「遺族年金の手続き」法律改正でどう変わる?にお答えします。

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「遺族年金の手続き」・遺族年金を受給する際の注意点。・遺族年金に期限はある?・遺族年金に相続税はかかる?

令和2(2020)年6月に年金制度改正法が公布され、政府の年金改革は着々と進んでいます。「改正のポイント」「遺族年金請求の注意点」「遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い」「父子家庭と寡婦年金」「請求期限」「相続税が課せられるケース」「手続き代行と費用相場」…など。遺族年金に関するよくあるご質問に、相続税の専門家がお答えします。

Q.1:2020年の年金制度改正のポイントは?

A.1:主なポイントは4つあります。

2020年5月29日に成立し、6月5日に公布された『年金制度改正法(年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律)』。主なポイントは、以下の4つとなります。

被用者保険の適用拡大

短時間労働者の適用が拡大されることとなりました。また、対象事業として、5人以上の個人事業所、弁護士事務所、税理士事務所等も追加されました。

在職中の年金受給の在り方の見直し

高齢者の就労継続を推進するため、在職中の老齢厚生年金受給者(65歳以上)の年金額を毎年定時に改定。また、支給停止が開始される賃金と年金の合計額の基準が、現行の28万円から47万円に引き上げられることとなりました。

受給開始時期の選択肢の拡大

現在60歳から70歳の間となっている年金の受給開始時期の選択肢が、60歳から75歳の間に拡大されます。

確定拠出年金の加入可能要件の見直し等

確定拠出年金の加入可能年齢を引き上げるとともに、受給開始時期等の選択肢が拡大されます。また、確定拠出年金における中小企業向け制度の対象範囲の拡大が図られます。

そのほか、「国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切り替え」「未婚のひとり親等を寡婦と同様に国民年金保険料の申請全額免除基準等に追加」「短期滞在の外国人に対する脱退一時金の支給上限年数を3年から5年に引き上げ」「年金生活者支援給付金制度における所得・世帯情報の照会の対象者の見直し」「児童扶養手当と障害年金の併給調整の見直し」などが進められることとなりました。

Q.2:遺族年金を受給する際の注意点は?

A.2:国民年金の繰り上げ請求で65歳まで受給不可に。

例えば、会社員である夫が亡くなった時、妻が国民年金と遺族年金を併せて受け取ることはできません。

※遺族共済年金は、平成27(2015)年10月に「遺族厚生年金」に一元化されました。

また、国民年金に加入していた個人事業主の夫が他界後、妻が受給できる寡婦年金についても、国民年金の繰り上げ請求時点で受け取ることができなくなります。
これらのデメリットもあるので、受給の際には注意が必要です。

Q.3:遺族基礎年金と遺族厚生年金どう違うの?

A.3:加入先が国民年金か、厚生年金かの違いです。

亡くなった方が「国民年金の被保険者」であった場合、遺族が受け取れるのが「遺族基礎年金」です。
一方、亡くなった方が「厚生年金の被保険者」であった場合、遺族が受け取れるのが「遺族厚生年金」です。

条件として、被保険者の受給資格期間が25年以上あることとなっています。
国民年金と厚生年金の両方の被保険者である場合、遺族は両方受け取れる可能性があります。

遺族基礎年金は、受給要件を満たしている場合、遺族である「子のある配偶者」または「子」が受け取ることができます。子とは、 18歳到達年度の末日(3月31日)までの間にある、または20歳未満で障害等級1級または2級の障害状態にあり、婚姻していないことが要件となります。

遺族厚生年金は、厚生年金加入者が死亡した場合、または厚生年金の加入中に初診日のある傷病で初診日から5年以内に死亡した場合、遺族に対して支給されます。遺族基礎年金の金額に加算され、「18歳未満の子がいない配偶者」「亡くなられた方によって生計を維持されていた遺族」にも支給されます。

Q.4:父子家庭でも遺族基礎年金は受給できる?

A.4:父子家庭も遺族基礎年金を受給できます。

平成26(2014)年4月より、父子家庭も遺族基礎年金を受給できるようになりました。

遺族年金を受給できる要件としては、以下の通りとなっています。

  • チェック国民年金被保険者が死亡した時
  • チェック老齢基礎年金の資格期間を満たした者が死亡した時
  • チェック死亡したその人の「配偶者」で18歳到達年度の末日(3月31日)までの子がいること

※ただし、夫が将来にわたって 850万円以上の年収が予想される場合は受給できません。

また、この改正により、夫が第3号被保険者であっても遺族基礎年金を受給できるようになりました。

一方、遺族厚生年金は、夫が亡くなった場合、妻が30歳未満で子がいれば終生受給できますが、子がいなければ夫の死亡時から5年間と期間が限定されています。
妻が亡くなった場合、夫は妻の死亡時に55歳以上でなければならず、夫が受給できるのは60歳からとなっています。

また、寡婦年金や中高齢寡婦加算は、妻が亡くなった夫は受け取れません。

最近では、夫婦共稼ぎの家庭も多く、夫であれ、妻であれ、配偶者のどちらかが亡くなることで家計が苦しくなる場合もあります。今後、法改正によって年金制度も男女格差が撤廃されることを願いたいものです。

Q.5:遺族年金の手続きを忘れたら、期限はある?

