相続人に朗報!「生命保険協会の一括照会」が7月スタート

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生命保険協会の一括照会

親が他界して相続が発生すると、遺産分割や相続税申告に先立って、親の全財産を把握する必要があります。ところが、亡くなった親が生命保険に入っていたかどうかがわからなくて……。こんな時のために、一般社団法人 生命保険協会(以下、生命保険協会)による「生命保険契約照会制度」が創設され、令和3(2021)年7月1日から利用できるようになりました。

「生命保険契約照会制度」とは

被相続人(財産を残して亡くなった方)が保険に入っていたかどうかわからない場合、これまでなら、確かめるには以下のような方法しかありませんでした。

  • レ点「保険証券」「ご契約内容のお知らせ」「生命保険料控除証明書」などの書類がないか探す。
  • レ点預金通帳や会社の給与明細などから保険料が引かれていないかチェックする。
  • レ点心当たりの保険会社に片っ端から問い合わせてみる。
  • レ点弁護士に費用を払って調査してもらう(弁護士会照会※)。

※弁護士法第23条の2に定められた「報告の請求」による。

被相続人が遺言書や財産目録に保険のことも記してくれていれば良いのですが、そうでない場合、相続人は苦労することになります。

また、今後、社会の超高齢化が進めば、一人暮らしや認知症を発症する高齢者も増える傾向にあります。そうなると、ご本人ですら加入している保険や満期日のことがわからなくなる可能性も出てくるでしょう。家族や親族が保険の存在を知らないまま、あの世へ旅立たれてしまうということもあり得ます。

内閣府『令和2年版高齢社会白書』によると、日本の65歳以上人口に占める一人暮らしの人数は、昭和55(1980)年で約88万人(男性約19万人/女性約69万人)。それが、平成27(2015)年には約592万人(男性約192万人/女性約400万人)へと膨れ上がっています。令和22(2040)年には約896万人(男性約356万人/女性約540万人)に達し、全体の約24%(ほぼ4人に1人)を占めるだろうと予測されます。

65歳以上の認知症高齢者数に関しては、平成24(2012)年に約462万人(ほぼ7人に1人)だったのが、令和7(2025)年には約1,405万人(ほぼ5人に1人)になるであろうと推計されています(参考:内閣府『平成29年版高齢社会白書』)。

そこで、生命保険協会が保険金請求のためのセーフティネットとして創設したのが、「生命保険契約照会制度」です。生命保険協会はこれまでも災害被災者のための「災害地域生保契約照会制度」を設けていましたが、災害時に限らず、平時においても確実に保険金請求できるためのシステムとして「生命保険契約照会制度」に一本化されました。

「生命保険契約照会制度」による生命保険契約の照会方法

「生命保険契約照会制度」が利用できるケースは、照会対象者の「平時の死亡」「認知判断能力の低下」「災害時の死亡もしくは行方不明(家屋等の流失・焼失等により生命保険契約の存在が不明な場合も含む)」となります。

なお、制度が利用できる照会者は、以下のようにケースによって異なります。

「平時の死亡」

  • 照会対象者の法定相続人
  • 照会対象者の法定相続人の法定代理人または任意代理人(※)
  • 照会対象者の遺言執行人

※弁護士、司法書士、その他照会対象者の財産管理を適切に行うために照会対象者にかかる生命保険契約の有無を照会するにふさわしいと生命保険協会が認めた者。

「認知判断能力の低下」

  • 照会対象者の法定代理人(成年後見制度を利用している場合)
  • 照会対象者の任意代理人(任意後見制度を利用している場合)
  • 照会対象者の任意代理人(上記以外、※1、※2)
  • 照会対象者の3親等以内の親族(およびその任意代理人)

※1法定代理人または任意後見制度に基づく任意代理人が選任されている場合には、それ以外の任意代理人からの照会申出は受付不可。

※2 任意代理人の範囲は、弁護士、司法書士、その他照会対象者の財産管理を適切に行うために照会対象者にかかる生命保険契約の有無を照会するにふさわしいと生命保険協会が認めた者。

