分かりやすく解説、相続税の知識
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相続財産は不動産のほうが良い?

公開日:2019/04/06
最終更新日:2020/07/01
相続税の知識
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岡野雄志税理士
岡野雄志税理士


相続税とは、相続が発生した時点で、被相続人が所有していた財産のすべてが対象となり課税されるものです。現金、預金、不動産、有価証券などの財産をそれぞれ評価し、合算の財産額に対して課税されます。現金や預金は評価がいくらになるのかは明白ですが、不動産や未上場株式などはどのように評価されるかご存知でしょうか?今回は、相続税対策としてよく用いられる、不動産について取り上げていきます。

不動産の相続評価とは

一概に不動産と言っても、建物、土地、借地権などがあり、それぞれ評価方法も異なります。ここでは、一般的な建物と土地の評価方法について見ていきます。

建物

建物の評価方法は、固定資産税評価額をベースとして算出されます。固定資産税は1月1日現在の所有者が納税義務を負っており、6月1日に各所有者宛に所有不動産の評価額と固定資産税額・都市計画税額が通知されます。この通知書に記載されている固定資産税評価額が、建物の相続税評価額のベースとなるのです。

ただし、自分で利用するためのものかどうかで、以下のような違いが生じます

自宅や別荘などの自用家屋:固定資産税評価額
賃貸用不動産:固定資産税評価額×70%

土地

土地の評価方法は、路線価評価または倍率評価が用いられます。土地については国税庁が路線価という基準を公表しており、所有している土地が面している道に付された路線価にその土地の面積を乗じ、土地の形状により一定の補正率を乗じることにより評価額を算定可能です。

路線価が付されていない地域では、路線価と同様に国税庁が地域ごとに倍率を定めており、固定資産税評価額にその倍率を乗じることにより評価額の算定を行います。

さらに、小規模宅地の評価減特例を活用すると、自宅の場合には330㎡までは80%、貸付事業を行っている場合は、200㎡までは50%の評価減が可能となります。

金銭で相続するよりも不動産のほうが安い?

現金預金を相続した場合の評価額は、その現金預金の金額そのままであるのに対し、不動産を相続した場合には、上記で説明した算出方法で評価額がはじき出されます。そのため、金銭で相続するよりも不動産で相続した方が評価額は低くなり、相続税も少なくて済むのです。具体的にどの程度低くなるのか、参考例を見ていきましょう。

事例

預金10,000をそのまま相続するのと、不動産に変換する場合

【預金10,000を相続した場合】

相続税評価額は、そのまま「10,000」となる。

【預金10,000を不動産により相続した場合】

建物を4,000で自宅として購入(固定資産税評価額:2,800)。
土地を6,000で購入(路線価1㎡あたり21、面積200㎡)し、不動産により相続した場合

建物の相続税評価額:2,800
土地の相続税評価額:21×200×(1-80%)=840
∴合計の相続税評価額:2800+840=3,640

金銭で相続をする場合と不動産で相続する場合とで、評価額は6割以上も低くなります。つまり、金銭を多額に有している場合には、不動産を購入して相続に備えるのもひとつの節税手段と言えます。

不動産で相続する場合の留意点

不動産で相続する場合には、下記のような点に留意をしておく必要があります。

1.不動産は分けにくい

金銭を相続する場合には、各相続人が欲しい金額に分けて相続することができますが、不動産の場合には各々の評価額が大きいため、公平に財産を分けることが難しい。

2.共有すると、売却しにくくなる

共有持分で相続することにより、相続財産の公平な配分は可能となりますが、共有持分による相続は十分検討が必要と言えるでしょう。共有不動産は、売却時には共有者全員の同意が必要となるため、売却したい人と、売却したくない人がいるときに売却できなくなってしまいます。

3.名義変更にコストがかかる

相続の対象が金銭や株式でなされる場合は、口座変更や名義変更は手続きのみで済み、コストはかかりません。しかし、不動産の場合には名義変更に伴い登録免許税が課されます(相続の場合には不動産取得税は非課税)。

上記のようにメリットとデメリットがあるが、これから相続を行う可能性がある方は、不動産による相続も、方法のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

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岡野 雄志

相続税専門の税理士。
早稲田大学商学部卒業。
2005年に神奈川県横浜市の新横浜に事務所を開設して以来、横浜に限らず全国各地の相続分野の案件を1690件以上手がけてきました。特に土地の評価を得意とし、相続税還付の実績は業界でもトップクラス。相続税に関する書籍の執筆にも力を入れているほか、各種メディアからの取材実績も多数あります。

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