「不動産のある相続の注意点」税金問題、評価方法や相続登記について解説

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不動産のある相続

「亡くなった家族が多くの不動産を所有している。相続時の注意点はある?」
「不動産を相続する時は、どのように土地や建物を評価するのか知りたい。」
相続財産に不動産が含まれている場合は、知っておきたい注意点があります。この記事では、不動産のある相続について、不動産の評価方法や、相続税の3つの視点から詳しく解説します。不動産相続の流れについても解説しますので、ぜひご一読ください。

この記事を読めばわかること

  • 1.不動産相続時の注意点がわかる
  • 2.不動産相続の流れがわかる
  • 3.不動産のある相続を税理士に相談するメリットがわかる

不動産のある相続にはどのような注意点がある?

被相続人が遺した相続財産の中には、「不動産」が含まれることがあります。では、不動産のある相続が開始されたら、どのような注意点があるでしょうか。以下3つのポイントで解説します。

不動産評価

まず1つ目は「不動産評価」の問題です。相続する土地や建物の不動産評価は相続財産にもちろん含むため、評価によっては高額の相続税が発生する可能性があります。

また、預貯金や有価証券など換金しやすい相続財産がほとんどないにもかかわらず、評価の高い不動産が多い場合には、相続税の納付にあたって相続人が現金を用意する必要が生じることも考えられます。
不動産評価には様々な方法が考えられますが、評価額によって相続の方針も大きく揺らぐ可能性があるため、慎重に評価を定める必要があるのです。

■ポイント 不動産評価の方法とは相続時には不動産の評価を行う必要がありますが、その評価方法は大きく二つに分けられます。道路ごとに定められた路線価(標準的な宅地の1㎡あたりの価額/国税庁より)による評価と、固定資産税評価額に倍率をかけて評価する方法です。土地の実態と、算出された評価額に大きく乖離がある場合には、不動産鑑定士に依頼をすることもできます。お手持ちの不動産に合わせた適切な判断が必要です

あわせて以下の記事もご一読ください。
【土地の相続税評価額とは?】減額要件や計算方法を詳しく解説

相続登記

不動産を相続する際には、「相続登記」を行う必要があります。相続登記は令和6年(2024年)4月1日より義務化されるため、被相続人が所有していた不動産は、相続による所有権移転登記を必ず行う必要があるのです。

相続登記を行うためには、前提として遺産分割協議をまとめなければなりません。特段の理由がない状態で相続登記をしなかった場合には、今後10万円以下の過料が発生するおそれがあるため、確実に手続きを進める必要があります。
(遺言書がある場合、遺産分割協議は不要です)
参考URL 横浜地方法務局 相続登記が義務化されます(令和6年4月1日制度開始)~相続登記を応援します~(R5.10.4現在)

相続税申告

不動産の相続にあたっては相続税申告が発生する可能性があります。不動産が多い場合や、評価の高い不動産をお持ちの場合、発生する相続税は高額にもかかわらず、手元に相続税納付に充てられる現金が用意できない場合もあります。

相続税の納付には「物納」が認められているものの、現金での納付がどうしても困難であるなど、要件をクリアしている必要があります。

不動産相続の手続きの流れ

実際に不動産を相続する場合には、どのような手続きが行われるのでしょうか。以下3つの流れをご確認ください。注意点も交えながら詳しく解説します。

相続人と相続財産の確定

不動産を含む相続財産を取得するためには、第一段階として「相続人と相続財産の特定」を行う必要があります。

1. 相続人の特定
相続人調査とも呼ばれている作業です。被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍を全て取り寄せて、法定相続人の特定を行います。相続人は推定で判断してはならず、認知した子や養子縁組の子なども慎重に調べる必要があります。相続人の特定作業によっては遠方の市区町村から戸籍謄本等を取り寄せる必要があり、時間を要する可能性もあります。

2. 相続財産の特定
被相続人が遺した財産を特定する必要があります。相続財産には以下のものが含まれます。

・プラスの財産
相続財産にはプラスの財産が含まれます。具体的には、現金・預貯金・有価証券・不動産や骨とう品類・事業用財産などが挙げられ、商標権などの知的財産も含みます。

・マイナスの財産
相続財産にはマイナスの財産も含むことを覚えておきましょう。具体的には、車のリース料や通信費関連、知人や友人からの借入、連帯保証などが相続対象です。不動産のある相続の場合、住宅ローンや債務などもマイナスの財産として挙げられますので、確認を忘れないようにしましょう。

