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国税庁が平成29年度の相続税調査状況を公開!内容について詳しく解説

公開日:2019/04/04
最終更新日:2020/07/01
相続税の知識
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岡野雄志税理士
岡野雄志税理士

国税庁が平成29年度の相続税調査状況を公開!内容について詳しく解説

平成29年度の調査状況は?

2018年12月12日、平成29年度(平成29年7月から同30年6月末)の相続税の調査状況を国税庁が公表しました。相続税の実地調査件数をはじめ、海外関連資産や無申告事案についての調査実績が上がっています。

調査状況によると、2017年7月から18年6月までの1年間に行った相続税の実地調査件数は、1万2,576件と前年度(1万2,116件)より3.8%増加しています。申告漏れ等申告内容に問題ありと指摘された件数は1万521件と、こちらも前年度(9,930件)より6%増加しています。申告件数における非違割合は29年度で83.7%と、調査が行われたらかなりの高い確率で申告ミスが指摘されていることが分かります。

一般的に納税者の多くが相続税調査の経験がない素人。さらに、顧問税理士にも知らせていない資産が調査で分かることも多いのが現状です。そのため、相続財産の「仮想・隠ぺい」などにより課せられる税のペナルティである「重加算税」賦課件数も29年度では1,504件あり、前年度より15.7%増加しています。相続税の申告漏れ等の非違件数における重加算税の賦課割合も14.3%とかなり高く、この数字も前年度13.1%からかなり上がっています。

申告漏れ相続財産の金額構成比で興味深いのが、「現金・預貯金」が34.1%を占め、「土地」や「家屋」「有価証券」などよりも2倍近く高いこと。
子ども名義の預金通帳に被相続人が多額のお金を積み立てている、また、専業主婦の配偶者が、ヘソクリを溜め込み、自分の預金通帳で管理しているなど、「預金通帳の名義は自分だから」と安心していると、税務調査で「それも相続財産になります」と指摘されるケースが多いようです。

申告漏れ相続財産の金額の推移

※国税庁資料より転載

無申告にも調査の眼厳しく

さて、29年度の相続税の調査状況においては、無申告者に対しての調査実績についても詳細に記載されています。無申告に対する実地調査件数は1,216件、申告漏れ非違件数は1,025件となっており、987億円の申告漏れを見つけています。1件あたりにすると、申告漏れ課税価格は8,117万円で、通帳税額は722万円にのぼり、非違割合はなんと約85%です。
このほか、海外関連資産の調査には、「富裕層」=「海外資産」という見方もできるため課税当局も厳しい眼を向けています。租税条約等に基づく情報交換制度などを活用して、海外の資産を持つ納税者の情報収集に力を入れており、29年度は1,129件の実地調査を行い、134件の申告漏れ等の非違を指摘しています。非違1件あたりの申告漏れ課税価格も5,188万円と高額で、重加算税賦課案件としても6件、8億円もの重加算税を賦課しています。
非違財産としては「現金・預貯金」が多く、非違件数に占める割合の約3分の1。エリア別では、北米、アジア、欧州の順になっています。

過去5年の海外資産関連事案に係る調査事績の推移

※国税庁より転載

毎年、国税庁から発表される相続税の調査実績。データをさまざまな角度から見ていくと、課税当局の税務調査における現在の取組みなどが見えてきます。当ブログではこうした相続税にかかわる最新ニュースをこれからもお届けしていきます。

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岡野 雄志

相続税専門の税理士。
早稲田大学商学部卒業。
2005年に神奈川県横浜市の新横浜に事務所を開設して以来、横浜に限らず全国各地の相続分野の案件を1690件以上手がけてきました。特に土地の評価を得意とし、相続税還付の実績は業界でもトップクラス。相続税に関する書籍の執筆にも力を入れているほか、各種メディアからの取材実績も多数あります。

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