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2019年03月12日

預貯金の払戻し制度の新設 – 平成31年の相続法改正を解説

相続法改正の解説シリーズ第三回目の本日は、預貯金の払戻し制度の新設について解説します。

預貯金の払戻し制度の新設

ポイント

預貯金が遺産分割の対象となる場合に、各相続人は、遺産分割が終わる前でも、一定の範囲で預貯金の払戻しを受けることができるようになります。
※2019年7月1日(月)施行

現行制度

遺産分割が終了するまでの間は、相続人単独では預貯金債権の払戻しができない。

平成28年12月19日最高裁大法廷決定により、
相続された預貯金債権は遺産分割の対象財産に含まれることとなり、
共同相続人による単独の払戻しができない こととされた。

遺産分割が終了するまでの間は、相続人単独では預貯金債権の払戻しができない現行制度

生活費や葬儀費用の支払、相続責務の弁済などの資金需要がある場合にも、遺産分割が終了するまでの間は、被相続人の預金の払戻しができない。

改正によるメリット

遺産分割における公平性を図りつつ、相続の資金需要に対応できるよう、預貯金の払戻し制度を設ける。
(1)預貯金債権の一定割合(金額による上限あり)については、家庭裁判所の判断を経なくても金融機関の窓口における支払いを受けられるようにする。
(2)預貯金債権に限り、家庭裁判所の仮分割の仮処分の要件を緩和する。

遺産分割における公平性を図りつつ、相続の資金需要に対応できるよう、預貯金の払戻し制度を設けた改正現行制度

(1)家庭裁判所の判断を経ずに払戻しが受けられる制度の新設
遺産に属する預貯金債権のうち、一定額については、単独での払い戻しを認めるようにする。

(相続開始時の預貯金債権の額(口座基準))×1/3(当該払戻しを行う共同相続人の法定相続分)=単独で払戻しをすることができる額

(例)預金600万円 → 長男100万円払戻し可

※ただし、1つの金融機関から払戻しが受けられるのは150万円まで。

(2)保全処分の要件緩和
仮払いの必要性があると認められる場合には、ほかの共同相続人の利益を害さない限り、家庭裁判所の判断で仮払いが認められるようにする。(家事事件手続法の改正)

相続法の見直しの経緯

2018年(平成30年)7月に、相続法制の見直しを内容とする「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」と、法務局において遺言書を補完するサービスを行うこと等を内容とする「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立しました。

民法には、人が死亡した場合に、その人(被相続人)の財産がどのように継承されるかなどに関する基本的なルールが定められており、この部分は「相続法」などと呼ばれています。

この相続法については、1980年(昭和55年)に改正されて以来、大きな見直しがされてきませんでした。
一方、この間、我が国における平均寿命は延び、社会の高齢化が進展するなどの社会経済の変化が生じており、今回の改正では、このような変化に対応するために、相続法に関するルールを大きく見直しています。

具体的には、
(1)被相続人の死亡により残された配偶者の生活への配慮等の観点から、
1. 配偶者居住権の創設
2. 婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置

(2)遺言の利用を促進し、相続をめぐる紛争を防止する観点から、
1. 自筆証書遺言の方式緩和
2. 法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設(遺言書保管法)

(3)その他、預貯金の払戻し制度の創設、遺留分制度の見直し、特別の寄与の制度の創設などの改正を行っています。

次回は「自筆証書遺言の方式緩和」について解説します。ご期待ください。

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