「資産家の相続税額」とは!アントニオ猪木氏の相続税対策

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アントニオ猪木氏の相続税対策

令和4(2022)年10月1日、元プロレスラーのアントニオ猪木氏が、心不全のため自宅でお亡くなりになりました。格闘家としてはもちろん、スポーツ平和党党首や参議院議員を2期務めた政治家として、また実業家としても活躍。各界に旋風を巻き起こした風雲児、日本のスーパーヒーローの訃報に心よりご冥福をお祈りします。

格闘家、政治家、実業家でありながら「負の遺産」も?!

アントニオ猪木氏は、5歳の時に父親を亡くし、また戦後の主要エネルギーが石炭から石油へと移行する中、家業の石炭問屋が倒産。一家はブラジルに活路を見出し、神奈川県横浜市から移住しました。当時13歳の猪木氏は、サンパウロ市近郊の農場で早朝から夕方までコーヒー豆の収穫などをして働いたそうです。

過酷な労働を担う一方で、猪木少年は陸上競技選手としても頭角を現します。日本で暮らしていた幼少期は運動神経が鈍かったそうですが、農場での肉体労働が体を鍛え、持ち前の身体能力を目覚めさせたのでしょうか。現地の大会に出場して砲丸投げで優勝し、それが遠征中だった格闘技界のレジェンド・力道山の目に留まり、スカウトされてプロレスデビューを果たします。

プロレスラーとしての猪木氏の活躍や名勝負については語り出したらきりがないほどですが、ここで注目したいのは、猪木氏が格闘家であると同時にプロデューサーとしても手腕を発揮してきたことです。興行的には必ずしも成功したとは言えない企画や活動もありましたが、猪木氏の創起により礎を築かれたものがプロレス界には多く存在します。

昭和47(1972)年に旗揚げした新日本プロレスは国内に現存する最古のプロレス団体で、全日本プロレスのジャイアント馬場とともに力道山亡き後のプロレス界に黄金時代を築きました。また、現在、日本でも大人気の総合格闘技は、猪木氏が世界各国さまざまな格闘家と行った異種格闘技が基盤となったと言われています。なかでも、プロボクシング統一世界ヘビー級チャンピオンであるモハメド・アリとの一戦は、多くの国で中継され話題を集めました。

平成元(1989)年6月15日、新日本プロレスの社長を退任して会長に就任。その5日後、スポーツ平和党を結成して政界に進出しました。第15回参議院議員通常選挙に比例区から出馬し、99万3989票を集めて初当選。平成2(1990)年8月の湾岸危機では、猪木氏が私費を投じた『平和の祭典』開催により、事実上イラクの人質となっていた日本人41人の解放に成功。スポーツ平和党が掲げる「スポーツを通じて国際平和」をとのスローガン通りの面目躍如となりました。

その後、数々のスキャンダルに見舞われ、平成7(1995)年の参議院選挙では落選し、スポーツ平和党も平成16(2004)年4月に解散。しかし、平成25(2013年)の第23回参議院議員通常選挙に日本維新の会から比例代表で出馬し、同党内最多得票で当選し、国政復帰を果たしました。

議員就任中の平成26(2014年)、参議院議員の資産公開によると、猪木氏の資産は会長を務めるプロレス興行会社『イノキ・ゲノム・フェデレーション』の1,320株のみで、不動産や預貯金などは全て「該当なし」となっています。

また、猪木氏と言えば、多種多様な事業を展開する実業家としての顔も知られています。『タバスコ』を日本に広めた貿易会社『アントン・トレーディング』、スペアリブのレストランチェーン展開や健康食品の販売を行う『アントン・フーズ』など。しかし、いずれも業績は振るわなかったようです。

