令和6年版|相続税の重加算税とは?税率や計算方法について解説

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相続税重加算税

重加算税は、その字のごとく加算税のなかで最も重い加算税です。
意図的に税金逃れをするために、相続税申告において本来納める額よりも少なく申告したり、申告すべきところ無申告だった場合に、この重加算税が課せられます。

実際、追徴課税として重加算税を支払う場合、いったいいくら支払うことになるのでしょうか?この記事では、重加算税の税率や、計算方法などについて解説します。

相続税の重加算税とは?

二重帳簿の作成(仮装)や帳簿書類を破棄する(隠ぺい)などして、財産を隠ぺいしたり、わざと過少に申告したり、あるいは申告すらしないなど悪質とみなされた場合に課せられる最も重い加算税が「重加算税」です。脱税と判断されれば刑事罰を受けることになります。
犯罪
そもそも申告内容に誤りがあった場合には、納税者は修正申告を求められたり、更正処分を受けたりすることになりますが、この際、納めなければならない追徴課税は、「本税」「加算税」「延滞税」の3つを合計した金額を支払うことになります。

本税 申告から漏れてしまった相続税それ自体のことをいいます。
加算税 相続税の加算税には、「過少申告加算税」「無申告加算税」「重加算税」の3種類があります。
延滞税 決められた期限より遅れて税金を納付した場合に発生する付帯税です。税務調査で誤りを指摘されて修正申告する場合には、必ず本来の期限を過ぎているため、100%発生します。延滞税は、申告期限から最長1年、納付するまでカウントされるため、速やかに修正申告をして支払いを済ませる必要があります。

重加算税の税率は?

重加算税の税率は相続税の申告書を提出しているか無申告かによって異なります。

相続税の申告書を提出していたのに過少に申告していた場合には「重加算税(過少申告)」として原則35%、申告書が提出されていない無申告の場合は「重加算税(無申告)」として原則40%が徴収されます。

重加算税(過少申告) 原則35%
重加算税(無申告) 原則40%

重加算税の計算方法

重加算税が課せられた場合、いくら支払うことになるのか、ここではその支払い額の計算方法について見ていきます。

「重加算税(過少申告)」の場合、計算式は次のようになります。

本税(増差額)+重加算税=新たに納める税額
本税(増差額):本来払うべき税額-申告した税金
重加算税:増差額×35%
新たに納める税額:増差額+重加算税

重加算税が課せられた際の延滞税の取り扱い

延滞税は申告期限から最長1年、ただし重加算税の場合は1年が過ぎても延滞税がかかる

重加算税の場合、忘れていけないのが「延滞税」です。相続税の申告期限に納税が出来ていない場合は「延滞税」が課せられます。延滞税は通常申告期限から最長1年ですが、重加算税の場合は1年が過ぎても延滞税が発生します。

税務調査は申告期限から何年後かに行われることが多いため、申告期限まで遡って計算すると多額の延滞税が課せられてしまいます。そのため、申告期限から1年以上を経過した後に税務調査が入って修正申告や更正処分が行われた場合には、1年を過ぎた翌日以降の延滞税を控除する措置として「延滞税の計画期間の特例」が設けられていますが重加算税の場合は特例が適用されない為1年が過ぎても延滞税が発生するので注意が必要です。

なお、延滞税の税率は年度によって変動があり、令和6年度の税率は本来の納期限の翌日から2ヵ月以内であれば2.4%、2ヵ月以上過ぎると8.7%となります。

重加算税の具体的な計算

以上の点を踏まえて、重加算税を具体的に計算してみます。

申告書は提出したが、本来900万円払うべきであった税額を200万円しか申告していなかった場合の計算例

本税(増差額):700万円
重加算税:700万円×35%=245万円
新たに納める税額:700万円+245万円=945万円
<延滞日数が90日間だった場合>
令和三年度の延滞税は本来の納期限の翌日から2ヵ月以内であれば2.4%、2ヵ月以上過ぎると8.7%となるため、次のようになります。
納期限から2ヵ月以内:増差額×2.4%×61(日数)÷365
700万円×2.4%×61÷365=28,077円
納期限から2ヵ月以降:増差額×8.7%×29(日数)÷365
700万円×8.7%×29÷365=48,386円
延滞税は28,077円+48,386円=76,483円。100円未満は切り捨てなので、76,400円となります。
つまりこのケースでは、新たに納める税額945万円に、延滞税76,400円を足して、合計で952万6,400円を納めることになります。

