【へそくりも相続税の対象】理由や贈与を活用して節税する方法

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へそくり

夫が死亡して相続税の申告をする際には、妻が貯めていたへそくりも夫の財産に含める必要があることを知っていますか?
今回は、夫の死亡時に妻が貯めていたへそくりを相続財産に含めなくてはならない理由や、相続税の申告をしなかった場合のリスクについて解説します。
あわせて、税金がかからない贈与方法をご紹介しますので最後までご確認ください。

へそくりとは

「へそくり」とは、人に知られずにこっそり貯めたお金のことをいいますが、一般的には“夫の稼ぎで生活費をやりくりしている妻が、そこから少しずつ内緒で貯めたお金”のことをいいます。

へそくりに相続税が課税される!?

税金イメージ
ところで、「内緒で貯めているお金にも税金がかかる」なんてお話しを聞いたことはありませんか?
この一部分だけ聞くと驚きますよね。
正しくは、「専業主婦が夫の稼ぎから内緒で貯めたお金は、夫の死亡時に夫の財産とされるため、相続税の課税対象となる」です。
つまり、専業主婦が夫の稼ぎから内緒でお金を貯めた場合は次のようなことがいえます。

  • 自分がお金のやりくりをして貯めたお金だとしても、自分の稼ぎではないお金は、自分の財産にはならない。
  • 夫の死亡時にはへそくりも夫の財産として申告する義務があり、そのへそくりは相続税の課税対象となる。

これを読んで、「こっそり貯めている意味がない…!」と思われた方もいるかもしれません。
次の項からは、なぜへそくりに相続税がかかるのか、相続税がかからないためにはどうすればいいのか、もしへそくりの存在を申告しなかった場合はどうなるのかを詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

なぜへそくりに相続税がかかるの?

相続が開始されるときはどんなときなのか

相続は、人の死亡によって自動的に開始されます。
つまり、人が亡くなると、その瞬間から財産をあげる人もらう人の意思とは関係なく相続はスタートするのです。
「うちは財産が少ないから関係ない」ということはなく、人が亡くなった際にはそのすべての人に対して相続が開始されるということです。

相続財産とされるのはどのようなものか

相続財産として引き継ぐものには以下のようなものがあります。

プラスの財産 不動産(土地・建物)
動産(美術品や自動車など)
現金・預貯金
有価証券
債権
借地権
知的財産権(特許権や著作権など)
マイナスの財産 借入金や買掛金(住宅ローンや未払いローンなど)
連帯債務・保障債務
損害賠償債務
税金(滞納している税金や未払いの固定資産税など)
その他(治療・入院費などの医療費未払い分やクレジットカードの未払い分など)

上の表を見て分かるように、相続財産の中に「現金・預貯金」がありますね。
へそくりは、相続財産である「現金・預貯金」に含まれるのです。

へそくりは共有財産ではないの?

共有財産とは、結婚期間中に増えた財産のことをいいます。
ならば、「へそくりは結婚期間中に増えた財産の中から貯めていたお金だし、共有財産になるわけで、夫の財産ではないのでは?」と思いますよね。

しかし、法律上は夫婦別財産を原則としているため、「夫が稼いだ財産は夫のもの」「妻が稼いだ財産は妻のもの」ということとなります。

そのため、結婚期間中に貯めたへそくりは共有財産ではありますが、そのお金の出どころが夫の稼ぎからであれば、相続時には夫の財産として申告する必要があります。ちなみに、離婚時の共有財産は夫婦で半分にして財産分与しますが、あくまでもそれは離婚時のことであって、相続では共有財産であってもそれが夫の稼いだお金であれば、夫の財産になります。

名義預金なら夫の財産にはならない?

相続では名義預金における妻名義の口座にある預貯金も、夫から入金されたお金であれば夫の財産になります。

名義預金とは、口座の名義人とその口座にお金を入金する人が異なることをいいます。
たとえば、妻名義の口座に夫が稼いだお金を入金するケースです。
この場合、夫の稼ぎであっても、妻名義の口座に入金されたお金なのだから夫の財産にはならないのでは?と思われがちですが、名義預金も相続の場合は、夫が稼いだお金は夫の財産となり、相続税の課税対象となるのです。

ポイント:夫が稼いだお金は夫の財産

これまでの解説で、夫が稼いだお金は夫の財産であり、夫の死亡時には妻が貯めたへそくりも相続税の課税対象となることが分かりました。
どんなに家計のやりくりをして貯めたへそくりでも、夫の稼ぎから貯めたものであれば、夫の財産として申告しなければなりません。

では、相続税が課税されないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
次の項で「相続税が課税されないケース」を解説します。

へそくりも、贈与を上手に活用して相続税を節税!

お金イメージ

贈与ってなに?

贈与とは、民法によると「当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」とされています。
簡単に言うと、贈与する人:「自分の財産をあげます」受け取る人:「もらいます」というやりとりがあって成立することです。
つまり、贈与はお互いの合意がないと成立しないということです。
そして、贈与されたものに課税されるのは贈与税であることを覚えておきましょう。

贈与の金額には上限はないの?

