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【根抵当権付き不動産の相続】手続き方法や必要書類、費用を解説

最終更新日:
遺産相続、根抵当不動産イメージ画像

根抵当権付き不動産とは、担保する額の上限を超えない範囲で何度でも融資を受けることができる設定がされている不動産のことをいいます。相続時の財産に、根抵当権付きの不動産がある場合は、どのような相続手続きとなるのでしょうか?
今回は、根抵当権付きの不動産を相続することになったときの手続き方法や、必要書類、費用、注意点について解説していきます。

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根抵当権付きの不動産の相続とは?

根抵当権とは、担保する額の極度額を設定し、その上限を超えない範囲で何度でも融資を受けることができる権利のことをいいます。
また、根抵当権は民法398条の2の規定により、「一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する」とされているため、不特定の債権を対象として不動産に担保を設定することができます。
一方、抵当権とは、根抵当権とは反対に、特定の債権を対象として不動産に設定された担保権のことをいいます。

相続財産に根抵当権付きの不動産があったときは?

根抵当不動産イメージ
相続財産に根抵当権付きの不動産がある場合、まずは相続するかしないかを検討します。
相続放棄をする場合は、相続開始から3カ月以内に家庭裁判所に申述し、相続する場合は相続開始から6か月以内に登記手続きを行う必要があります。
根抵当権は相続開始から6ヶ月以内に登記を行わないと根抵当権の極度額の範囲で可能であった借入れと、返済を終了し終了した時点での借入金が確定し、根抵当権が通常の抵当権として扱われることとなり、以前のように繰り返し融資を受けることができなくなってしまうので注意が必要です。

相続後、定期的な資金調達の必要がないといった場合は、根抵当権を相続する特段のメリットはないので根抵当権の抹消手続きを行うといいでしょう。
ただし、根抵当権は借り入れた融資を完済していても、債権者や債務者の合意がなければ抹消することはできないので、抹消したい場合は債権者や債務者に連絡をとり、合意の上で手続きを進めることになります。
また、根抵当権付きの不動産を現金化したい場合も、抹消手続きを行うことになります。

メモ 使用されていない根抵当権があった場合はどうすればいい?

相続財産に使用されていない根抵当権付きの不動産があった場合は、相続するメリットがあるかどうかを検討しましょう。
相続後、事業等の継続のために今後定期的に資金調達が必要となる状況であれば、根抵当権付きの不動産をそのまま引き継ぐ(相続する)といいでしょう。一方、引き継ぐ(相続する)ことで特段のメリットがない状況であれば、根抵当権の抹消手続きを行うといいでしょう。

相続財産に根抵当権付きの不動産があった場合の相続手続の流れ

相続財産に根抵当権付きの不動産があった場合、相続手続きは以下の順で進めていきます。

  1. 債権者に連絡する
  2. 相続放棄を検討する(期限:相続開始から3カ月以内)
  3. 根抵当権を相続すると決めた場合は、相続登記手続きを行う(期限:相続開始から6か月以内)

1.債権者に連絡する

債権者となっているのは、一般的には金融機関です。
根抵当権付きの不動産を相続する場合や相続放棄する場合でも、手続きの際には債権者が発行した書類が必要となります。対象の金融機関に相続が開始された旨を伝え、必要となる書類の準備を依頼しましょう。

2.相続放棄を検討する(期限:相続開始から3カ月以内)

相続放棄は相続開始から3カ月以内に被相続人の住所を管轄する家庭裁判所で手続きを行わなければなりません。3カ月以内の手続きが難しい状況にある場合は、相続放棄の期間を延長する「期間伸長の申立て」を行いましょう。

3.相続する場合は、登記手続きを行う(期限:相続開始から6か月以内)

根抵当権付きの不動産を相続する場合は、相続開始から6か月以内に登記手続きを行いましょう。

根抵当権付きの不動産を相続する際は、以下3つの登記手続きを行うことになります。

  • ①所有権移転登記(相続登記)
  • ②根抵当権の債務者変更登記(相続人全員が対象)
  • ③指定債務者登記

所有権移転登記(相続登記)は、不動産の所有権が移ったときに不動産の所有者を示すために行う登記です。
根抵当権の債務者変更登記は、指定債務者として相続人の一人が選定されていたとしても、いったん相続人全員を債務者とする債務者変更登記をすることになります。
指定債務者登記は、「事業を引き継ぐことになる相続人を債務者にします」という指定債務者の登記です。

相続開始後も根抵当権の債務が残っていて、被相続人以外の者が債権を全額返済した場合は、まずは相続人への所有権移転登記を行い、その後相続人が根抵当権の抹消登記を行うことになります。
また、残債がある場合は、基本的には金融機関との交渉が成立しないため、抹消登記ができる可能性は低くなります。

