法定相続人が相続放棄を申述したものと仮定したうえで、上記の数値をもとに計算すると、法定相続人のうち5%前後が相続放棄を選択していると推測できます。

【令和2年度相続放棄の申述受理件数:234,732人】×【相続放棄の申述受理件数のうち、法定相続人が申述した割合0.8(仮定)】÷【法定相続人人数3,816,258人】×100=4.9%(小数点第2位以下切捨て)

なぜこんなにも相続放棄を選択している人が多く、相続放棄が「一番得をする」と言われることがあるのでしょうか?
以下の段落では、相続放棄の注意点など、様々な質問に当税理士法人の税理士がズバッとお答えします。

相続放棄が一番得するって本当ですか?

保証債務の履行が怖いので相続放棄をするというケースはあります。
相続では、プラスの財産だけでなく債務のようなマイナスの財産も引き継ぎます。債務の相続については知られていますが保証人という立場も引き継ぐということは意外に知られていません。債務者が返済できなくなった場合に代わりに返済することを「保証債務の履行」といいますが、この保証債務も相続の対象となるのです。債務と違って「保証債務」は故人に聞かないと分からない点が怖いですね。爆弾をかかえているようなものなので、大した財産がないなら相続放棄をしたほうがよいでしょう。

相続放棄と限定承認って?どんな人が使うべきなのですか?

全てを相続するのが「単純承認」。全て相続しないのが「相続放棄」。その中間が「限定承認」。
「相続放棄」と「限定承認」の期間は相続開始から3ヶ月しかありません。もし3ヶ月という期間のなかで財産すべてを把握できなかった場合は「限定承認」という選択肢が有効かもしれません。相続したプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続することができます
また、前述した通り、債務の保証人という立場も相続の対象になるので注意が必要です
生命保険金は受取人固有の財産なので、相続放棄しても受け取ることはできます。ただし、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。遺族年金は放棄しても受け取ることが可能で、課税対象になりません。

期限内に放棄の手続きを取らないと、借金を負わされることも。思い当たる事例が過去にあれば教えてください。

故人が借金を背負っていたり、債務の保証人になっている可能性があれば、相続放棄か限定承認を検討して下さい。

相続放棄を宣言して満足したケース

49日に親族が集まった場で「俺は相続しないから」と宣言して、それで相続放棄した気になっている方が案外います。たとえ他の相続人に放棄を伝えたところで、実際に書類を提出して手続きしないことには、相続放棄にはならず、債権者から催促があっても対抗できません。

相続人全員が相続放棄をしてしまった場合は?

例えば、故人の法定相続人である、子供と配偶者が相続放棄したとします。その場合、次の相続順位である、故人の親に相続権は移ります。
故人の親も相続放棄を行うと、故人の兄弟に相続権が移ります。故人の兄弟が既に亡くなっている場合は、その兄弟の子(故人からみて甥姪)に相続権が移行します。

「故人に借金等の負の遺産はなく、相続権を得た相続人全てが相続放棄した場合」は、遺産は国に帰属されます。
故人に借金がある場合は、債権者(故人にお金を貸した人)等の申立てで、「相続財産管理人」を選任し、相続財産管理人が、故人のプラスの財産から返済を行っていきます。
相続人が、故人の預貯金から、借金の返済をすることはしてはいけません。相続放棄が出来なくなる可能性があります。

以下は注意事項です。

チェック相続放棄に関しては、熟慮期間の延長を申し出ることができます。延長の手続き自体はそう難しくないですが、延長の理由は必要になってきます。
チェック相続放棄してしまうと相続税の債務控除が使えなくなる点に注意。例え放棄した後に、「知り合いだったから仕方なく俺が借金返したよ」なんていう場合でも、債務控除は使えません。

相続放棄した場合、相続税の申告はしなくてもよいでしょうか。

相続放棄をした場合「相続税の課税はない」と思いがちです。もちろん、相続放棄をして、被相続人から財産を何も受け取っていない場合には、相続税は課されません。しかし、「生命保険金」や「死亡退職金」などの「みなし相続財産」を受け取った場合は別です。これらの財産は相続放棄をしていても受け取ることができますが、逆に、相続税の課税対象でもあるのです。
ところで、生命保険金や死亡退職金には相続税の計算上非課税限度額があります(500万円×法定相続人の数)。この非課税限度額を使えるのは相続人だけです(注!法定相続人ではなく、相続した人、という意味での相続人です)。しかし、相続放棄をした本人は、相続人とはみなされないため、この非課税枠を受けられないのです。なので、受け取った「みなし相続財産」すべてが相続税の課税対象になってしまいます。

相続税申告で心配な方は当税理士法人までご相談ください。
また、相続放棄で心配な方は、相続に詳しい司法書士や弁護士をご紹介が可能です。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
    そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

    当税理士法人は、国内トップクラスの相続税の還付実績で培った知識と経験から、1つ1つの土地に適した評価を早く正確に行います。
    こうした適正な土地評価が、大きな相続税の節税につながります。

    今後の相続に備えたい方、相続が発生した方は、遠慮なく当税理士法人にご相談ください。
    初回の面談相談(約1時間)を無料にて実施しております。オンラインに対応しているので全国どこでも、海外からでもご相談、ご依頼いただけます。

    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

    [pvc_stats postid="" increase="1" show_views_today="1"]

    お電話ページのトップに戻る

    【初回面談無料】 予約
    0120-716-476
    ご契約中のお客様はこちら
    0120-500-654
  • ※電話での無料税務相談は受け付けておりません
  • 初回面談無料 WEB面談予約 

    相続税額試算  ページのトップに戻る