相続財産の調査そのものに期限が設けられていませんが、以下の観点から早期に調査を進めることがおすすめです。

■ポイント 相続手続きの中で発生する期限とは相続手続きを進めるにあたって、高額の債務がある場合には「相続放棄」や「限定承認」の期限、相続税申告が必要な場合には相続税の納付期限を知っておく必要があります。

相続放棄…相続の開始を知った日から3か月以内、相続人が単独で申立て可能
限定承認…相続の開始を知った日から3か月以内、相続人全員で申立てが必要
相続税の納付…相続の開始を知った日の翌日から10か月以内

遺産分割

相続人の調査と相続財産の特定が終わったら、相続人の誰に財産を相続させるのか決めていく必要があります。

・ 遺言書がある場合

相続に不動産がある場合は、遺言書があるケースでは遺言に沿った内容のとおり相続手続きを行います。遺産分割協議の場合には、誰がどの不動産を取得するか協議を行います

・ 遺産分割協議を行う場合

遺言書が無く、遺産分割協議を行う場合は、相続人全員が同意する必要があります。未成年者や認知症で判断能力が低下している方が含まれる場合であっても同様です。

相続する不動産の取得方法とは

不動産を複数人の相続人で分割する場合には、3つの方法があることを知っておきましょう。

・代償分割
特定の相続人が不動産を取得する代わりに、お金を別の相続人へ支払う方法。たとえば、実家住まいの長男が実家を取得する代わりに、別居している別の相続人へお金を渡すなどのケースが多い。

・換価分割
不動産を売却し、その売却代金を相続人間で分割する方法。不要な建物や土地を相続時に処分できるが、売却による譲渡所得税が発生するため注意。
相続を売る場合については、下記記事もご一読ください。
参考URL 「相続した土地を売る」手続き。特例や控除による節税方法も解説。

・現物分割
不動産を複数名の相続人で所有することにし、そのまま所有者を相続登記する方法。代償分割や現物分割よりもスムーズに手続きできるものの、売却時には登記した相続人全員の同意が必要になる。

遺産分割協議では不動産を誰が、どのように取得するのか揉めてしまうおそれがあります。たとえば、被相続人名義の実家に長く住んでいる長男が実家の取得を主張しても、遠方に暮らす次男が不動産の取得に難色を示すこともあり、思うように遺産分割協議が進まないケースもあります。

トラブルの回避のためには、早期の遺産分割協議の開始はもちろん、生前からの遺言書作成も重要でしょう。無事に遺産分割協議がまとまったら、不動産をはじめとする相続財産を相続人が承継していきます。

相続登記をする

遺言書や遺産分割協議で誰が、どのように不動産を相続するか決まったら、相続登記を行います。相続登記には亡くなられた方の戸籍謄本や、相続人の戸籍謄本、遺産分割協議書と印鑑証明書などが必要となります。書類を整えたら法務局へ提出し、登記申請を行います。

相続登記はご自身で行う場合、登録免許税以外は発生しません。しかし、複雑な書類も多く司法書士に依頼する方も多くなっています。司法書士に依頼する場合は報酬が発生し、一般的には5~15万円程度の相場とされています。

必要があれば相続税を納付する

相続税は不動産も含んだ相続財産全体の金額を使って算出します。

■基礎控除 3,000万円+(600万円+法定相続人の数)

課税対象となる財産の総額が基礎控除を上回る場合には、相続税の課税対象となる可能性が高いでしょう。

不動産の相続にかかる税金とは

不動産の相続にあたっては、以下に挙げる税金が発生することも知っておきましょう。

相続税

相続税は全ての相続に発生するものではありませんが、不動産が多い場合は発生する可能性があるため注意が必要です。相続税には基礎控除があり、不動産以外の相続財産も含めて、おおよそ3,600万円を超えると相続税の発生が考えられますが、その他の控除の適用も可能ですので、慎重に計算する必要があります。

登録免許税

不動産を取得した時に発生する税金です。一般的には不動産を取得した相続人が支払います。なお、少額の土地を取得したケースや登記を受ける前に相続人が亡くなったようなケースでは、登録免許税の免税措置が設けられています。(※令和7年3月31日まで)

なお、登録免許税は、不動産の固定資産税評価額に1,000分の4をかけることで算出可能です。

参考URL 法務局 相続登記の登録免許税の免税措置について (R5.10.04)