「災害時の死亡もしくは行方不明」

原則として、照会対象者(被災された方)の家族(配偶者、親、子、兄弟姉妹)。
生命保険協会への照会の手順は、オンラインと郵送で以下のように異なります。

《オンラインの場合》

  1. 生命保険協会の「生命保険契約照会制度のご案内」にアクセス。
  2. 「平時の死亡」の場合は【平時】死亡ページ、「認知判断能力の低下」の場合は【平時】認知判断能力の低下ページの該当項目から「WEBによる申し込み」へ移動し、「WEB申請フォーム」をクリック。新規ユーザ登録をしてから、「WEB申請フォーム」に必要事項を記入して送信。「災害時の死亡もしくは行方不明」の場合は【災害時】死亡もしくは行方不明のページにアクセスし、フリーダイヤル0120-001-731(受付時間:月~金曜日〔祝日・年末年始を除く〕9:00~17:00)で生命保険相談所に連絡。
  3. 生命保険協会から申請にあたって必要な提出書類が届いたら必要書類を添付・記入の上、生命保険協会に返送。
  4. 生命保険協会が生命保険各社(全42社)に照会対象者の保険加入の有無を確認し、取りまとめた結果を照会者へ回答。

《郵送の場合》

  1. 生命保険相談所に電話03-3286-2648(受付時間:月~金曜日〔祝日・年末年始を除く〕9:00~17:00)で問い合わせ。「平時の死亡」「認知判断能力の低下」の場合は、生命保険契約照会制度(書面による申込み)のフォームに必要事項を記入し、WEB送信での申込みも可能。
  2. 生命保険協会から申請にあたって必要な提出書類が届いたら必要書類を添付・記入の上、生命保険協会に返送。
  3. 生命保険協会が生命保険各社(全42社)に照会対象者の保険加入の有無を確認し、取りまとめた結果を照会者へ回答。

◎照会費用:照会1回につき税込3,000 円(「災害時の死亡もしくは行方不明」の場合は無料)。支払い方法はクレジットカード払いまたはコンビニ払いとなり、契約照会制度事務局による照会内容の確認後、別途、支払い方法の連絡が来る。
なお、生命保険協会による「生命保険契約照会制度」は、照会対象者の保険加入の有無のみです。加入している保険がわかり、死亡保険金などを受け取る場合は、加入している各保険会社に確認し、手続きを行う必要があります。

相続時の保険金受取の手続きについて

被相続人が被保険者で且つ保険料の負担者、受取人が法定相続人の場合、相続税の課税対象となり、非課税枠が適用できます。つまり、被相続人が残した遺産に死亡保険金が含まれるか、含まれないかによって、相続税が課税される遺産額も異なってくるのです。

なお、被保険者、保険料の負担者、受取人が誰かによって、課税される税種も違ってきます。

◆被保険者、保険料の負担者、受取人の違いによる課税の種類については、『相続で「生命保険の非課税枠」が使えない?受取人と負担者、被保険者』のコラムもご参照ください。

さて、死亡保険金の請求ですが、保険会社によって手続き方法は異なります。ただし、一般的な手続きの流れは以下のようになります。

  1. 保険会社に「証券番号」「被保険者氏名」「死亡日・死亡原因(場合によっては死亡前の入院や手術歴も)」「保険金受取人の氏名・連絡先・被保険者との関係」「連絡者の氏名・連絡先・被保険者との関係」などを連絡。わからない場合は、まず「生命保険契約照会制度」を利用して保険加入有と判明した旨を伝え、保険会社に手続き方法を問い合わせる。
  2. 保険会社指定の請求書が届いたら(保険会社によってはWEBサイトでダウンロード可能)必要事項を記入し、「医師による死亡診断書(または死体検案書)」「本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証・健康保険証・パスポートなどのコピー)」等を保険会社に提出。
  3. 保険会社の審査が通れば、請求から1週間程度で保険金が支払われる。

◆ダイヤモンド・オンライン連載中の記事でも、『「相続税の非課税枠」が使える生命保険とは、税制改正の動向にも注目』にて相続税と生命保険について解説しております。ご一読いただければ幸いです。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
    そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

    当税理士法人は、国内トップクラスの相続税の還付実績で培った知識と経験から、1つ1つの土地に適した評価を早く正確に行います。
    こうした適正な土地評価が、大きな相続税の節税につながります。

    今後の相続に備えたい方、相続が発生した方は、遠慮なく当税理士法人にご相談ください。
    初回の面談相談(約1時間)を無料にて実施しております。オンラインに対応しているので全国どこでも、海外からでもご相談、ご依頼いただけます。

    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

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