【相続税申告等のご案内】が税務署から送られてきたら

「相続税についてのお知らせ」は、相続税申告が必要な可能性がある人に送付されます。
また、「相続税の申告等についてのご案内」は、相続税申告が必要な可能性が高い人に送付されます。
被相続人が亡くなっておよそ半年が経過したころ、税務署は相続税申告義務がある可能性の高い人には「相続税の申告等についてのご案内」を、
相続税申告が必要な可能性のある人には「相続税についてのお知らせ」を送付します。
- 目次 -
「相続税についてのお知らせ」が届いたら
「相続税についてのお知らせ」はどういった人に送られてくるのか
「相続税についてのお知らせ」は、故人が亡くなってから半年ほどすると税務署から送られてくる書類で、「相続税はどういう税金か」や「相続税の必要性」などを記したものです。
相続税についてのお知らせ」はどんな人に届くのか
「相続税についてのお知らせ」は相続税の申告が必要な人すべてに届くわけではなく、故人との関係から相続人である可能性が高い人を対象に送付しています。
したがって、法定相続人になる可能性が高い、配偶者や家族に届けられます。
相続税申告義務がない人にも「相続税とは何か、相続税を支払う意義」などを伝えることを目的に送られてくることもありますし、相続税申告義務があるのにお知らせが届かない人もいるので注意が必要です。
「相続税についてのお知らせ」が届いた後の流れは?
相続税についてのお知らせが届いた場合、相続税の支払い義務があるか確認をします。
相続税は、相続財産額が一定額(基礎控除額)を超えない限り、支払い義務がない税金です。
相続した財産(現金や土地、不動産、株等)の合計額が、基礎控除額以下だった場合は相続税支払い義務はないので、相続税申告の必要はありません。
基礎控除額は、3,000万円+600万円×法定相続人の人数です。
つまり、相続財産額が3,000万円以下だった場合は、相続税を支払う必要はありません。
しかし、3,000万円を超える場合は相続税の支払い義務がある可能性があります。
相続財産額が3,000万円を超える人は、自身の法定相続人の人数を把握し、基礎控除額がいくらになるか確認をしましょう。
相続税の基礎控除額計算方法、相続税申告は必要?不要?
「相続税の申告等についてのご案内」が届いたら
「相続税の申告等についてのご案内」はどういった人に送られてくるのか
「相続税の申告等についてのご案内」は、税務署が「相続税がかかりそうだ」と判断した人を対象に送付される書類です。
KSKシステムを活用し、市町村から提供される固定資産の情報や保険会社から送付される支払調書、金融機関からの情報、過去の確定申告をもとに、被相続人の財産を把握し、相続税がかかりそうか、税額がどれくらいになりそうかをざっくりと把握します。
その上で税金がかかりそうだと判断した人を対象に、適正な相続税申告を促す意味で「相続税の申告等についてのご案内」を送付します。
「相続税申告等についてのご案内」は納税対象者のフラグ
税務署としてはできるだけ効率よく相続税の納税をしてもらいたいので、KSKシステムを活用し、所得税額から見て納税対象者を絞りこみ、まずは「ご案内」ベースで納税の周知徹底を図ることができるというメリットがあります。
なぜ送付対象と判断された?対象者を洗い出すKSKシステムとは
どうして相続税の納税対象者だとみなされたのでしょうか。それには国税庁のKSKシステムが大きく関係しています。
KSKシステムとは
KSKシステムとはKOKUZEISOUGOUKANRI(国税総合管理)システムの略称で、全国の国税局や税務署をネットワークで結び、納税者の申告に関する全情報を一元管理するコンピュータシステムのことです。2001年に全国に導入され、すでに20年の運用実績があります。
KSKシステムを相続税情報に活用
過去の税申告関連のデータがすべてこのシステムに蓄積されているので、税務署は税務調査対象となる納税記録を参照するとき利用します。
人が亡くなると、市町村に提出された死亡届のデータは、自動的に税務署へ送られます。そこで、税務署はKSKシステムを使って過去の申告データ(所得税、固定資産税など)に照合します。
また、税務署は納税者の不動産情報や所得情報を把握しています。
故人のうち収入が多かった人や不動産所得のあった人などの相続人へ相続税の申告案内を出します。そのうちのひとつが「相続税についてのお願い」です。
このシステムは税務調査でも活用されています。
例えば相続人からの相続税申告を査定するとき、被相続人の収入や資産と比較して明らかに相続税額が低い場合は、税務調査の対象となるからです。
KSKシステム活用のメリットは?