A.5:被保険者が亡くなった日の翌日から5年間です。

支給事由が生じた日(被保険者である配偶者が亡くなった日)の翌日から5年間で時効となります。
ですから、5年間を超過すると、申請しても遺族年金を受給する権利が消滅してしまいます。

ただし、やむを得ない事情で期間内に申請できなかった場合、その理由によっては時効を撤回する申し立てもできます。

■遺族基礎年金の請求に必要な書類

必要書類 備考
年金手帳 提出できない時は、その理由書が必要
戸籍謄本
(記載事項証明書)
死亡者との続柄および請求者の氏名・生年月日の確認
受給権発生日以降で提出日から6ヶ月以内に交付されたもの
世帯全員の住民票の写し
(マイナンバー記入により添付を省略できます。)
死亡者との生計維持関係確認のため
死亡者の住民票の除票
(マイナンバー記入により添付を省略できます。)
世帯全員の住民票の写しに含まれている場合は不要
請求者の収入が確認できる書類
(マイナンバー記入により添付を省略できます。)
生計維持認定のため
所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票 等
子の収入が確認できる書類
(マイナンバー記入により添付を省略できます。)
義務教育終了前は不要
高等学校等在学中の場合は在学証明書または学生証 等
市区町村長に提出した死亡診断書(死体検案書等)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書 死亡の事実(原因)および死亡年月日確認のため
受取先金融機関の通帳等(本人名義) カナ氏名、金融機関名、支店番号、口座番号が記載された部分を含む預金通帳またはキャッシュカード(写しも可)等
※請求書に金融機関の証明を受けた場合は添付不要。また、インターネット銀行での年金の受け取りについては、日本年金機構「年金Q&A インターネット銀行で年金の受け取りはできますか。」をご参照ください。
印鑑 認印可

請求書の提出先は、住所地の市区町村役場の窓口となります(死亡日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は、お近くの年金事務所または街角の年金相談センター)。請求書は、市区町村役場の窓口またはお近くの年金事務所または街角の年金相談センターの窓口に備え付けてあります。
※死亡の原因が第三者行為の場合、その他により必要書類は異なりますので、詳しくは日本年金機構『遺族基礎年金を受けられるとき』をご覧ください。

■遺族厚生年金の請求に必要な書類

請求書の提出先は、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターとなり、同所に請求書も備え付けてあります。

必要書類 備考
年金手帳 提出できないときは、その理由書が必要
戸籍謄本(記載事項証明書) 死亡者との続柄および請求者の氏名・生年月日の確認
受給権発生日以降で提出日から6ヶ月以内に交付されたもの
世帯全員の住民票の写し
(マイナンバー記入により添付を省略できます。)
死亡者との生計維持関係確認のため
死亡者の住民票の除票
(マイナンバー記入により添付を省略できます。)
世帯全員の住民票の写しに含まれている場合は不要
請求者の収入が確認できる書類
(マイナンバー記入により添付を省略できます。)
生計維持認定のため
所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票 等
子の収入が確認できる書類
(マイナンバー記入により添付を省略できます。)
義務教育終了前は不要
高等学校等在学中の場合は在学証明書または学生証 等
市区町村長に提出した死亡診断書(死体検案書等)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書 死亡の事実(原因)および死亡年月日確認のため
受取先金融機関の通帳等(本人名義) カナ氏名、金融機関名、支店番号、口座番号が記載された部分を含む預金通帳またはキャッシュカード(写しも可)等
※請求書に金融機関の証明を受けた場合は添付不要。また、インターネット銀行での年金の受け取りについては、日本年金機構「年金Q&A インターネット銀行で年金の受け取りはできますか。」をご参照ください。
印鑑 認印可

※死亡の原因が第三者行為の場合、その他により必要書類は異なりますので、詳しくは日本年金機構『遺族厚生年金を受けられるとき』をご覧ください。

Q.6:遺族年金に相続税はかかる?

A.6:課税対象となるケースが主に2つあります。

遺族年金は相続税の課税対象ではありませんが、以下のような年金受給のケースについては課税の対象になりますので、注意が必要です。

  • チェック在職中に死亡し、死亡退職となったため、会社の規約等に基づき、会社が運営を委託していた機関から遺族の方などに退職金として支払われることになった年金。死亡した人の退職手当金等として相続税の対象となります。
  • チェック保険料負担者・被保険者であり、かつ年金受取人が同一人の個人年金保険契約で、その年金支払保証期間内にその人が死亡したために、遺族の方などが残りの期間について年金を受け取ることになった場合。死亡した人から年金受給権を相続または遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。

Q.7:遺族年金の手続き代行は頼める?費用相場は?

A.7:ご本人の委任状があれば代理申請は可能です。

受取人がご高齢であったり、入院中だったりと、様々なご事情で遺族年金の請求手続きを行うことが困難な場合もあるでしょう。
請求者ご本人の委任状があれば、ご家族や士業の専門家でも代理申請が可能です。

ただし、委任者ご自身の基礎年金番号が必要となります。
基礎年金番号の記載(もしくは番号のわかる書類等の持参)がない場合、代理請求手続きではなく、年金制度や手続方法などについての一般的な相談となってしまいます。

委任状は、日本年金機構の「年金相談を委任するとき」からダウンロードできます。

また、遺族年金の請求手続きに必要な書類の一覧(PDF)は、日本年金機構の以下のURLからダウンロードできます。

遺族年金の請求手続きをされる方へ

当税理士法人では、相続税申告のご相談・お見積は無料で承っておりますので、相続税や課税対象になる年金についてわからないことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
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  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
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    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

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