ブラジル産サトウキビの搾りかすを有効活用法し、現代では社会通念となっているエコやSDGsを志向する事業『アントン・ハイセル』は、残念なことに経営破綻しました。「永久電気」用発電機を開発する「永久機関」という夢に賭け、名誉会長となったINP技術研究所の実験は失敗に終わっています。猪木氏がこの研究所に投じた莫大な資金の悪影響は、新日本プロレスの経営にも及んでしまったとのことです。

4回の結婚を繰り返すも…相続人は2人の子どもたち

「元気ですかー?!」「1、2、3、ダァーッ!」など、流行語にもなった数々の名言を残した猪木氏ですが、お金の稼ぎ方も、使い方も、その名台詞のように豪快だったようです。一時は借金が20億円、30億円あったとも言われています。

しかし、晩年はリング上ならぬ病魔との闘いの連続だったとのこと。平成10(1998)年の引退試合以前から患っていた糖尿病に加え、b>平成29(2017)年には「全身性アミロイドーシス」と診断されました。数万人に1人の確率で発症する病で厚生労働省に難病指定されており、息切れや呼吸困難を伴い、心不全を引き起こすとされています。

とは言え、さすが不屈の「燃える闘魂」で、令和2(2020)年には自身のツイッターで病名を明かし、「今、最強の敵と闘っています」と、SNSを通じて自らのリハビリの様子などを公開しています。動画サイト『最後の闘魂』は登録者数20万人以上、ユーチューバーとしての年収は300万円近くあったと推定されています。

猪木氏の著書や多くの回顧録に記されている通り、猪木氏の膨大な借金はその多くを佐川急便の故・佐川清会長が肩代わりしたそうで、参議院議員時代のイラク人質解放の際のチャーター機も佐川会長が手配したとのこと。その後、猪木氏は「借金はもうない」と、インタビューなどで語っています。

借金が残っていれば、被相続人の預貯金や不動産などの「プラスの財産」とともに、借金や未払い金などの「マイナスの財産」も相続人に引き継がれることになります。民法の第896条に「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」と定められているからです。

相続人が「マイナスの財産」を承継したくない場合、「相続放棄」「限定承認」という手続きを選択する方法があります。「相続放棄」はその相続人の相続人としての地位自体を放棄する方法、「限定承認」はプラスの財産の限度内でマイナスの財産を相続する方法です。

詳しくは、『相続放棄は得?全員が放棄したらどうなる?保証債務や限定承認って?
「失敗しない相続手続き」チャートでわかる期限と相談士業』のコラムをご参照ください。

では、猪木氏の法定相続人は誰になるのでしょう?猪木氏は4回の結婚と3回の離婚を繰り返されましたが、アメリカ修行時代の最初の妻・リンダさんとは婚姻届けを出しておらず、今で言う「事実婚」だったようです。また、残念ながら4番目の配偶者である田鶴子さんは、令和元(2019)年にお亡くなりになっています。法定的に結婚した配偶者は常に相続人となりますが、離婚した配偶者は相続人にはなれません

法定相続の第1順位は子どもです。事実婚の子どもも認知されていれば相続権がありますが、リンダさんとの間の息子さんは幼い頃、気の毒なことに小児がんで亡くなっているそうです。2番目の妻・女優の倍賞美津子さんとの間には、子役としてミュージカル『アニー』で主演した娘・猪木寛子さんがいます。3番目の妻・尚美さんとの間には息子さんが1人。田鶴子さんとの間にはお子さんがいないので、法定相続人は娘と息子の2人ということになります。

2017年の「生前葬」は相続税にどう影響する?

