大地評価の廃止と規模格差補正率の導入!
年内にやっておくべき対策とは?

広大地評価の廃止と規模格差補正率の導入!
土地評価の専門家が詳しく解説します!

平成29年6月22日木曜日、【「財産評価基本通達」の一部改正(案)】についてのパブリックコメントが発表されました。

このパブリックコメントによって、平成28年12月8日に自由民主党・公明党によって発表された「平成29年度税制改正大綱」の詳細が明らかになりました。

ここでは、「広大地の評価方法がどのように改正されるのか」について解説していきます。


「広大地」の廃止と「地積規模の大きな宅地」の新設

まず、『広大地の評価』は廃止され、代わりに『地積規模の大きな宅地の評価』が新設されます。

新設された評価方法の内容は以下の通りです。

『地積規模の大きな宅地で14-2((地区))の定めにより普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区として定められた地域に所在するものの価額は、15((奥行価格補正率))から前項までの定めにより計算した価額に、その宅地の地積の規模に応じ、次の算式により求めた規模価格補正率を乗じて計算した価額によって評価する。』(「財産評価基本通達」の一部改正(案)の概要 より一部抜粋)

これがどういった内容なのか、現行の広大地の評価方法と比較しながら解説していきます。


適用要件の明確化

現行の広大地評価では、適用要件があいまいなことが問題視されていましたが、改正後は、以下の表のように明確化されます。

現行の評価では広大地として減額を受けられていたのに、要件が明確化されたことによって、減額を受けられなくなる土地が増える一方で、適用要件が明確化されたことにより、今まで広大地評価を適用するかどうかの判断が難しかった土地の判断がしやすくなります。

お持ちの土地が、規模格差補正での減額が適用できるかどうかの簡単なフローチャートをご用意しました。

規模格差補正のフローチャート


規模価格補正率の導入

従来の広大地評価の方法は、地積(面積)に路線価の価額と広大地補正率をかけるだけというシンプルなものでした。

従来の広大地の評価額 = 地積 × 路線価 × 広大地補正率

しかしこの「広大地補正率」には、土地の形状が考慮されていないという問題点があったため、改正で以下のように変わりました。

地積規模の大きな宅地の評価額 = 路線価額 × 各種補正率 × 規模格差補正率 × 地積

各種補正率は、いびつな形の土地の評価を減額するための補正率で、規模格差補正率は、土地の大きさを考慮して減額するための補正率です。

つまり、その土地の形状と地積の大きさを考慮した評価が可能になったのです。

現行の広大地評価では、地積が同じであれば、どんな形の土地であっても評価額は同じでした。

しかし、改正後の評価方法では、正方形に近いきれいな形の土地は、現行の広大地評価で算出した額より、評価額が高くなってしまうのです。


規模価格補正率を使った土地評価の具体例

規模価格補正率を使った土地評価の具体例をご紹介します。

まず、現行の補正率(広大地補正率)と改正後の補正率(規模価格補正率)を比較してみましょう。

現行の広大地評価のほうが、大きな減額が受けられることが分かります。

では実際の評価額ではどれくらいの差があるのか、以下のケースについて、現行の評価額と改正後の評価額を計算してみましょう。
路線価100,000円、三大都市圏、正方形の土地である、と仮定した場合、それぞれの計算方法と評価額は以下です。


土地のイメージ



このときの現行の評価額と、改正後の評価額は以下になります。

現行の広大地評価を適用した場合の評価額

100,000円(路線価)×(0.6-0.05×1,600/1,000)×1,600㎡(地積)=83,200,000円

改正後の規模格差補正率を適用した場合の評価額

100,000円(路線価)×0.92×0.75×1,600㎡(地積)=110,400,000円

ご覧のように、改正後の評価額は、現行の評価額と比べて、27,200,000円も高額になっています。

割合にしてなんと約33%も増加しているのです。


改正前の対応策

こんな土地をお持ちの方は、改正前の2017年末までに相続時精算課税制度を利用して贈与することで、節税できる可能性があります!

  • 広大地として通る確率が高い土地
    (例.すでに前回の相続などで広大地評価が適用されている土地)
  • 500㎡に満たない土地(ミニ開発分譲地)
  • 中小工場地区にある土地
  • 東京都23区にある容積率300%以上の土地

新しい制度は、平成30年1月1日以降に相続などで取得した財産の評価から適用されます。

適用前の対策として、相続時精算課税制度を利用しての生前贈与が考えられます。

今年中に、相続時精算課税制度を使って広大地を贈与しておけば、現行の広大地評価を適用した場合の評価額のまま家族に土地を残すことができます。


改正後の対応策

来年度の1月1日以降も有効な、今からできる対策をご紹介します。


面積基準(三大都市圏500㎡、その他の地域1,000㎡)を超えるように土地を集める

今回の改正で、土地に開発道路を入れる必要があるのかどうかは、要件ではなくなりました。

道路に接している面が広くて、開発道路を造る必要がない土地でも、要件を満たせば規模格差補正率での減額が受けられるのです。

その要件のひとつめ、面積基準を満たせるように、土地の地目をそろえたり、土地を購入することが対策として挙げられます。


親子共有で土地の相続をする

土地を分割して相続するのではなく、共有財産として相続することも対策として考えられます。

しかし、兄弟間など、争いが生じてしまいそうな共有は、避けたほうがよいでしょう。


家族間で隣地の贈与や売却をする

面積基準を満たすことを考えるのであれば、家族間での隣地の贈与などで自分の土地を大きくすることが対策として考えられます。


土地を測量し直す

昔測量したときの面積と、今測量し直した面積が違っていることがあります。

登記簿に載っている面積より、実際に測り直した面積のほうが大きくなることを「縄伸び」といいます。

縄伸びがおこることは結構見受けられるので、面積基準に多少満たない場合、測量し直してみるのも一つの手です。


現行の広大地評価と、改正内容の解説、改正に対する対応策をご紹介してきました。

しかし、お持ちの土地が、そもそも広大地評価を適用できるのか、適用できたとして、相続時精算課税制度を使った対策をしたほうがいいのかどうかは、土地に詳しい税理士でないと判断が難しいです。

広い土地をお持ちの方は、一度ご相談を検討されてみてはいかがでしょうか?


当事務所では、相続案件を抱える税理士の先生の支援をしています!

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