申告書を提出せずに、本来900万円払うべきであった税額をそのままにしていた場合の計算例

本税(増差額):900万円
重加算税:900万円×40%=360万円
新たに納める税額:900万円+360万円=1,260万円
無申告重加算税にも「延滞税」が課せられる

相続税申告を行わなかった場合、本来申告すべき期限から修正申告するまでの期間分として「延滞税」が課せられます。

<同じく延滞日数が90日間だった場合>
納期限から2ヵ月以内:増差額×2.4%×61(日数)÷365
900万円×2.4%×61÷365=36,099円
納期限から2ヵ月以降:増差額×8.7%×29(日数)÷365
900万円×8.7%×29÷365=62,211円
延滞税は36,099円+62,211円=98,300円となります。100円未満は切り捨てなので、98,300円となります。

つまりこのケースでは、新たに納める税額1,260万円に、延滞税98,300円を足して、合計で1,269万8,300円を納めることになります。

重加算税の対象となる件数やその割合は?

意図的に税金逃れをしようと思っても、そのほとんどが税務調査によって、追徴課税を支払うことになります。そうしたなか、重加算税の対象となる件数や割合はどれくらいあるのか、国税庁のデータで見てみましょう。

重加算税の対象となった件数は1,043件。申告漏れとみなされた件数のうち、重加算税とされた割合は約15%です。
国税庁が発表しているデータによると、令和4年の相続税の税務調査(実地調査)の状況は次のようになります。

令和4年の税務調査(実地調査)件数は8,196件
税務調査の結果、申告漏れとみなされた件数は7,036件
そのうち、重加算税の対象となった件数は1,043件
つまり、申告漏れとみなされた件数のうち、重加算税が課せられた割合は約15%となります。
参考:国税庁HP「令和4事務年度における相続税の実地調査の状況」

税務調査を危惧するよりも、一刻も早く修正申告の提出を

税務署では独自のネットワークシステムをはじめ、さまざまな税務調査によって、国民の所得や財産をある程度把握しています。そのため、税金逃れをしようとしている人のところに、税務調査が入るのも時間の問題といえるかもしれません。

重加算税は税率が高い上に、延滞税も合わせて支払うことになります。税務調査を危惧しながら暮らすより、一刻も早く修正申告するようにしましょう。

また、なかには、相続財産を隠蔽したり仮装したりしたつもりはないのに重加算税が課せられてしまうケースもあります。こうしたケースでは、税務署の決定に対して不服を申し立てることができ、相続財産を隠蔽や仮装をしていないことが立証できれば決定を覆すことも不可能ではありません。

どちらの場合も、相続税に強い税理士に相談されることをお勧めいたします。

まとめ:重加算税は、最も重い加算税。一刻も早い修正申告の提出が必要

  • 重加算税は悪質とみなされた場合に課せられる最も重い加算税である
  • 重加算税(過少申告)の場合は原則35%、重加算税(無申告)の場合は原則40%が徴収される
  • 追徴課税は「本税」「加算税(重加算税)」「延滞税」の合計額を支払う
  • 延滞税には1年を過ぎた翌日以降の延滞税を控除する特例があるが、重加算税の場合には特例が適用されず、1年が過ぎても延滞税が発生する
  • 税務調査を危惧しながら暮らすより、一刻も早く修正申告の提出を

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
    そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

    当税理士法人は、国内トップクラスの相続税の還付実績で培った知識と経験から、1つ1つの土地に適した評価を早く正確に行います。
    こうした適正な土地評価が、大きな相続税の節税につながります。

    今後の相続に備えたい方、相続が発生した方は、遠慮なく当税理士法人にご相談ください。
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    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

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