平成29(2017)年10月21日、猪木氏は東京・両国国技館で自らの「生前葬」を開催しています。その前月には兄弟2人を心臓病などで亡くし、同月には自身も難病を発症していたことが大きなきっかけとなったようです。

リング上には棺桶がしつらえられ、藤波辰爾氏、藤原喜明氏、スタン・ハンセン氏といったゆかりの人気レスラーが弔辞を述べて、追悼のテンカウントゴングが鳴り響く中、「そこに私はいません 死んでなんかいません」という猪木が歌う『千の風になって』のアカペラが流れると会場は笑いの渦に。そして、白装束にトレードマークの真っ赤なタオルを首に巻いた猪木氏が入場。白装束を脱ぎ捨ててスーツ姿になり、ナックルパートで棺桶のふたにパンチング。中から魂に見立てた球を取り出して頭上高く掲げると、球は白から赤へと変化……という、いかにも猪木氏らしい趣向だったそうです。

相続発生の際、相続人が支払った葬式費用は遺産総額から控除でき、相続税が抑えられますが、本人が「生前葬」を行った場合はどうなのでしょう?

もちろん、「生前葬」にかけた費用の分だけ相続財産は減らせます。また、祭祀財産と呼ばれる墓石や墓地、仏具などは、遺産総額から控除できる葬式費用に含めることができません。ですから、生前にこれらを自ら購入しておくことで、相続人の負担を減らすことができます。

猪木氏は、先に亡くなった田鶴子夫人ゆかりの青森・十和田市内に、「アントニオ猪木家の墓」を建立しています。しかし、猪木氏自身は生まれ育った神奈川県横浜市にある猪木家の墓へ、本名の猪木寛至(いのきかんじ)として納骨されることが生前に取り決められていたとのことです。

猪木氏のように豪快な人物が、相続税対策としてのきめ細かな配慮で「アントニオ猪木家の墓」を建てたのかどうか、定かなことはわかりません。しかし、子どものいない田鶴子夫人のために心遣いをしたことは確かでしょう。家族葬の喪主は最期を看取った弟の啓介氏が務め、後日、ファンのための「お別れの会」も催されるそうです。

当相続税理士法人では、相続税対策としての生前贈与のご相談も承っております。まずはメールや電話による無料相談から、お気軽にお問い合わせください。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • ①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。
  • ②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。
  • ③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。
  • 相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。
    払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

    相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

    特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

    相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。
    そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

    当税理士法人は、国内トップクラスの相続税の還付実績で培った知識と経験から、1つ1つの土地に適した評価を早く正確に行います。
    こうした適正な土地評価が、大きな相続税の節税につながります。

    今後の相続に備えたい方、相続が発生した方は、遠慮なく当税理士法人にご相談ください。
    初回の面談相談(約1時間)を無料にて実施しております。オンラインに対応しているので全国どこでも、海外からでもご相談、ご依頼いただけます。

    相続税専門の岡野雄志税理士
    この記事の監修者
    相続税専門の岡野雄志税理士

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    岡野相続税理士法人
    代表税理士 岡野 雄志

    税理士・行政書士
    1971(昭和46)年生まれ
    千葉県成田市出身
    千葉県立佐倉高等学校卒業
    早稲田大学商学部卒業

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。 2001年、30歳で税理士試験合格。 2005年、34歳の時に、相続税専門の税理士事務所(現・岡野相続税理士法人)を開業。 個人事業時代に、1,900件以上、累計154億円の相続税還付に成功し、日本一の実績を立てる。 2022(令和4)年に税理士法人化。 新横浜、東京駅、新宿の3拠点にて営業している。 特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。

    現在までに累計3,000件、200億円の相続税還付に成功する。 全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。 著書に『土地評価に強い税理士に頼んだら相続税がビックリするほど安くなりました』(岡野雄志/舟田浩幸 著、株式会社あさ出版刊)、「相続税専門税理士が教える 相続税の税務調査完全対応マニュアル(幻冬舎刊)」など6冊。 相続税関連の執筆や各種メディアから取材実績として、「週刊ダイヤモンド」「週刊現代」等。 ウェブメディア「ダイヤモンドオンライン」「幻冬社ゴールドオンライン」など多数。

    相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
    全国各地の相続税申告・還付を累計5,904件(2026年3月末時点)以上手掛ける。
    特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
    相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

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