根抵当権付き必要書類

根抵当必要書類イメージ画像
根抵当権付き不動産を相続する場合に必要となる手続きの、各手続で必要となる書類は以下の通りです。

所有権移転登記(相続登記)

所有権移転登記(相続登記)で必要となる書類は以下の通りです。

  • 登記事項証明書
  • 戸籍謄本(被相続人の出生から死亡まで)
  • 被相続人の住民票の除票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書
  • 相続関係説明図
  • 固定資産税評価証明書
  • 相続登記申請書
  • 委任状(司法書士などに依頼する場合)

根抵当権の債務者変更登記(相続人全員が対象)

根抵当権の債務者変更登記で必要となる書類は以下の通りです。

【債務者】

  • 権利証
  • 印鑑証明書
  • 資格証明書または会社謄本
  • 委任状(司法書士などに依頼する場合)

【根抵当権者(金融機関など)】

  • 変更契約書または登記原因証明情報
  • 資格証明書または会社謄本
  • 委任状(司法書士などに依頼する場合)

指定債務者登記

  • 登記申請書
  • 登記原因証明情報
  • 委任状(司法書士などに依頼する場合)
メモ 抹消登記には期限がある?

抹消登記に期限はありません。よって、いつでも抹消登記を行うことができます。
※根抵当権の登記手続き期限(6か月)と混同しないように注意しましょう。

抹消登記手続きの流れ・必要書類・費用

抹消登記手続きのおおまかな流れは、以下のとおりです。

  1. 債権者(金融機関など)から送付された必要書類を確認する
  2. 対象の不動産を管轄する法務局で抹消登記を申請する
  3. 抹消登記申請後7日~10日程で根抵当権抹消登記完了
メモ 抹消登記の申請は郵送でもできる?

抹消登記の申請は、郵送でもできます。申請書を郵送する場合は、申請書を入れた封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載し、書留郵便で送付しましょう。

抹消登記手続きの主な必要書類

抹消登記手続きの際に必要となる主な書類のほとんどは、金融機関から送付されてきます。
その他、司法書士などの専門家に手続きを代理してもらう場合は、委任状や本人確認書類が必要となります。

必要書類 備考
登記申請書
印鑑
法務局HPからダウンロードできます
登記申請書には押印欄があります(認印可)
登記原因証明情報
(金融機関から送付)
登記の原因となった事実または法律行為とこれにもとづき権利変動が生じたことを証明する書類です
根抵当権設定契約書
(金融機関から送付)
根抵当権設定時に作成したもの
会社法人等番号が記載されている書類
(金融機関から送付)
例:登記識別情報(登記済権利証)
不動産所有者の委任状
債権者の委任状
(金融機関から送付)
代理人が手続きを行う場合や、相続人の代表者が手続きを行う場合に必要です
本人確認書類 司法書士などの専門家に手続きを代行してもらう場合は、運転免許証などの本人を確認できる書類が必要です。

抹消登記手続き費用

抹消登記手続きの際にかかる費用は、不動産一筆につき、登録免許税1,000円です。

根抵当権付き不動産の相続費用のまとめ

〇根抵当権付きの不動産がある場合は相続手続の期限に注意が必要!
根抵当権付きの不動産がある場合、相続放棄を行うときは相続開始から3か月以内に家庭裁判所に申述し、根抵当権付きの不動産を引き継いでいくときは、相続開始から6か月以内に登記手続きを行う必要があります。
登記手続きに関しては、6か月を過ぎてしまうと、以前のように繰り返し融資を受けることができなくなります。
相続財産に根抵当権付きの不動産がある場合は、それぞれの手続き期限を十分に考慮しながら相続の熟考を進めましょう。

〇根抵当権付きの不動産の相続に関する判断や手続きは、専門家に相談・依頼が確実
根抵当権付きの不動産の相続に関する判断や手続きは、弁護士や司法書士に依頼した方が確実です。
根抵当権は利用方法よっては、大きなメリットとなります。一方、他の金融機関で新たにローンを組みたいと考えたとき、根抵当権の融資を受けている場合は、それを債務とみなされることもあるため、ローンの審査に通りにくくなるというデメリットもないわけではありません。
根抵当権付きの不動産の相続に関する判断は、その後の資金調達等に大きく影響するため、相続することのメリットデメリットをよく精査する必要があります。
ご自身では的確な判断が難しいといった場合は、弁護士や司法書士に相談してみることをおすすめします。

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この記事の監修者

岡野相続税理士法人
代表税理士 岡野 雄志

税理士・行政書士
早稲田大学商学部卒業

相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
全国各地の相続税申告・還付を累計4,902件(2024年1月末時点累計)以上手掛ける。
特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

相続税専門の岡野雄志税理士
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