贈与の金額には上限はありませんが、当然贈与された分だけ贈与税が課税されることになります。
では、いくらまでなら贈与税が課税されないのでしょうか。

暦年贈与なら年間110万円までは非課税になる

贈与税は、1年ごとの贈与に対して課税されることになっています。
ただし、110万円の基礎控除が設けられているため、1年間に110万円までの贈与なら贈与税が課税されることはありません。このしくみを暦年贈与といいます。
逆に、1月1日から12月31日までの1年間にもらった贈与(財産)の合計額が、110万円の基礎控除額を超えてしまったときは、その超える部分に対して贈与税が課税されることになるのです。

この仕組みを活用すれば、夫が稼いだお金であっても税金が課税されることはありません。
毎年110万円以内に収まるように夫から妻へ贈与すれば、贈与税が課税されることはなく、さらに相続時には贈与された財産は妻のものとなっているため、夫の財産として相続税が課税されることもありません。

「こっそり貯める」といった本質からは少しずれてしまうかもしれませんが、へそくりの使い道が「いざというときの備え」であるならば、夫と財産の管理を共有して、暦年贈与を活用する方が損のないお金の貯め方になるのではないでしょうか。

へそくりがある場合の相続税の申告は正直に

もし、へそくりがある場合、夫の死亡時には夫の財産にへそくりを含めて、正しく相続税の申告をしなくてはなりません。

相続税の申告が必要になるのはどんなとき?

相続税の申告が必要になるのは、夫の相続財産の額(遺産総額)が相続税の基礎控除額を超えたときです。
相続税の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で求めます。
ただし、相続税にはさまざまな特例や控除があり、相続財産が基礎控除を超えた場合でも相続税の申告と納付をせずに済むケースもあります。

配偶者だけが利用できる相続税の非課税枠

相続税には、配偶者の税額軽減という配偶者だけが利用できる非課税枠があります。
配偶者の税額軽減の内容は以下のとおりです。

  • 配偶者が取得した相続財産の額が、1億6,000万円以下であれば相続税はかからない。
  • 配偶者が取得した相続財産の額が1億6,000万円を超えていたとしても、法定相続分以下であれば相続税がかからない。

つまり、配偶者であれば、相続した財産の額が1億6,000万円もしくは法定相続分のどちらか多い金額を超えなければ相続税を納めずに済むということです。
注意事項として、配偶者の税額軽減を利用した場合は、たとえ課税される相続税が0円になったとしても相続税の申告は必要です。

注意!子どもがいる場合、配偶者の税額軽減はよく考えて活用しましょう

配偶者の税額軽減を最大限に利用することで、夫の死亡時の一次相続では相続税の負担が少なく済みますが、配偶者が亡くなった際の二次相続では配偶者の税額軽減も使えず、法定相続人はさらにひとり減るわけですから、相続税の基礎控除額も減ってしまいます。
すなわち、二次相続では一時相続の財産+元々の配偶者の財産を子が相続することになり、相続税の負担が大きくなってしまう可能性も考えられます。
一次相続の際に配偶者の税額軽減を利用するときは、先々の税負担も考慮した上で遺産を分割することが税負担を減らす節税ポイントとなります。

もし、へそくりを相続税申告時に含めなかったら?

お金探すイメージ

もしへそくりを相続税申告しなかった場合はどうなるか

へそくりを夫の財産として申告しないのは脱税行為です。財産を隠蔽していたとして重加算税という非常に重い罰金が課せられる可能性があります。

税務署では、市町村などから得た情報をもとに、死亡した人に相続税が発生するかしないかを調査しています。
また、提出された申告書類も税務署の資産税課税部門により細かく精査されており、その内容が税務署の調査と違う場合には税務署から連絡が入ります。
へそくりがある場合、夫の死亡時にはへそくりの全額を夫の財産として正直に申告しましょう。

相続税の申告期限

これまでの解説で、相続税の申告の必要性が分かりましたが、さらに相続税には気をつけなくてはならないことがあります。
相続税の申告期限です。
相続税の申告期限は相続が開始されてから10カ月以内とされています。それ以上を超えた場合には延滞税が課せられます。

税理士の中でも相続税はとても複雑とされており、相続税について知識がない場合、10カ月の期限内に申告を済ませるのはとても困難なことです。
相続税のことでお困りのことがある場合は、少しでも早く相続税専門の税理士に相談しましょう。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
    そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

    当税理士法人は、国内トップクラスの相続税の還付実績で培った知識と経験から、1つ1つの土地に適した評価を早く正確に行います。
    こうした適正な土地評価が、大きな相続税の節税につながります。

    今後の相続に備えたい方、相続が発生した方は、遠慮なく当税理士法人にご相談ください。
    初回の面談相談(約1時間)を無料にて実施しております。オンラインに対応しているので全国どこでも、海外からでもご相談、ご依頼いただけます。

    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

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