「資産家の相続税額」とは!安倍元総理の不動産相続は何が問題か

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安倍元総理の不動産相続は何が問題か

令和4(2022)年7月8日、安倍晋三元総理大臣が奈良市で参院選の応援演説中に銃撃され、お亡くなりになりました。日本において首相経験のある要人が狙撃され、死亡する事件は戦後初で、国内はもとより海外各国でも大きな衝撃を持って受け止められました。首相在任の通算日数が憲政史上最長を記録した、平成を代表する政治家の突然の訃報に心よりご冥福をお祈りします。

「物心ついてから首相は安倍晋三」という小中学生も

安倍晋三氏は、昭和29(1954)年9月21日、東京生まれ(本籍地は山口県)。当時、毎日新聞の記者だった父の安倍晋太郎氏は、のちに衆議院議員となり、農林大臣、内閣官房長官、通産大臣、外務大臣などを歴任。父方の祖父は衆議院議員の安倍寛氏、母方の祖父は第56・57代総理大臣の岸信介氏、大叔父は第61~63代総理大臣の佐藤栄作氏という、政治家一族に生まれ育ちました。

晋三氏自身も、神戸製鋼所に3年間勤務後、昭和57(1982)年に外務大臣就任中の父の秘書官を務めるようになり、政界へ踏み出します。秘書官時代の昭和62(1987)年、森永製菓社長・松崎昭雄氏の長女で、広告代理店・電通勤務の昭恵さんと結婚。媒酌人は第67代総理大臣・福田赳夫氏夫妻でした。

▼安倍晋三氏の政治家としての主な経歴

昭和57(1982)年 外務大臣秘書官
平成5(1993)年 衆議院議員初当選
平成15(2003)年 自由民主党幹事長
平成16(2004)年 自由民主党幹事長代理・党改革推進本部長
平成17(2005)年 内閣官房長官(第三次小泉改造内閣)
平成18(2006)年 第90代内閣総理大臣
平成24(2012)年 第96代内閣総理大臣
平成26(2014)年 第97代内閣総理大臣
平成29(2017)年 第98代内閣総理大臣

内閣総理大臣としての在職日数は通算3,188日と、歴代で最長を記録しました。襲撃事件後、現場となった近鉄・大和西大寺駅前には、小中学生が花を手向け、手を合わせる姿も見られました。彼らにとって、物心ついてから首相といえば安倍晋三氏というくらい、在任期間が長かったのです。

第1次安倍内閣は発足直後こそ高い支持率でしたが、閣僚の不祥事や辞任が相次ぎ、年金記録問題も発覚して、平成19 (2007)年7月の参院選で自民党が惨敗。安倍首相は第2次改造内閣で再起をかけましたが、その後も農業共済組合の補助金不正受給問題などが浮上。臨時国会で続投の意思を示していた首相がそれを翻し、持病を理由に辞意表明したのが9月。突然の辞意に、世間は驚愕しました。

しかし、その後、平成24(2012)年12月に首相の座に返り咲き、政権は令和2(2020)年9月まで7年8ヵ月の長きにわたり、「安倍一強」と称されました。その間、多くの政治課題に取り組み、東京五輪の開催決定、平成から令和への改元、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言など、数々の歴史的な節目や難局にも主導的役割を果たしました。その一方で、「森友・加計問題」「桜を見る会」といった、長期政権による負の側面も浮き彫りに。「アベノミクス」「忖度(そんたく)」は流行語にもなりました。

安倍元総理の国葬は9月27日。費用はいくらかかる?

要人の警護・警備体制見直しや警察庁長官の退任、奈良県警本部長の辞任、さらには政治家とカルト宗教団体との癒着問題にまで波紋が広がった、安倍元総理の銃撃事件。そんな中、令和4(2022)年7月22日、政府は東京都千代田区の日本武道館で同年9月27日に安倍元総理の国葬を行うと閣議決定しました。

そもそも国葬は、どういったケースに執り行われるのでしょう?

