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相続発生後、銀行口座が凍結された!解除に必要な書類や手続きなど

2019年04月25日

被相続人が死亡したことが銀行に伝わると、その人の名義の銀行口座は凍結されます。そして、以後、凍結解除の手続きが終了するまでは現金を下ろすことはもちろん、引き落としや振込なども一切できなくなります。
死亡届を提出した瞬間に銀行口座が凍結すると思っている方もいますが、これは間違いです。誰かが亡くなったということは個人情報なので、死亡届を受理した役所が銀行等に知らせることはありません。

どのタイミングで凍結されるのか?

実際に銀行口座が凍結されるのは、相続人の誰かが銀行に申請をした後ということになります。自分は何もしていないのに凍結されたという場合、他の相続人が銀行へ問い合わせをしたというケースが考えられます。
もし仮に、葬儀費用などを故人の口座から支払いたいと言うのであれば、亡くなった後すぐに引き出す必要がありますが、すぐに準備ができない場合もあります。すぐに必要となる費用ついてあらかじめ自分たちで支払えるように準備しておくもの、と考えましょう。

なぜ凍結されるのか?

銀行口座に残っている預貯金は相続財産であり、相続税の課税対象となります。被相続人が亡くなった後、自由に引き出せてしまうと、相続財産の線引きが不透明になってしまいます。また最悪の場合、相続人の誰かが、お金を引き出して持ち逃げしてしまう危険性も出てきます。

こうした事態を防ぐために、相続内容(=遺産分割協議の内容)が決定するまでは、その口座における一切の取引を停止しておく必要があるのです。そのため、たとえ通帳やキャッシュカードがあり、暗証番号がわかっていたとしても、口座の凍結以後はそこから現金を下ろすことはできなくなります。

凍結解除に必要な手続き書類

口座の凍結を解除するためにはいくつかの書類提出が必要となります。
また、それらの書類は、遺産分割(遺言書 or 遺産分割協議 or 法定相続分)の方法によって異なる上に、各銀行によっても微妙に異なることがあります。
以下では基本的な必要書類を記載しますが、銀行毎の詳細な必要書類については、各銀行のHPをご確認下さい。

被相続人関係のもの

被相続人関係では、以下のものが必要になります。

出生から死亡までの戸籍謄本
死亡が確認できる書類(住民票の除票,死亡診断書など)
通帳、キャッシュカードなど

戸籍謄本は、被相続人の本籍地の役所で入手できます。手数料は450円です。また、戸籍は出生から死亡までのものを全て集める必要があり、結婚や引っ越しなどで転籍を繰り返し、戸籍が複数になっている場合は、一番新しい戸籍から古い本籍地を読みとり、遡っていくことが必要になります。

死亡が確認できる書類については、住民票の除票を取得します。住民票の除票とは、引っ越しや死亡が原因で、もうその住所には存在しない人の「かつての住民票」のことです。尚、住民票の除票は、死亡届を提出してから1週間ほど時間がかかるため、それまでに死亡確認書類を提出する場合は、死亡診断書などを提出しましょう。

相続人関係のもの

相続人関係では、概ね以下の書類が必要になります。

相続人全員の現在の戸籍謄本
相続人全員の印鑑証明書

戸籍謄本はその人の本籍地の役所で入手します。1つの戸籍謄本に、家族(相続人)全員の記載がある場合は1通で構いません。相続人の誰かが結婚などで別の戸籍に写っているときは、それを集める必要があります。

印鑑証明書は、それぞれの住民票がある役所で入手できますが、印鑑登録をしていない場合は、そもそも印鑑証明書を取得できます。相続人の中で印鑑証明をしていない人がいれば速やかに手続きを進めましょう。

分割方法のよって異なるもの

遺言書 or 遺産分割協議書

上記については「何をもとに遺産分割を行うか」つまり分割方法によって異なります。
当たり前と言えばそうですが、遺言書によって遺産を分割する際には、遺言書が必要です。遺言書が無い、もしくはあっても相続人間で不満などがある場合は、遺産分割協議によって遺産分割することになりますが、その際に作成する遺産分割協議書が必要になります。

各銀行の必要書類について

以下、各銀行で必要になる書類に関する記載があるページをご紹介します。

メガバンクの場合

三菱東京UFJ銀行
三井住友銀行
みずほ銀行
りそな銀行
ゆうちょ銀行

ネットバンクの場合

ネットバンキングも、店舗を構えた銀行と同じく、被相続人(預金者)の死亡がわかった時点で口座が凍結されます。ネットバンキングの場合、窓口がカスタマーサポートになるので、まずはそこに電話をかけましょう。

必要書類は店舗型の銀行とおおむね変わりません。
ただし、細かい書類や手続きの手順などは銀行によって異なります。また、顔が見えない分セキュリティがより厳重になり、手続きの手順も煩雑になる傾向があります。
たとえば、店舗型の場合、書類に不備がなければ一度の書類提出で済むことがほとんどです。
一方、ネットバンキングの場合、まず申請した人の本人確認書類を提出し、それを銀行が確認。その後、届いた申請書類と必要書類を送付する、といったように、何度かやりとりが必要になります。当然、その分凍結解除までの時間もかかります。

生前に実施しておくべき3つのこと

銀行の凍結解除は簡単に行えるものではなく、様々な証明書類が必要になったり、窓口まで足を運んだりと大変です。
最後に生前に準備をしておくことで、いざという時の負担が軽くなるような、必要事項を記載します。

利用している銀行を把握しておく

まずは被相続人が利用している銀行をすべて把握しておきましょう。メインバンクは知っていても、利用の少ない口座やネットバンキングなどは見落としがちです。特にネットバンキングは、通帳も郵送物もない場合が少なくないので、被相続人が亡くなった後に確認するのは簡単ではありません。

また、相続が終わったあとに未知の口座が出てくると、遺産分割をやり直さなければいけないこともあります。こうした事態を避けるためにも、たとえ少額の口座であっても漏らさず把握しておきましょう。

通帳や印鑑の保管場所を把握しておく

預金を引き出すには、その口座の通帳やキャッシュカードが必要になります。また、登録している印鑑を求められることもあります。金庫などに保管してある場合もその金庫の暗証番号や鍵の在りかなども知っておきましょう。

被相続人としっかりと相談しておく

銀行口座や通帳などの保管場所については、たとえ家族であっても簡単に教えられるものではありません。ですから、日ごろから被相続人と相続人の間で密にコミュニケーションをとり、信頼関係を築いておくことが必須になります。離れて暮らしている場合は、定期的に訪問したり電話をしたりするなどして、相談する機会を設けましょう。

まとめ

銀行口座の凍結を解除するには、煩雑な手続きが必要です。ただし、遺言書がある場合、必要書類が少なくなる場合があります。
銀行などによって細かい手続きは異なるので、まずは窓口やカスタマーサポートに問い合わせをしてから手続きを進めていきましょう。

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岡野 雄志

相続税専門の税理士。
早稲田大学商学部卒業。
2005年に神奈川県の横浜市に事務所を開設して以来、相続税の関連案件を1000件以上手がけてきた。 特に土地の評価を得意とし、相続税還付の実績は業界でもトップクラス。 相続税に関する書籍の執筆にも力を入れているほか、各種メディアからの取材実績も多数。

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