所有時には固定資産税

不動産を相続後に売却せずに所有する場合には、固定資産税が発生します。固定資産税は毎年1月1日の時点で土地や家屋などの不動産を所有している方に課せられている税金です。エリアによっては都市計画税も加算されます。

売却時には所得税と住民税

不動産を相続後に売却する場合は、所得税と住民税も発生します。不動産売却の利益から、必要な経費を差し引いた金額(譲渡所得)に対して所得税と住民税が課せられるしくみです。譲渡所得には空き家を売った場合に特例が用意されており、最高3,000万円の控除もあります。

あわせて以下の記事もご一読ください。
空き家特例とは?適用要件は?老人ホーム入居の場合も対象。

不動産のある相続は誰に相談するべき?

不動産の相続は「評価方法」によって相続全体の方針がゆらぐおそれがあります。高額の相続税がある場合は、納税資金の確保に難航する、相続人の間で高額の財産を巡って衝突することも考えられます。では、不動産のある相続に悩んだら誰に相談するべきでしょうか。

弁護士や司法書士

紛争が予想される相続問題(例・兄弟間で不動産の相続を争っているなど)の場合は、交渉や調停、訴訟に対応できる弁護士への相談がおすすめです。

相続登記についてのみ相談をしたい場合は、登記の専門家である司法書士に相談すると良いでしょう。

税理士

相続に不動産がある場合、すでに解説のとおり「不動産評価」によって相続財産全体に大きな影響を与えるため、適切に評価を行った上で相続する必要があります。相続税の納付も予想される場合は、税務の専門家である税理士への相談がおすすめです。

不動産のある相続を税理士に相談する2つのメリット

税理士の中でも不動産に精通している税理士に相談すると、以下に挙げる2つのメリットが得られます。

1.不動産評価を適切に行ってくれる

文中に触れたとおり、不動産の評価には様々な方法があり、適切に行わなければ相続税が高額になってしまうおそれがあります。不動産に精通した税理士に相談すると、不動産評価によって相続税が抑えられる可能性があります。

2.相続税申告を一任でき、控除も見落とさない

税理士には相続税申告が一任できるため、大変な事務負担全般をまとめて依頼できます。
税理士は不動産に関する様々な控除や特例にも精通しているため、ご自身で申告すると見落としがちな制度も活用できます。結果として相続税の抑制ができる可能性が高いのです。まずは信頼できる税理士に相談してみましょう

控除や特例にはどのようなものがある?

相続税の申告が必要な場合には、基礎控除以外にも押さえておきたい控除や特例があります。

・小規模宅地の特例
特定の要件を満たしている場合、土地の相続税評価額を80%もしくは50%に減額できる特例です。詳しくは下記記事をご一読ください。

参考URL 【小規模宅地等の特例とは?】対象、適用要件や必要書類を解説

・配偶者控除(配偶者の税額軽減)

配偶者控除(配偶者の税額軽減)は相続人の配偶者が受けられる控除で、相続財産のうち配偶者がもらえる法定相続分、もしくは1億6,000万円のうちの高い金額が控除されます。詳しくは下記記事をご一読ください。

参考URL 「配偶者の税額軽減」で相続税が無税?非課税枠や注意点をチェック

まとめ 不動産のある相続は岡野相続税理士法人にご相談ください

この記事では、不動産のある相続の注意点について、実際の手続きの流れなどにも触れながら詳しく解説しました。不動産の相続は「評価方法」によって相続全体に大きな影響を及ぼす可能性があるため、安心できる税理士へのご相談がおすすめです。

「不動産に強い」ことで知られている岡野相続税理士法人では、土地評価と適正税額にこだわっています。岡野相続税理士法人創業以来、全国47都道府県のお客様から、相続税の申告、還付、生前対策や税務調査のご相談を受けており、不動産のある相続にも豊富な実績があります。

相続に不動産が含まれる場合には、まずはお気軽に岡野相続税理士法人にご相談ください。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
    そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

    当税理士法人は、国内トップクラスの相続税の還付実績で培った知識と経験から、1つ1つの土地に適した評価を早く正確に行います。
    こうした適正な土地評価が、大きな相続税の節税につながります。

    今後の相続に備えたい方、相続が発生した方は、遠慮なく当税理士法人にご相談ください。
    初回の面談相談(約1時間)を無料にて実施しております。オンラインに対応しているので全国どこでも、海外からでもご相談、ご依頼いただけます。

    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

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