「国葬」という呼称が正式に用いられるようになったのは、明治以降とされています。大正15(1926)年に「国葬令」が公布され、天皇・太皇太后・皇太后・皇后、7歳以上で薨去(こうきょ)した皇太子、皇太孫、皇太子妃、皇太孫妃、摂政皇族の葬儀はすべて国葬とされました。また、「国家に偉功ある者」も、天皇の特旨により国葬を賜うことができるなどが明文化されました。

第二次世界大戦後、国葬令が失効したため、天皇・皇后以外で国葬が行われたのは、元総理・吉田茂氏が初で唯一となっています。閣議決定による「国葬儀」形式(国の儀式として全額国費負担で行われる葬儀)とされ、憲法規定の政教分離に基づいて宗教色を排し、昭和42(1967)年10月31日に日本武道館で行われました。

今回の安倍元総理の国葬も、閣議決定により「国葬儀」で開催されることになりました。政府発表によると、今年度予算の予備費からの支出額は約2億5,000万円だそうです。しかし、マスコミ各社の試算によると、海外からの要人の接遇費や警護・警備費などを加えると、総額で16億6,000万円程度とも、およそ26億円とも、あるいは70億円を超えるのではないかとも言われています。

コロナ禍で経済が低迷し、原油価格の高騰や資材不足による物価高に直面する中、「国葬儀」が執り行われることに対して、国民の間でも賛否両論を巻き起こしています。

なぜ、妻・昭恵さんは東京の豪邸を相続できない?

新型コロナウイルス感染症拡大による経済への影響を鑑み、令和2(2020)年4月、内閣総理大臣ほか、閣僚の給与の一部が国庫に返納されたのも、記憶に新しいところです。安倍総理は月額の給与と期末手当の30%を返納しました。

安倍晋三氏が退陣した令和2(2020)年9月当時、内閣総理大臣の年間給与額は約4,049万円とされています。また、内閣総理大臣の退職手当は、基本額(俸給月額×在職年数に応じた支給率)+調整額(基本額×6/100)の計算式で算出されますので、概算で約980万円となります。

『政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律』に基づき、国会議員の資産は公開されています。平成25(2013)年に公開された安倍総理の資産は、固定資産税の課税標準額による不動産、銘柄株式の保有株、合わせて1億793万円でした。

しかし、同年、日本共産党の調査によると、下記が晋三氏の資産に含まれるのではないかということです。これらを考え合わせると、晋三氏が保有する資産は2億~3億円と見られます。

  • 選挙区の山口県下関市にある敷地(約3,191㎡)と邸宅(延べ床面積約844㎡)
  • 代々庄屋を務めていた安倍家所有の山口県長門市の土地・山林(約15,330㎡)や住宅(約241㎡)
  • 山梨県鳴沢村の別荘(建物のみ・約124㎡)
  • 定期預金・株・ゴルフ会員権・貸付金・乗用車など

配偶者は常に法定相続人となり、相続の第1順位は亡くなった方の子どもになりますが、晋三氏にはお子さんがありません。第2順位は亡くなった方の父母や祖父母など直系尊属になります。晋三氏のお母様・洋子さんがご存命ですので、法定相続人は配偶者である昭恵さんと母・洋子さんの二人になります。

この場合、妻・昭恵さんの法定相続分は遺産の2/3ですので、仮に晋三氏の相続財産額が2億円だとすると、1億3,000万円余を相続することになります。相続税の配偶者控除を適用すると、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額が減額されますので、昭恵さんの相続税は0円になる可能性が高いと言えます。

晋三氏の資産の中に資産価値20億円とも言われる東京の邸宅が含まれていませんが、東京都渋谷区の高級住宅街にあるご夫妻が住まいとしてきた豪邸は晋三氏の所有ではないとのことです。不動産登記簿によると、敷地は母・洋子さんと晋三氏の兄・寛信氏の共同名義、家屋は1階と地下が洋子さんと寛信氏の持ち分、晋三夫妻が居住してきた2・3階部分と賃貸マンション部分は洋子さんの所有となっています。

つまり、住まいとしてきた東京の豪邸は晋三氏の相続財産とはなりませんので、妻・昭恵さんに相続権はありません

親子や兄弟姉妹など、親族間での無償による不動産賃貸には所得税や贈与税は課せられません。ただし、有償で借りている人の場合は居住権などの権利が行使できますが、無償で借りている人の権利はほとんどないと言っていいほど弱くなります。

親族間での「賃貸借」「使用貸借」については、『相続税の計算で注意したい「借地権」「賃貸併用住宅」の評価』のコラムもご参照ください。

また、晋三氏の父親である晋太郎氏が死去された際、父の政治団体を再編して総額約4億円とされる政治資金を継承していたと、過去に報じられています。その行方も、今後の後継者問題とともに気になるところです。晋三氏が遺言書を残していたのかどうかは、現在のところ明らかにはなっていませんが、今後も遺産の行方や遺族の動向は世間に注目されることでしょう。

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押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
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  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
    そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

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    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

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