夫婦間の居住用不動産の贈与は非課税。今後の相続を考えた選択がベスト

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相続税専門の税理士。創業16年で国内トップクラス1,690件の相続税の申告実績。103億円以上の相続税の減額・還付実績。
岡野雄志税理士
岡野雄志税理士

相続のとき、配偶者には1億6000万円の控除を受けることができます。しかし、配偶者は相続だけでなく贈与においても控除が適用されます。
それが「居住用不動産贈与時の配偶者控除の特例」と呼ばれる相続税対策です。その特例を適用することで、配偶者に居住用の不動産を贈与できます。

「居住用不動産贈与時の配偶者控除の特例」とは?

「居住用不動産贈与時の配偶者控除の特例」を使えば、夫婦間での居住用の不動産、もしくはその不動産の購入資金の贈与ができます。
とはいえ、この特例を適用するには下の条件を満たしていることが必要です。

夫婦の婚姻期間が20年以上
贈与財産が、国内の居住不動産または居住用不動産の取得資金であること
贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与された(または取得した)不動産に居住し、その後も居住する見込みであること
一定の書類を添付して贈与税の申告を行うこと

これらの条件を満たしていれば、2,000万円までの贈与税が免除されます。なお、この特例を使って同じ配偶者から何度も贈与を行うことはできず、1人の配偶者の一生につき一度と限られています。

特例で贈与された財産は相続財産に含まれない

この「居住用不動産贈与時の配偶者控除の特例」を適用するよるメリットは、贈与税の基礎控除(110万円)と併用することで2,110万円の控除になる点です。

また、配偶者に贈与した居住用の不動産やその取得資金は、相続財産としてカウントされません。そのうえ、相続開始から3年以内の贈与の加算対象にもならないため、相続税も課税されません。

贈与を受けた配偶者が亡くなった場合の相続に注意

贈与税の基礎控除と併用することで大幅な節税を期待できる「居住用不動産贈与時の配偶者控除の特例」。一見メリットのほうが大きいように思われますが、実のところ効果は期待できません。

メリットどおり、贈与した側(被相続人)が亡くなったとき、被相続人が配偶者に贈与した居住用の不動産やその取得資金は相続税に含まれません。
しかし、贈与を受けた配偶者が亡くなった場合、特例によって受けた贈与も財産に含まれるため、相続人に多額の相続税が課税される可能性があります。また、不動産の流通には大きなコストがかかります。不動産取得税や登録免許税、司法書士の指名料なども考慮に入れておくと良いでしょう。

特例を適用するときは今後の相続を視野に入れて

相続税対策のひとつとして配偶者への課税負担をおさえるための「居住用不動産贈与時の配偶者控除の特例」は、贈与を受けた配偶者にとっては相続税としてカウントされないメリットがあります。しかし、贈与を受けた配偶者が亡くなったとき、その相続人に多額の相続税が課税されるデメリットもあります。

近々発生する相続のみに目を向けるだけでなく、今後の相続や万が一のことを見据えたうえでこの特例を適用するのがベストでしょう。

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岡野 雄志

早稲田大学商学部卒業。
2005年に神奈川県横浜市の新横浜に事務所を開設して以来、相続税申告や相続税還付、相続税の税務調査、生前対策など、横浜に限らず全国各地の相続分野の案件を1690件以上手がけてきました。
特に土地の評価を得意とし、相続税還付の実績は業界でもトップクラス。相続税に関する書籍の執筆にも力を入れているほか、各種メディアからの取材実績も多数あります。

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