税務署にとっては
- 相続税に関する情報照会が早い
- 相続税納税対象者を絞り込むことができる
などのメリットがありますが、納税者にももちろん、
- 「相続税についてのお願い」が把握していない財産を認識する一助になる
- 過去の納税記録への照会、証明書の発行などがスムーズに行われる
のメリットがあります。
「相続税についてのお知らせ」と「相続税の申告等についてのご案内」は何が違うの?
「相続税についてのお知らせ」も「相続税の申告等についてのご案内」も、いずれも相続税がかかりそうな人を対象にしてはいるものの、「相続税についてのお知らせ」は緊迫度が低く、相続税の意義などを周知する程度の意味であるのに対し、「相続税の申告等についてのご案内」は相続税がかかる可能性がより高いと判断された人に送付されます。
「相続税の申告等についてのご案内」は、大きいサイズの封筒に「相続税のあらまし」「申告要否検討表」「チェックシート」などの書類が入っており、相続税がかかるかどうかを確認して提出するよう求める内容となっています。
「相続税申告等についてのご案内」が届いた後の流れ
「相続税の申告等についてのご案内」が届いたら、相続税がかかる可能性が高いことは明らかです。この時点で相続の開始から6ヵ月ほどが経っています。
相続税の申告・納付まで残すところ4ヵ月しかありませんので、落ち着いて次の手順で相続税申告義務の有無の確認、納税を進めましょう。
相続税申告で損しない方法
相続税申告書の作成依頼は、必ず「相続税専門の税理士」に依頼しなければいけないというわけではありません。
しかし、相続税申告時の税理士選びは慎重に行うべきです。
当事務所が、他の税理士が作成した相続税申告書を見直した結果、84%の申告書に相続税の過払いがありました。(2021年11月時点)
セカンドオピニオンとして相続税申告書を見直し、取り戻してきた相続税は151億円にも上ります。
相続税申告は、「適切な土地評価や特例」を使わなければ大きく損することとなります。
税務署は、相続税を多く払いすぎていても連絡はしてきません。
最初から、当事務所に申告書の作成依頼をすれば、こんなに損をしなかったというお客様を沢山見てきました。
相続税申告書の作成をまだ依頼していない方は、一度当事務所にご相談下さい。
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また、すでに相続税申告が済んでいる方でも、
- 土地を相続した方
- 相続税を500万円以上払っている方
- 相続開始から、5年10ヶ月以内の方
上記の事項すべてに当てはまる方には、相続税を取り戻せる可能性があります。
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「相続税の申告等についてのご案内」は、必ず回答しないといけない?
税務署は、「相続税の申告等についてのご案内」を送付する時点では正確な財産状況や財産額を把握していません。
そのため相続税の申告が必要かどうかは、相続財産額を計算してみて判断することになります。
ここで言う相続財産とは、相続した現預金をはじめ、不動産(土地建物等)、有価証券(上場株式や投資信託等)に加え、保険金や退職金も含まれることになります。
「相続税の申告等についてのご案内」は、回答しなければならないという法的な義務はありません。
しかし税務署からすれば、送付した書類について回答がないと、「脱税しているのでは?」と疑うことになりかねません。
したがって、無回答や無反応は脱税を想起させるきっかけにもなるため、速やかに回答することをおすすめします。
回答を無視し、そのまま相続税申告も行わなければ、のちのち税務調査が入る可能性があります。税務調査は脱税を決して見逃しません。
その結果、相続税本税に加え、ペナルティとして無申告加算税や延滞税、重加算税がかかる可能性があります。
まとめ
「相続税についてのお知らせ」と「相続税の申告等についてのご案内」は、相続が開始してから半年ほど経った頃、相続が発生する可能性の高い相続人に対し、税務署が送付します。
相続税の申告期限は相続開始から10ヵ月以内であるため、申告期限まで残り3〜4ヵ月の時期です。
相続税の申告書の作成は相続人の確定作業や資料集め、相続財産の洗い出し、財産の評価など、多くの手順があります。申告書を完成させるためには、残りの4ヵ月で効率よく手続きを進めないと間に合わなくなる可能性も出てきます。
税理士事務所の多くは相続税申告の依頼が申告期限の3ヵ月前から特急料金等がかかる仕組みをとっています。
まだ税理士に依頼していないのであれば、できるだけ早く見積もりをとったほうが良いと言えます。
早めに税理士に依頼すれば、費用を抑えられる可能性も高くなります。
10人中8人の相続税申告で知識不足による払い過ぎがあります。
5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生します。
相続税額と税務調査率は税理士により大きく変わります。ご自身で申告することを検討している方も、知り合いの税理士に依頼を検討している方も、必ず最初に経験と実績のある相続税専門の税理士に適正な判断を仰いでください。
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