親からもらう結婚や子育ての資金が非課税に。実はあまりメリットのない制度…?

2018年04月24日 [ ]

祖父母や両親の資産を早期に子や孫に移せる「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置(以下、結婚・子育て資金への非課税制度)」は、子供や孫の結婚・出産・育児を後押しする目的で、平成27年4月1日からスタートしました。
この「結婚・子育て資金への非課税制度」は、平成25年4月にスタートしていた「教育資金の非課税制度」の人気を受けて設置されました。

ただし、似たような制度である「教育資金」と比べると、「結婚・子育て」の方の効果は非常に限られており、ほぼメリットの無い制度ともいえるため、注意が必要です。

結婚資金の場合は相続税対策としてのメリットがほぼない

平成27年4月1日、両親や祖父母から子や孫への金銭贈与のうち、結婚・子育て資金に充てるための贈与については一部非課税となる「結婚・子育て資金への非課税制度」が発足しました。この制度は平成31年3月31日までの期間限定で設置されますが、反響によっては延長される可能性もあります。

非課税制度の概要

この制度の非課税枠は受贈者一人につき1,000万円(結婚資金の場合は300万円)となっており、また受贈者の要件は20歳以上50歳未満です。
非課税の対象となる支出には、たとえば以下のようなものがあります。

対象となる支出
結婚式費用、結婚に伴う引越し費用、新居の家賃、出産費用、不妊治療費用、子どもの治療費、保育費用、ベビーシッター代など

なお、婚活の費用や、新居の家具や家電、ベビー用品等の購入費は対象外です。

この制度を利用するためには、平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に金融機関に申し込んで専用の口座を開設する必要があります。結婚・子育て資金に充てた領収書等を金融機関に提出する必要があります。
おおまかな制度の利用方法は「教育資金」と同じです(下図参照)。

結婚・子育て資金の非課税制度のしくみ

結婚・子育て資金の非課税制度のしくみ

贈与税がかかる場合もある

結婚資金等の非課税制度が終了するのは以下の場合です。

①贈与者が死亡
②受贈者が50歳に達した
③贈与された財産がなくなり終了の合意

①の場合は残額があっても贈与税はかかりません。使い切れなかった残額は、受贈者(贈与してもらった人の事)の相続財産になります。つまり、相続税がかかります。
なお、残額に対応する相続税額には2割加算がされないことになっています。
②、及び③の場合には、残額にたいして贈与税がかかります。

たとえ一括で贈与できたとしても、使い切れなかったり受贈者が50歳に達した場合には贈与税がかかりますし、贈与者が亡くなった場合には相続税がかかります。
そもそも、必要な場合にその都度おこなう贈与はもともと非課税なので、リスクを冒してまで不便な制度を利用するメリットがあるのかははたして疑問です。
利用を考えている人は、一度税理士に相談すると良いでしょう。

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